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発着便の増大に応える新運航情報管理システムを構築
高信頼性のもと、安全かつ円滑な空港運用を実現

成田国際空港株式会社様 導入事例


年間約3,500万人が乗降するアジアの代表的な国際空港、成田国際空港。同空港を運営・管理する成田国際空港株式会社では、2010年春からの発着回数の増大を見据え、運用継続性の確保、運用コストの削減を目的に運航情報管理システムを刷新。止まることが許されないシステムのプラットフォームに採用されたのがSPARC Enterprise™です。

2010年3月16日掲載 / 印刷用 PDF版ダウンロード (897 KB)

導入事例概要
業種: 国際空港の運営・施設管理
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M5000, M4000(注)
ストレージ ETERNUS4000, ファイバチャネルスイッチ ETERNUS SN200, テープライブラリ ETERNUS LT230
PCサーバ PRIMERGY RX300
ネットワークサーバ IPCOM L1400, EX2000 IN
ソフトウェア: 統合運用管理 Systemwalker Centric Manager
高信頼基盤 PRIMECLUSTER
データベース Oracle Database 10g

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「メインフレームと同等の信頼性に加えて、富士通は、Solarisの開発ベンダーである米Sun Microsystems社とSPARC Enterpriseを共同開発しており、特にプロセッサをはじめとしたハードウェアを開発するなどマシンの隅々まで熟知している点もポイントになりました。カタログスペック上では同等であったとしても、海外ベンダーから購入してそのまま販売しているサーバと比べるとサポートに差がでてきます。お客様の空の旅を支えるシステムですからトータルでの高信頼性を求めました」

B滑走路の2,500m化による長距離路線運航への対応。2010年度には都心からのアクセス向上をはかる成田新高速鉄道が開通。ダイナミックに進化を続ける成田国際空港の運営・管理を担っているのが成田国際空港株式会社です。同社は発着回数の増大を見据え、運用継続性の確保、運用コストの削減、ユーザビリティの向上などを目的に、運航情報管理システムNARC(Narita Airport Ramp Control system)を刷新しました。新プラットフォームには、ミッションクリティカルのニーズに応える高信頼性を実現するべくSPARC Enterpriseを採用。Solarisの優れたバイナリ互換性や、富士通が開発ベンダーであることによるサポート面の質の高さもポイントになりました。

課題と効果
1 民営化に伴うコスト削減への対応、オープン化が進む対外システムとの連携をスムーズにおこないたい 高性能SPARC Enterpriseの導入によりコストパフォーマンスが向上。またミッションクリティカル分野で実績が豊富なSolarisにより高信頼性のもとでオープン化に対応。
2 メインフレームで運用していた既存システムと同等の高信頼性を確保したい メインフレームの高信頼性技術を継承したSPARC Enterpriseを採用。先進技術とノウハウのもと、運用性・保守性も含めてトータルな高信頼性を実現。
3 国際空港の需要増大や内部統制など新たなニーズに対応できるシステムを構築したい 性能、拡張性の向上により2010年春からの年間発着回数22万回に対応、さらに将来の30万回も視野に。また操作ログの収集など内部統制の強化にも余裕をもった対応を実現。

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導入の背景

年間発着回数の増大に応えるために運航情報管理システムを次世代へ

1日約520便の航空機が発着し、約9万人の旅客が乗降する日本の空の玄関口、成田国際空港。国際化時代の進展に伴い、38カ国73社の航空会社が利用する(2009年10月現在)アジアの代表的な国際空港としてその重要性はますます高まっています。 同空港の運営・管理を担っているのが、2004年4月に新東京国際空港公団から民営化された成田国際空港株式会社です。航空自由化に伴い空港間競争が激しさを増す中、同社では安全の徹底追求はもとより経営環境の変化や首都圏の国際空港需要の増大への対応を進めています。

成田国際空港株式会社 業務推進部門 IT推進室 室長 井上 猛 氏

2009年10月には2,500mに延伸したB滑走路の併用を開始。2010年3月には従来20万回の年間発着回数が22万回に拡充されます。また、都心からのアクセス時間を最速36分に大幅短縮する成田新高速鉄道も2010年度に開通予定です。
新たな飛躍にむけて進化をつづける成田国際空港の運営基盤を支えているのが、運航情報管理システムNARC(Narita Airport Ramp Control system)です。

「初代NARCが運用を開始したのは1982年です。その後、1992年に第2旅客ターミナルビル供用に伴うエプロンエリア注1の拡大に合わせて第二世代へと機能を拡張しました。そして2006年に、将来の目標である年間発着回数30万回も視野に入れ、運航を正確に安全かつ効率的に進めていくためにNARCⅢの開発プロジェクトをスタートさせました」と、同社の業務推進部門 IT推進室 室長の井上氏は当時を振り返ります。

注1:エプロンエリアとは、乗員・乗客の乗降や燃料の補給、点検整備をおこなうために航空機を駐機する場所。別名、ランプ。

導入の経緯

民営化に伴い、オープン化、コスト削減のニーズに対応

成田国際空港株式会社 業務推進部門 IT推進室 情報運用グループ
調査役 土田 隆一 氏

空港のエプロンエリアには多くの到着機や出発機が存在しています。便数が増えるほどに、航空機が滑走路や駐機場を移動するルートが複雑化するため、より効率的な運航管理が必要になります。

NARCは、国土交通省航空局のFIHS(運航情報提供システム)をはじめ他システムとのデータ連携により、航空機の予定情報、現在情報、実績情報をタイムリーに把握し、航空機のエプロン内での地上移動を支援するシステムです。空港機能の増強によりその重要性はさらに高まっています。また、NARCが扱う運航情報は、同社の重要な収益である航空機着陸料や停留料、旅客サービス施設使用料、旅客保安サービス料などの基礎データとなります。経営戦略の観点からもNARCは重要なシステムです。

空港運用の将来を見据え、次世代NARCの開発で掲げた大きなテーマが、メインフレームからオープンシステムへの転換でした。その理由について同社の業務推進部門 IT推進室 情報運用グループ 調査役の土田氏は次のように話します。
「民営化によるコスト削減ニーズへの対応、オープン化が進む他空港や対外システムの動向など総合的な観点からオープン化を決断しました。またNARCは、技術の進展や技術者の交代などに関わらず、これからも継続して運用していかなければならないシステムです。今回、NARCの開発技術や運用ノウハウの継承も含めて継続性も重要なテーマでした」。

導入のポイント

サポートも含めたトータルでの高信頼性を高く評価

オープン化において同社が最も重視したのは信頼性です。NARCは止まることが許されないシステムです。システム停止による空港運用への影響は計りしれず、これまでメインフレームで稼働してきた理由も高信頼性の確保にありました。
「オープン化を進めるにあたって基本条件としたのは、従来と同様、24時間、高信頼性のもとでシステムを運用できるということです。さまざまな調査の結果、UNIXサーバを選択することにしました。なかでも資産継承の観点からSolarisに関心をもちました。過去からバイナリ互換性をずっと保持しているOSはSolarisだけです。また、市場でのシェアの高さ、ミッションクリティカル分野での豊富な実績も判断材料となりました」と、土田氏は採用のポイントを説明します。

さらにSPARC Enterpriseを選択した理由について土田氏は「将来の発着回数増大にも対応できる拡張性やSPARC Enterprise の性能は、当社の要件を満たすものでした」と話し、さらにこう続けます。「メインフレームと同等の信頼性に加えて、富士通は、Solarisの開発ベンダーである米Sun Microsystems社とSPARC Enterpriseを共同開発しており、特にプロセッサをはじめとしたハードウェアの開発を行うなど、マシンの隅々まで熟知している点もポイントになりました。カタログスペック上では同等であったとしても、海外ベンダーから購入してそのまま販売しているサーバと比べるとサポートに差がでてきます。お客様の空の旅を支えるシステムですからトータルでの高信頼性を求めました」。

システム概要と導入効果

サーバ、ストレージ、回線を二重化し高信頼性を実現

NARCⅢへの移行はスムーズに進み、2009年6月に本稼働しました。NARCⅢでは、システムの中核を担うデータベースサーバにSPARC Enterprise M4000、ゲートウェイサーバにSPARC Enterprise M5000、WebサーバにPRIMERGY RX300、ディスクアレイ装置にETERNUS4000を採用し、それぞれ二重化を実現。また、ネットワーク機器に関しても冗長化を図り、さらに万が一、回線が止まった場合もデータのやりとりがおこなえる仕組みを工夫し、業務を継続可能にしています。

NARCⅢの導入効果について土田氏はこう語ります。「富士通の協力のもとでNARCⅢに関する開発技術や運用ノウハウのドキュメント化を実現できました。また今回の開発では、監査法人のアドバイスを受け、操作ログの収集やデータ改ざんの防止など内部統制の強化も図っています。性能の向上によりログ収集などによるボトルネックの懸念も払拭できました。コスト面でもダウンサイジングにより当初予定通りの計画で初期投資費用の回収可能が見えています」。

また、大雪などによる航空機のエプロンでの滞留状況をグラフ化し視覚的に把握したいというユーザーの要望にも対応。従来のメインフレームではできなかったGUIによるユーザビリティの大幅な向上も実現しています。
今後の展望について井上氏はこう述べます。「これからも現場からの要望や業務形態の変化に応じて継続して改修を進めます。また早期に上場も目指しており、新たなニーズへの対応も必要です。コストを重視しつつ、安全性と業務の継続性を最優先し正確で効率的な空港運用をシステムで支えていきたい。今後も富士通のサポートには大いに期待しています」。

世界トップレベルの国際空港へと進化を続ける成田国際空港。これからも富士通は技術力と総合力を駆使し、空の旅の安心・快適に寄与する同社の取り組みを支援してまいります。

【成田国際空港株式会社様 会社概要】

所在地 千葉県成田市成田国際空港内(成田市古込字古込1-1)
創業 2004年4月1日
資本金 1000億円
代表者 代表取締役社長 森中 小三郎 氏
従業員数 720名(2009年7月1日現在)
事業内容 航空輸送の利用者の利便性向上と航空の総合的な発展を目的に、滑走路、ターミナル、各種航空保安施設、ショッピングが楽しめる店舗施設など成田国際空港における施設を設置・管理・運営。また、環境対策などエコ・エアポートを推進。
URL http://www.naa.jp/

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