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富士通フォーラム2010 東京開催 PRIMEQUESTセミナーリポート「オープン・ミッションクリティカルサーバの理想形 ~Linux/Windows Serverで高信頼・基幹システムを実現~」

富士通フォーラム2010 東京開催 PRIMEQUESTセミナーリポート「オープン・ミッションクリティカルサーバの理想形 ~Linux/Windows Serverで高信頼・基幹システムを実現~」

富士通株式会社 プラットフォームビジネス推進本部 ビジネス企画統括部 サーバビジネス部 プロジェクト部長 岸本 敏裕

厳しい経済環境が続く中、コストを削減しつつ、いかにビジネスの競争力を高めるICTインフラを構築していくか。それに対する1つの解答が、オープン・ミッションクリティカルサーバの理想形へと進化し、2010年3月31日にリリースされた富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1000シリーズ」です。

先の2010年5月13日・14日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催された「富士通フォーラム2010」において、プラットフォームビジネス推進本部 サーバビジネス部 プロジェクト部長 岸本敏裕は、「PRIMEQUEST 1000シリーズ」の特長や適用分野などについて事例も交えながらご説明するセミナーを行いました。ここでは、同セミナーの概要やポイントをご紹介します。

[2010年5月28日掲載]

富士通のサーバ事業における2つのテーマ

「富士通は、IT専門調査会社IDC Japanが実施した『2009年国内サーバ市場動向調査』(出荷金額)において首位となりました。多くのお客様からご支持をいただき、2007年、2008年に引き続き、3年連続でのシェアNo.1です。これからもお客様とともにICTの力で豊かな社会づくりに貢献するべく、さらなる努力を重ねてまいります」(岸本)。

富士通のサーバ事業は、以下の2つのテーマを両輪に進めています。1つが、お客様がこれまで築かれてきたアプリケーション資産を継承するために、必要なプラットフォームを提供し続けていくこと。そしてもう1つが、今後ますますワールドワイドでの成長が期待されるIAサーバ市場に向けてのアプローチを強化していくことです。富士通のIAサーバには、ミッションクリティカル市場向けの基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」と、経済性をより重視し幅広い市場を対象にしたPCサーバ「PRIMERGY」の2つの製品ラインがあります。

「PRIMEQUEST」は2005年にリリースして以来、日本はもとより世界のオープン・ミッションクリティカル市場に新たな可能性を拓いてきました。そして、去る2010年3月31日、クラウド時代も視野に入れた新しい「PRIMEQUEST 1000シリーズ」を発表しました。

「PRIMEQUEST 1000シリーズ」では開発コンセプトをさらに進化

厳しい経済状況が続く中、ICTに対するコスト削減のニーズは高まる一方です。基幹システムにおいても例外ではありません。こうした状況のもと、CPUとOS(Linux、Windows Server、VMware)の信頼性向上や性能向上などに伴い、ミッションクリティカル領域におけるIAサーバの活用シーンが急速に拡大しています。

「時代の要請に応えながらも、メインフレームの高信頼性・堅牢性とオープンシステムの柔軟性・経済性を融合するという『PRIMEQUEST』の開発コンセプトは、現在も変わっていません。新しい『PRIMEQUEST 1000シリーズ』では、このコンセプトをさらに進化させています。従来と同様の高信頼性・拡張性に加え、柔軟性・運用性、グリーンICTを大幅に強化しています」(岸本)。

「PRIMEQUEST」の開発コンセプト

「PRIMEQUEST」の最大の特長は高信頼性・高可用性です。新シリーズでもメインフレームと同等の開発・品質保証体制や、内部コンポーネントの冗長化などにより業務停止リスクの極小化を実現しています。また、性能・拡張性も徹底追求しており、SAP 2階層SD標準ベンチマークテスト(注1)などで世界最高性能を実現、従来機に比べ3~6倍のプライスパフォーマンス向上を図っています。

高信頼性の実現は、ハードウェアだけでなくCPUやOSなど各分野の世界的企業との連携も不可欠です。

「これまでもインテル社とは密接な連携を行ってきましたが、今回はさらに緊密な関係を築くことができました。『PRIMEQUEST 1000シリーズ』では最新・最上位のインテル Xeon プロセッサー 7500番台を採用しています。同プロセッサーに関しては、仕様の共同検討から開発、検証まで全プロセスに渡ってインテル社と技術協業を行ってきました。また、レッドハット社、マイクロソフト社、SAP社などともグローバルな戦略連携を深めています」(岸本)。

オープン・ミッションクリティカルサーバの理想形として、柔軟性を高めている点も「PRIMEQUEST 1000シリーズ」の特長です。たとえば、ハードウェアによる障害隔離性の高い「パーティション機能」と、ソフトウェアによる「仮想マシン(VM)機能」との組み合わせにより、用途や目的に合わせてサーバリソースの最適化が図れます。また、業界初、最長10年の保守サポートをコミットするなど運用性も向上、さらに、省エネルギー、省スペースなどの面も大幅に強化し、「富士通スーパーグリーン製品」として提供します。

ラインナップは、低価格・コンパクトな「エントリーモデル」(最大4CPU/32コア)、企業システムに最適な「エンタープライズモデル」(最大4CPU/32コアまたは8CPU/64コア)、さらに、先ほど触れた最長10年の保守サポートをコミットする社会システムに最適な「ロングライフモデル」(最大4CPU/32コアまたは8CPU/64コア)の3タイプです。

(注1)SAP 2階層SD標準ベンチマークテスト:
SAP社のSAP ERPに含まれるオンライン・トランザクション系の販売管理業務SD(Sales and Distribution)によるベンチマークテスト。「PRIMEQUEST 1800E」で、Windows Server搭載サーバとして世界最高(2010年5月24日現在)となる「同時アクセス16,000ユーザー」を達成。

「PRIMEQUEST 1000シリーズ」の特長

「PRIMEQUEST」の4つの適用分野

「オープンシステムで高い信頼性や拡張性、性能が求められる領域において『PRIMEQUEST』の真価は発揮されます。具体的には、基幹システム再構築、ERP等基幹業務パッケージ、大規模データベースサーバ、サーバ統合・仮想化基盤の4つの適用分野が柱となっています。

それでは各適用分野について、なぜ『PRIMEQUEST』なのか、事例を交えながら具体的にご紹介します」(岸本)。

「PRIMEQUEST」の4つの適用領域


基幹システムの再構築

A銀行様では、特定ベンダー依存から脱却しICT資産の長期保全を図るために、メインフレームから「PRIMEQUEST」とLinuxにプラットフォームを一新しました。

LinuxまたはWindows Serverで基幹システムを構築する場合、ハードウェアの信頼性と合わせて重要な鍵となるのがミドルウェアです。たとえば、ハードウェアの異常を常時監視している「PRIMEQUEST」の「サーバ管理専用ユニット(MMB)」と富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」を組み合わせることで、ハードウェア/ソフトウェアに障害が発生した場合でも瞬時にシステムを切り替え、業務サービスを継続できます。

「PRIMEQUEST」+「PRIMECLUSTER」で待機系サーバへの切り替えは数秒~数分

他にも、ミッションクリティカルなオンライン業務の安全・確実な実行を可能にする基幹オンラインシステム基盤「Interstage Business Application Server」、オープン環境でメインフレームと同等のバッチ処理性能を実現する基幹バッチシステム基盤「Interstage Job Workload Server」など、富士通では「PRIMEQUEST」の特長をフルに活かすミドルウェアを提供しています。2010年1月4日に稼働開始した東京証券取引所様の次世代株式売買システム「arrowhead」(注2)は、「PRIMEQUEST」とLinuxをベースに富士通の総合力を結集した、最先端のオープン・ミッションクリティカルシステムです。

また、「PRIMEQUEST 1000シリーズ」は運用面の強化も図っています。サーバの保守期間は標準で5年ですが、基幹システムにおいてはもっと長期にわたってシステムを利用したいというニーズがあります。そこで「PRIMEQUEST 1000シリーズ」では、サーバハードウェア(「ロングライフモデル」)はもとより、Red Hat Enterprise Linux、富士通製ミドルウェアも含めて長期サポートサービス(最長10年コミット)をご用意しています。

(注2)プレスリリース「世界最高水準!次世代株式売買システム「arrowhead」を稼働


大規模データベースサーバ

B社様はICTインフラのデータセンターへの集約を実施されました。その際、数多くのアプリケーションサーバ(仮想環境)にはブレードサーバ「PRIMERGY BX900」を、高信頼・高性能が求められるデータベースサーバ(物理環境)には「PRIMEQUEST 1000シリーズ」をご導入いただきました。

従来サーバからCPUコア数が減り、データベース管理ソフトウェアのライセンスコストを大幅に低減できることも大きなメリットとなります。

メインフレームと同等の高信頼性、将来のデータ量・処理量増加にも耐えうるスケーラビリティー(最大64コア)などの特長から、今後、ますますニーズが高まるデータ統合においても「PRIMEQUEST 1000シリーズ」は最適です。

データベースサーバとしての適性


ERPプラットフォーム

C製造業様は、サーバ老朽化による性能、信頼性低下を解決するとともに、SAP ERPを最新バージョンへアップグレードするべく「PRIMEQUEST」をご導入いただきました。

本事例で「PRIMEQUEST」採用の大きなポイントとなった機能が、CPU・メモリを搭載する「システムボード」とI/Oとの自由な組み合わせを実現する「フレキシブルI/O」です。「PRIMEQUEST」内に「予備システムボード」を用意しておくことで、ハードウェア障害発生時も「フレキシブルI/O」によりシステムを自動で「予備システムボード」へ乗せ替え、業務サービスを短時間(OS再起動+アプリケーション動作確認)で確実に復旧できます。

30分から1時間位のシステム停止時間が許容できる場合は、設計・構築・運用が比較的複雑で高コストと言われているクラスタシステムからの代替手段として非常に有効であり、多くのお客様から好評を博しています。

コストや工数を削減しつつ高可用性を確保、フレキシブルI/O+予備システムボード

SAP ERPやOracle E-Business Suite(EBS)などのERPシステムでは、業務が日々変化するためサイジングが難しいという声をよく耳にしますが、「PRIMEQUEST 1000シリーズ」はスケールアップも容易です。また、開発機、検証機、本番機などの用途に応じて「パーティション機能」、「仮想マシン(VM)機能」を上手に活用(併用)することで、複数業務の効率的な集約を実現できます。


仮想化基盤

豊島区役所様では、メインフレームベースの従来基幹システムについて、全庁的な観点から各業務システムのオープン化・最適化を目的とする再構築ガイドラインを策定されました。同ガイドラインのもと一般競争入札により「PRIMEQUEST 1000シリーズ」とVMwareをご導入いただきました。

仮想化ソフトウェアを活用したサーバ統合においては、以下の2点が考慮すべきポイントです。まず、将来の業務拡大への対応を見据えることです。物理サーバを追加していくスケールアウトによる拡張では、ハードウェア費用よりも設計・導入・テスト等のSE工数(人件費)が課題となります。スケールアップによる拡張なら、CPU・メモリを追加するだけなのでSE工数を削減できます。さらに、サーバ台数も増えないためバックアップ等の運用コストも抑制できます。

続いて、仮想化によるサーバ集約時に考慮すべき2点目のポイントはI/O能力です。ポート数に余裕がない場合、ネットワーク環境を見直す必要性が生じますが、「PRIMEQUEST 1000シリーズ」には最大40のPCIスロットあり、既存環境をそのままにサーバ統合が可能です。

なにより1台に多くの業務を集約するとそれだけトラブルの際のリスクも拡大しますが、「PRIMEQUEST 1000シリーズ」ならば仮想化基盤として安心と信頼をもたらします。

仮想集約ではI/Oスロット数も重要なポイント


「『PRIMEQUEST』は、オープン・ミッションクリティカル領域における富士通のフラッグシップサーバとして、業界最高水準の信頼性、可用性、プライスパフォーマンスを追求しています。今後もクラウド時代の進展を見据え、お客様の声を反映させながら、お客様ビジネスの継続的成長に貢献するべくさらなる強化を図ってまいります」(岸本)。

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