生成AIと約180名のアイデアで描く10年後のNIPPONとは
過去最大規模で企業横断ハッカソン

2024年10月4日、11日の2日間にわたって企業横断ハッカソン「FUJI HACK」が開催されました。10周年の記念すべき回となった今回は、「生成AIを使いこなして、10年後のNIPPONをデザインしよう」をテーマに、様々な業界・企業から総勢63社173名が参加。過去最大規模の企業横断ハッカソンとなりました。
生成AIを味方に、企業の枠を超え新しいアイデアを創出する濃厚な2日間を味わった参加者の熱気を交え、当日の模様をレポートします。

  • 会場:
    Tokyo Innovation Base(TiB)
目次
  1. 学ぶ・繋がる・広がる 企業横断ハッカソンFUJI HACKとは
  2. 10年後のNIPPONをデザインしよう
  3. 約180名のアイデアが協奏。FUJI HACKのこれから

学ぶ・繋がる・広がる 企業横断ハッカソンFUJI HACKとは

10月4日、11日の2日間にわたり、企業横断ハッカソン「FUJI HACK」(前回の開催レポートはこちらから)が開催されました。2014年より毎年開催してきた「FUJI HACK」も今年で10回目。当初は富士通社員の力試しや事業創造スキルの獲得を目的としていましたが、2022年からはさまざまな業界・業種の企業にもご参加いただく共創の場へと発展しています。

そして、2024年は大企業のオープンイノベーションをさらに加速させる場となることを目指して、大きくアップデート。FUJI HACK実行委員会企業23社とともに企画・運営を行い、63社から173名に参加いただく場となりました。また、プログラム全体に生成AIをふんだんに取り入れることで、非エンジニアの方でもアウトプットが容易となり、より多くの方が参加しやすいハッカソンへと進化しました。

FUJI HACK2024ダイジェスト動画

10年後のNIPPONをデザインしよう

今回のハッカソンのメインテーマは「生成AIを使いこなして10年後のNIPPONをデザインしよう」です。参加者が増えたことにより、さらに「まちの未来」「自然環境と経済の新たな関係性」「学びと文化の未来」「健康と福祉の新常識」の4つのサブテーマに振り分け、春夏秋冬の4つのリーグ開催となりました。
参加者たちは10年後の当たり前や10年後に起こりうる課題やニーズを想像しながら、それらを解決するサービスの創造に取り組みました。

今年のハッカソンでは4つのサブテーマ(春夏秋冬)に分けたリーグ開催となった FUJI HACK2024テーマとサブテーマ

初日は集まった参加者の顔に期待と不安が入り混じる中、VISIONGRAPH Incの宮川 麻衣子 氏によるキーノートからスタートです。現在を起点とした未来予測型ではなく、未来から現在を考える未来予報型思考についてインプットいただき、徐々に参加者の思考が広がっていきます。午後からのチーム活動ではテックアドバイザーやデザインアドバイザーの支援を受けながら、各々のテーマについて各チーム白熱した議論が展開されました。

例えば、以下のような場面では生成AIをフル活用し、アイデアの発散・収束フェーズにおいて普段考えつかない視点を獲得したり、効率的な情報収集に役立てたりする姿が見受けられました。

  • チームメンバーの共通関心領域を探り、問いを設定する
  • テーマに関する変化の予兆をPESTの観点で収集する
  • 10年後のNIPPONの未来シナリオを作成する
様々な色のTシャツを身につけた参加者がテーブルに分かれディスカッションをしている写真 チーム間で交流しながらディスカッションを深めていく

2日目には、チームでの議論が加速するなか、新規事業の専門家からフィードバックをもらうメンタリングの時間も設けられました。メンターからは「幕ノ内弁当のように、解決したい課題とアイデアを詰め込み過ぎている」との指摘をもらうチームもありましたが、各チーム、ピッチまでの限られた時間の中でブラッシュアップ。夕方のピッチとデモでは、生成AIを駆使して作成した発表資料やプロトタイプが披露されました。

赤色のTシャツを着たチームがプレゼンテーションを行っている写真 10年後を描いたピッチ

2034年のNIPPONでは廃棄物は全てリサイクルされる世界になっているはずだという仮説を立て「ゼロ廃棄物オールリサイクル」を当たり前にするサービスを考えたチームは、GPTs(自然言語を入力するだけでオリジナルのチャットボットを作れるサービス)を使ってプロトタイプを作成。
廃棄物の写真を投稿するとどのように分別して生まれ変わらせることができるかをイメージ写真とともに出力してくれるWebアプリを作成し、「AIを活用すれば短時間でもここまでできる!」を表現していました。

青いTシャツを着た参加者がチームで作り上げたデモを説明している写真 Webアプリを審査員や他の参加者にデモ

約180名のアイデアが協奏。FUJI HACKのこれから

熱く、刺激的な2日間を終えた参加者からは、FUJI HACKの楽しみ方として掲げていた「他社との交流」、「イノベーション体験」を満喫した声が多く挙げられました。また、2日間では足りず「もっとチーム以外の皆さんとも対話したい!」との声もあり、今後FUJI HACK参加者の交流イベント開催も予定されています。

≪参加者の声≫

  • 異業種の方々と協業することができ、非常に刺激的だった。多種多様な企業の方と未来を創造できる楽しさを周囲にも感じてもらいたい。
  • 生成AIの活用方法と新規事業の考え方の両方が学べた
  • 普段得られない視点を得て、業務へのモチベーションが上がった
Tシャツを着た参加者たちが仲睦まじく写っている写真1
Tシャツを着た参加者たちが仲睦まじく写っている写真2 FUJI HACK参加者の様子

今回、参加者の皆さんは生成AIを使ってのアイデアづくりやモノづくりを体験し、さまざまな業界・企業との仲間づくりの場として2日間を過ごしました。テーマであった「10年後のNIPPON」への熱い想いが参加者の心に宿り、それを実現するためのアイデアの芽が生まれたことでしょう。

FUJI HACKが事業創出や共創に取り組む多くの参加者にとっての原点となるよう、今後もプログラムを磨き、日本を代表するハッカソンへと成長させていきます。次回の開催も楽しみに!

FUJI HACK参加者全員の集合写真 FUJI HACK2024参加者集合写真
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