「未来の都市を想像せよ!各社の力を掛け算して2030年の私たちの街をデザイン!」をテーマに2023年冬に開催された企業横断ハッカソン「FUJI HACK2023」。様々な業界・業種の10社から36名の精鋭たちが参加しました。
企業の枠を超えたハッカソンで参加者たちは何を得られたのでしょうか。マラソンのように駆け抜けた3日間の模様をレポートします。
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会場提供:
企業横断ハッカソンFUJI HACKとは
2023年冬。3日間にわたった企業横断ハッカソン「FUJI HACK」が開催されました。「ハッカソン(hackathon)」とは、「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を掛け合わせた造語で、プログラマーや設計者、デザイナーなどがチームをつくり、数時間から数日間マラソンのように集中的にビジネスアイデアの創出やプログラム開発を行って成果を競い合うイベントのことです。
富士通は2014年にいち早くハッカソン手法を取り入れ、「富士通社内横断ハッカソン 『FUJI HACK』」と称して毎年イベントを行っています。開催当初は社員の力試しや事業創造スキル獲得を目的としていましたが、2022年からは”誰もが相互に学びあい成長できる場になること”を目指し、富士通社員だけでなく様々な業界・業種の企業からご参加いただく共創の場へと発展しました。
それぞれの知見を持ち寄り、2030年の未来を描く
FUJI HACK2023のテーマは「未来の都市を想像せよ!各社の力を掛け算して2030年の私たちの街をデザイン!」です。未来の都市をデザインするためには、建築、エネルギー、交通、環境、IT、エンターテインメントなど多角的な視点の想像力が必要になります。ハッカソンに参加する様々な業界・業種の各企業社員の知見とスキルを掛け合わせ、持続的で魅力的な街の姿を共に描いていくことを目指してテーマが設定されました。
3日間のプログラムは、まさしく事業創出のプロセスそのもの。
初日のオープニングでは全員が初対面で緊張の面持ちからのスタートでした。ところが視野を広げるインプットトークからヒントを得て未来を洞察し、そこから課題を発見して各社の得意なものを集めてできることを考える…とプログラムが進むにつれ、参加者の表情もどんどんと熱を帯びていました。
複数社混合で組成されたチームで挑んだ最終日のピッチ(発表)では、各チームともアプリなどのプロトタイプを作成し、3日間で検討したとは思えないほど完成度の高い、そして想いのこもった発表がなされました。すべてのチームのアイデアが価値のあるものでしたが、その中でも審査員から高い評価を受けたのは、「自身のライフスタイルに合致する製品やサービスを効率よく選択したい」というニーズを叶えるコンドミニアム・ワークスペースを提案したチームでした。
審査員の一人である花王株式会社 特命フェロー 小泉 篤 氏からは、「社会の潮流が急速に変化する中で都市のあり方を考える際は、物だけでなく、サービスや情報、そして地域住民のネットワークが重要。それらの要素を充分に理解し提案されたアイデアだった」といったフィードバックを頂戴しました。審査員には小泉氏の他、エッグフォワード株式会社 執行役員 三村 泰弘 氏が参加され、また富士通からも、執行役員 EVP CIO(兼)CDXO福田 譲が参加しました。
企業横断ハッカソンで得られたもの
3日間を駆け抜けたハッカソンで参加者の皆さんが得られたものとは何だったのでしょうか。参加者アンケートではNPS®スコア(※1)が+41と非常に高いイベントへの推奨評価と共に、以下の声が挙げられました。
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※1NPS®スコア:ネットプロモータースコア。サービスユーザーの「信頼」や「愛着」を測る指標のこと。
スピード感ある事業開発の経験ができた
- ハッカソン自体初めての経験だったが、ビジネス視点を多分に盛り込んだアイデア出し・プロトタイプづくり等、普段とは違う脳をフル回転させたので良い刺激になった
- わずか3日でのプロダクト組み上げは本当に挑戦的で、新規事業推進担当者なら、しないという選択肢はない
- このスピード感でアイデアを出しあい、プロトタイプを作り上げていく。そのスピード感とディスカションが大変勉強になった
他社/他者との交流・コラボレーションの重要性を感じた
- 職種が違う者が集まっている点がよい!システムエンジニアの方と意見を交わすことで新しい視点も学べた
- 他業種の、それも違った職種の方達とチーム作業をこなすことで様々な価値観に触れ、今後の仕事への良いステップアップにつながると強く感じた
- 他社との協業により、短い時間でアプリ開発まで体験できる素晴らしい機会だった
自信の獲得や腕試しの機会を得た
- 会社という枷を外して、裸の自分で挑むのは勇気が必要だったが、会社では得られないからものを得ることができた
- 自分の腕試しになった。新規ビジネス立ち上げの経験になり、大変よい刺激になった
- 新規事業を作る一員となる良い経験になった。自分の知識や技術、知見が新規事業創造においてどんな役割を持つのか知ることができた
ハッカソンというイベントそのものからダイレクトに新たな事業につながる成果を生み出すことは難しいかもしれません。しかし、様々な業界・業種の各企業が力をあわせることで未来を探ることがきる。また、各自が持つ知見や技術、そして多様なバックグラウンドのメンバーの情熱を紡ぎ合わせれば、社会の豊かさを一歩先に進めるアイデアやサービスを創出することができる。そんな手ごたえを参加者の皆さんは感じられたのではないでしょうか。
今後も私たちは企業横断ハッカソンFUJI HACKを開催予定です。ハッカソンという場を通して会社の枠を超えた共創を行い、ともに未来を描いて行きましょう。次回の開催をお楽しみに!