【社会課題への挑戦】 地域の食を見つめることでフードロスの削減を目指す

富士通グループは、日本全国の企業や自治体、医療、教育機関とともに日本が抱える様々な社会課題の解決に向けて取り組んでいます。今回取り上げるのはフードロスの問題。日本では、本来は食べられるのに廃棄されてしまう食品の総量が年間522万トン(※1)に上ります。食糧難に苦しむ国が数多くある中で、日本のフードロスの現状は大きく問題視されており、早急な対応策が求められています。
ここでは広島県を中心に、主に食品を取り扱うスーパーマーケットチェーンを展開するお客様に対して、フードロスへの取り組みを始めとした様々な提案を行う営業の活動をご紹介します。

  • ※1 出典元:
    環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について」(2022年6月9日)
目次
  1. お客様と富士通グループのこれまでの取り組み
  2. フードロスの問題にどう取り組んでいくか
  3. 人々の幸せが持続する未来に向けて

お客様と富士通グループのこれまでの取り組み

今回取り上げるお客様は、「健康」を大きなテーマに掲げて、食から広がる地域の幸せな暮らしの実現を目指し、広島県を中心にスーパーマーケットを展開されています。
富士通Japanでは、これまでお客様がより地域に愛されるスーパーマーケットになってもらえるように、商品の仕入れから販売までの流通の基幹システム構築を担当してきました。そして今、その活動は持続可能な社会の実現に向けて次のステージに進もうとしています。これらの取り組みについて富士通Japanの広島支社で担当を務める佐治 秀人に話を聞きました。

富士通Japan株式会社 西日本エリア本部 広島支社 佐治 秀人 富士通Japan株式会社 西日本エリア本部 広島支社 佐治 秀人

フードロスの問題にどう取り組んでいくか

――佐治さんがご担当されているお客様はどのような社会課題に取り組まれているのでしょうか。

佐治: 私の担当するお客様は、日々、大量の食品を仕入れて販売しており、SDGsの「目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する」の中では、特にフードロスを重要な課題だと認識されています。しかしフードロスを無くすために仕入れを減らし、それが原因で欠品を起こしていては本末転倒なため、スーパーマーケットを利用するお客様の利便性を保ちながら、いかにフードロスを削減していくかなど、様々な取り組みをされています。例えば、こども食堂への食材の提供や「てまえどり運動」という商品棚の手前に並べた販売期限が近い商品を積極的に選んでいただく取り組みの実施、また売り場とホームページを連動させた健康情報の発信などを積極的に実施されています。

――フードロスの問題に対して、富士通Japanはお客様と共にどのようなことに取り組めるでしょうか。

佐治: 富士通Japanが今までに構築してきた販売管理や決済、レジにおける基幹システムのデータを活用することでフードロス問題を解決できると考えています。毎日集められるデータを分析し、将来の需要を予測することで、無理と無駄のないスーパーマーケットの運営が可能になります。また顧客数がより精緻に予測できれば、より精度の高い需要と供給の把握や商品の発注に繋がり、販売の機会ロスも商品の廃棄も大幅に改善することができます。

――お客様がフードロスを削減できれば、地域にはどのような影響を及ぼすことになるでしょうか。

佐治: スーパーマーケットにおける商品の発注数がより正確になれば、物流に要する車両の数、メーカーで製造する商品の数も精緻化され、製造・物流・販売の三者による地域社会全体における流通の最適化が実現できます。それらが実現されることでフードロスの削減に加えて、CO2削減など環境問題の改善にまで貢献できると思います。

  • 消費者庁の「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」(※2)では、2000年度比で2030年度までに食品ロス量を半減させるという目標を設定しています。
    2000年度の食品ロス量は、家庭系が433万トン、事業系が547万トンで合計980万トンでした。2030年には、合計489万トンを目指すことになります。2020年度は、合計522万トンまで削減されましたが、この目標の達成にはより一層の取り組みの強化が必要となっています。
    フードロスなどの地球規模の社会課題を解決するためには、一個人・一企業による取り組みに加え、地域の企業が連携した取り組みが重要となります。富士通Japanでは、全国のお客様とともに社会課題解決に向けた挑戦を進めています。
  • ※2 出典元:
    消費者庁「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」(2020年3月31日)
実際に店舗で利用しているタブレット

人々の幸せが持続する未来に向けて

――お客様と実現したいことは何でしょうか。

佐治: お客様の目指す「地域の人々の生活に欠かせないスーパーマーケット」を、テクノロジーを活用しながら、DXパートナーとして強力にサポートしたいです。食べたいものがいつも当たり前にそこにあり、美味しくて健康的な食生活を日々送ることができる。これが広島の人々がもっと暮らしやすい街づくり、広島にもっと愛着を持てる街づくりへの貢献に繋がればいいなと思います。地域の皆さんに、広島の街に暮らしていてよかったと思ってほしいと心から願っています。

――そのために大切なことは何でしょうか。

佐治: 私は、お店ではいつも富士通Japanの社員であるとともに、ひとりの消費者でありたいと思っています。消費者の目線に立つことで、地域の方々が今困っていることや今リアルに必要としているものなど色々なことが見えてきます。そうして初めてお客様の未来をともに形作ることができ、地域社会の未来のお役に立てると考えます。

――佐治さん自身はどのような未来を描いていますか。

佐治: 顧客接点において取得した顧客情報をひとつのプラットフォームに集約して分析することで、より地域に愛される食が提供できるのではないか。スーパーマーケットが地方自治体や病院と協働することで、地域社会の健康を支える基盤をより強くできるのではないか。さらに生活のインフラとしての使命を持つスーパーマーケットは、山間部や離島に住む人、高齢者や障がいを持つ人にこそ、もっと使いやすいカタチに進化するべきではないか。こんな風に広島の人々が安心して暮らせる社会の未来を思い描きながら、お客様に提案することを心がけています。

フードロスの問題だけではなく、健康、高齢化、そして地域の格差…。
佐治は、お客様とともに叶える持続可能な地域と地球の未来を見つめ、走り続けています。

富士通CM未来を変える篇 今回記事に登場した佐治も出演しています。
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