富士通CTOが語る、信頼性の高いデジタル社会づくりとは

2022年7月15日、デジタルトラストをテーマとした「世界デジタルカンファレンス2022」(主催:日本経済新聞社)が開催されました。富士通からは執行役員 SEVP CTO Vivek Mahajan(ヴィヴェック マハジャン)が登壇。当社が独自に開発を進めるソーシャルデジタルツインを中心に、信頼性の高いデジタル社会づくりを支える5つのテクノロジーについて紹介しました。

目次
  1. 高まる不確かな情報への不安、求められるのは信頼できる情報
  2. 5つのテクノロジーで目指す、信頼性の高いデジタル社会
  3. デジタル上でリハーサル!?「ソーシャルデジタルツイン」とは
  4. 社会のトラストを支える富士通のテクノロジー
  5. 業種や国をこえて、テクノロジーでサステナブルな未来社会を創る

高まる不確かな情報への不安、求められるのは信頼できる情報

現在、「情報(データ)に対する信頼性(トラスト)」への関心が高まっています。世界28カ国を対象に実施した信頼度調査「2022 エデルマン・トラストバロメーター」によると、76%の人々が虚偽の情報やフェイクニュースが武器として利用される可能性を心配していることがわかりました。

また、SNSの個人データが選挙活動に不正利用された「ケンブリッジ・アナリティカ事件」のように、不適切な情報活用による社会操作もすでに現実の問題として起きています。さらに、昨今注目を集めるメタバース空間をも含め、デジタル地図の改ざんによる自動運転へ影響、アバターの身体情報や健康データの改ざんによるリハビリや治療への影響など、不確かな情報が引き起こす脅威は計り知れません。情報の信頼性を担保することは、信頼できる社会を構築する鍵といえるのです。

情報に対する信頼性(トラスト)への関心の高まり

5つのテクノロジーで目指す、信頼性の高いデジタル社会

こうした不確かな情報が引き起こす脅威にどう対処したらよいのでしょうか。富士通では「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスを掲げ、不確かな情報やデータが引き起こす脅威をイノベーションによって解決することを目指しています。

富士通のパーパス

その実現のために重要と考え注力しているのが、以下に示す5つのデジタルテクノロジーです。

  • Converging Technologies:
    社会に近いところから、デジタル技術と人文社会科学の知見を活かして、データをアクションにつなげる
  • Data & Security:
    データとシステム、そして組織そのものを守る
  • AI:
    データを解析し、人の持つ能力の拡大や意思決定、そして、新たな発見を支援する
  • Network:
    データを超高速かつ安全に届けることで、社会や企業を支える
  • Computing:
    膨大なデータを確実に処理し、すべての活動を支える
5つのキーとなるデジタルテクノロジー

デジタル上でリハーサル!?「ソーシャルデジタルツイン」とは

これら5つのテクノロジーの中でも、現実の「ビジネスと社会」という人文社会科学の領域とデジタル技術とを融合するConverging Technologiesは、データ分析において重要な役割を果たします。富士通では、Converging Technologiesにおいて、ビジネスや社会、人の行動などを丸ごと分析し、仮想空間でシミュレーションや予測を行うソーシャルデジタルツインの開発に取り組んでいます。

これは、現実世界にある情報をデジタル化し、コンピューター上(仮想空間)でリアルに再現するデジタルツイン技術を活用し、さまざまな社会実験やシミュレーションを仮想空間で「リハーサル(デジタルリハーサル)」できる技術です。

富士通が開発に取り組む「ソーシャルデジタルツイン」

それでは、コンピューター上にリアルに再現することで、具体的にどのような社会のトラストを高められるのでしょうか。ユースケースを紹介します。

ユースケース1:CO2削減の交通施策の立案

CO2削減に向けて、慢性的な交通渋滞の解消が求められています。時間帯ごとの交通量や人流データをもとに、高速道路の料金や公共交通機関や自転車の利用者に対するインセンティブ制度の設計などは有効な手段のひとつです。しかし、このような施策を検討する場合、行政や警察、利用者などのステークホルダー間での合意形成は簡単ではありません。そこで、ソーシャルデジタルツインを活用し、CO2の削減効果をデジタルデータによって可視化することで、交通施策に参画する人々の意識を高められると期待できます。

CO2削減への交通施策立案

ユースケース2:バリアフリー化のデジタルリハーサル

社会全体のバリアフリー化への取り組みにもソーシャルデジタルツインを活用しています。現実の街を仮想空間に再現し、「生活導線の道をバリアフリー化」、「駅一帯をバリアフリー化」というように、バリアフリー化の複数パターンをリハーサルし、その効果を分析。利用者、行政、地域住民などの合意形成に必要な要素や仕組みを明確にし、ステークホルダーの満足度の高い施策の実施に取り組んでいます。

ソーシャルデジタルツインを活用したバリアフリー化

社会のトラストを支える富士通のテクノロジー

信頼性のある社会を構築するためには、ソーシャルデジタルツインだけでなく、それを支える「Computing」、「Network」、「AI」、「Data & Security」というテクノロジーも重要です。それぞれのテクノロジーを紹介します。

Computing
情報の信頼性を担保するためには、膨大な情報を確実に処理できるコンピューティングパワーが不可欠です。HPC(High Performance Computing)や量子コンピューティングなどを応用することで、ソーシャルデジタルツインのようなリアルタイムかつ膨大な情報処理に有効に活用できます。富士通はこれらのコンピューティング技術をAzureなどのパブリッククラウド上でシームレスに活用できるプラットフォーム(CaaS)として、2022年10月から提供していきます。

トラストを支える富士通のComputing

Network
膨大な情報のやり取りできる超高速かつセキュアでインテリジェントなネットワークは、社会のトラストを支えるうえで重要なインフラです。富士通では5Gをはじめとした次世代ネットワークの開発はもちろん、Beyond 5G、6Gの開発も目指しています。

トラストを支える富士通のNetwork

AI
膨大な情報から新たな気づきや知見を得るにはAIによる解析が重要です。富士通では、世界一の精度で人の振る舞いを認識できるHuman Sensing技術、人と協業でき判断理由や解決策を説明できる世界唯一の説明可能なAI、膨大なデータから重要な因果関係を見出し新発見へと導く世界唯一の因果発見AIを開発、提供しています。

トラストを支える富士通のAI

Data & Security
データとシステム、そして組織そのものを守るために、富士通ではブロックチェーンと透過的なトラスト技術の開発に取り組んでいます。

トラストを支える富士通のData & Security

業種や国をこえて、テクノロジーでサステナブルな未来社会を創る

富士通はソーシャルデジタルツインを活用して、さまざまなステークホルダーと社会のトラストを構築する取組みを実践しています。その一環として、神奈川県川崎市との協業で、ソーシャルデジタルツインによる社会課題の解決に取り組んでいます。

「環境」や「健康」、「仕事・くらし」、「安心・安全」、「ダイバーシティ」といった項目ごとに社会貢献スコアを割り出し、人々の環境行動や企業の脱炭素行動を変容し加速することを目的としています。これは川崎市に限定したものではなく、今後ほかの自治体にもプラットフォームとして提供していく予定です。

川崎市様と富士通の協業

富士通は、今後も信頼性のある質の高いデータによって高度な施策を生み、人々や社会のトラストを守るために、テクノロジーを追求し続けていきます。そして、透明性が担保されたトラストを実現するテクノロジーを開発し、さまざまなステークホルダーへ届けることで、業種や国を超えてテクノロジーでサステナブルな未来社会を創造します。

富士通はテクノロジーでサステナブルな未来社会を創造する

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