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ソフトリネンタグ開発エピソード 第1部

市場の要求に応えたい。試行錯誤で実現した「ひょうたん形状」の補強材。UHF帯ソフトリネンタグの開発担当者に聞く開発エピソード。

リネン市場がHF帯のコインタグで形成されていた2005年。RFIDの導入による更なる業務の効率化に向け、耐環境性が必要なUHF帯ソフトリネンタグの開発をスタートした。
今回、開発担当者にソフトリネンタグの開発エピソードを聞いた。

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第1部 ソフトリネンタグ開発に迫る

開発のきっかけは、他社との差別化

2005年当時、リネン市場はHF帯のコインタグで形成されており、この個品管理、紛失防止の要件と市場における投資効果は明確であった。
そこで、通信距離を伸ばして一括読み取りができるUHF帯のソフトリネンタグを開発すれば、業務の効率化によりHF帯タグ市場を駆逐できると考えた。

ソフトリネンタグの開発をスタート

リネン市場は大きく、耐環境性において他社との差別化が図れるため、開発をスタートさせた。

目の前に立ちはだかる大きな壁

洗濯の方法には大きく分けて2種類(遠心脱水、圧力脱水)ある。ボタン、チャック等が付属するユニフォームは遠心脱水。付属品が付かないタオル等は圧力脱水となる。
圧力脱水の圧力は28~46kgf/cm 2と強力であり、ボタン、チャック等を破壊するほどであった。

圧力脱水のイメージ

このため、当面、遠心脱水の市場(ユニフォームレンタル)を攻める事とした。
しかし、遠心脱水でも曲げ、ねじりの強さが相当に強かったため、当初、チップの破壊やアンテナパターンの断線が問題となり、大きな壁となって目の前に立ちふさがった。

遠心脱水のイメージ

お客様のご要望は洗濯寿命200回。しかし、クリーニング店で洗濯できるのは繁忙期の4~6月を除くと1日に1~2回程度であり、5~8ヶ月間で200回をカバーできることになる。設計改善をしても5~8ヶ月かからないと改善結果を確認できない状況であった。

約2年間。毎日の仕事はミシン縫いとアイロン圧着

第一世代の製品出荷までには約2年間の開発を要した。数十種類のタグを試作し、試作したタグの10倍以上のアンテナパターンを評価した。
ソフトリネンタグの試作品を色々なユニフォームに付けるにはミシン縫い、またはアイロン圧着が必要であり、これがもっぱら開発者の毎日の仕事となった。
そして、2年近く複数のクリーニング店にお願いしぶっ通しで洗濯を行い、工場では24時間休みなく複数台の洗濯機を回し続け、その状況を毎日検査し、毎日の開発にフィードバックする日々が続いた。

第一世代のソフトリネンタグ

試行錯誤の末、生み出された「ひょうたん形状」

何度も試行錯誤を繰り返して、ようやく今のソフトリネンタグの基礎構造(ひょうたん形状の補強材)にたどり着いた。ひょうたん形状の補強材でチップとアンテナパターンをサンドイッチにすることで、これらを保護する構造である。

曲げ、ねじりにも強い「ひょうたん形状」の補強材

試験ツールを開発、改善結果の確認をわずか1日で

ソフトリネンタグ開発と並行して試験ツールの開発にも努めた。
洗濯の中で繰り返される曲げ、ねじりを擬似的に実験室で試験できるツールを開発した。
このツールの開発によって、洗濯寿命の200回に相当する曲げ、ねじり数千回を1日で実現できるようになった。

試験ツールでの曲げのテスト

開発開始から2年、やっと製品の基礎を完成

開発開始から2年近く経って、ようやく現在の製品の基礎となるひょうたん形の補強材構造を完成させた。
しかし、第一世代の200円近い価格は市場要件より高く、適用できる商談は限られた。

その後、小型化して大幅に低コスト化を図った第二世代の小型ソフトリネンタグは難産の末、2008年から出荷を開始し、海外市場を中心に売上を伸ばしている。

ひょうたん形状の補強材

現状では、当初の1/2~1/3まで価格を下げることができている。しかし、米国大手顧客の価格要件は更に低く、 まだまだ厳しい問題が続く。
そんな中、いかに市場の要求に応え、製品化を実現できたのか。

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