地域の産業革新に向けたAI活用とは?

経済産業省が2020年に実施した調査によると、日本の中小企業におけるAI導入インパクトは、2025年時点で最大で、11兆円の経済効果と、中小企業における労働人口減少分の40%を占める160万人分をカバーできるとの推計がされています。 これに対して、中小企業のAI導入率は3%未満に留まっていますが、それだけ伸びしろがあるということでもあります。

では、どうすればよいのか。経営者の理解不足、PoCに費用が掛かる、プログラミングができる人材がいないことが障壁となっています。

経営者の理解向上に向けては、課題設定から取り組んでいただく研修を提供しています。地域の産業支援機関が実施する研修はツールの活用方法に関するものが多いのですが、どんな課題にAIを活用するのか、AIが判定した結果をもとにどのようなアクションにつなげるかという観点が不足しているためです。

PoCに費用がかかる、プログラミングができる人材がいないという障壁の解消に向けては、地域企業は、無料で、プログラミングの知識がなくても簡単な操作で画像認識AIを試してみることができることができるプラットフォームの整備をご支援しています。こちらは、不良品判定や設備の点検等でお試していただいています。

さらに、AI活用が地域に普及していくためには、個社に閉じずに、知見や人材の循環が必要と考えます。そのためには、例えば、地域企業同士がお互いの知的財産を守りながら、AIモデルを共有したり、AI活用の工夫を教えあえる仕組み等により、運営側の期待を超える活用方法が産み出され、進化していくプラットフォームが重要です。そのようなプラットフォームを通じた地域企業と自治体の協創により、地域全体のDX、さらには地域の産業革新への貢献が期待されます。

参考資料

長谷川 誠(はせがわ まこと)

Makoto HASEGAWA

行政情報化グループ シニアコンサルタント(兼)

公共政策研究センター 上級研究員

専門分野

  • 技術経営
  • 科学技術イノベーション
  • バイオ

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