プレスリリース
2018年1月30日
高精度な位置情報と時刻情報を活用した
「Time&Position」ソリューションを提供開始
第一弾として、Relay2社のWi-Fiアクセスポイント提供と空港区域内の自動運転に向けたデータ通信ネットワーク実証実験を開始
富士通ネットワークソリューションズ株式会社はこのたび、「みちびき4号機」(準天頂衛星)の打ち上げにより取得可能になる高精度な位置情報と時刻を活用した「Time&Position(タイム アンド ポジション)」ソリューションを提供開始します。
ネットワーク上を流れる個々のデータに高精度な位置情報と正確な時刻を紐づける「Time&Position」ソリューションを活用することで、対象物を単体で位置測位するだけでなく、関連し合う対象物の空間的、時間的位置を俯瞰して把握することが可能になります。
当社は、「Time&Position」ソリューションの第一弾として、エッジコンピューティングを実現するCPU/ストレージを搭載したRelay2 Inc.( 注1 、以下 Relay2)製のWi-Fiアクセスポイント「RA200」シリーズを本日より販売します。また、本ソリューションの活用事例の一つとして、空港向け通信事業者であるアビコム・ジャパン株式会社( 注2 、以下、アビコム・ジャパン)様と空港内データ通信ネットワークと車両位置情報を収集、管理するアプリケーションを活用した実証実験を2018年2月より実施します。将来的には取得した位置情報を活用した自動運転の実現を目指します。今後、「Time&Position」ソリューションを本格的に展開するため、GNSS( 注3 )受信機、電子基準点、補正信号配信サービス、各種アプリケーションを順次提供していきます。
当社は、ネットワークソリューションのフロントランナーとして人々の暮らしをより便利で豊かにするため、お客様の新しいビジネスの創造に貢献します。
背景
近年、自動車のカーナビゲーションや人物動線の管理などにおいて、高精度な位置情報が利用される機会が増加しています。2017年10月に準天頂衛星「みちびき4号機」が打ち上げられ、2018年度から4機体制で既存のGPS衛星を補完することで、従来、数メートルから数十メートルの誤差のあった測位精度が飛躍的に向上し、センチメートル級の測位が実現します。こういった正確な位置情報と時刻を活用した地上システムにおける市場(宇宙情報産業)は、急速に成長していくと見込まれています。
上記を踏まえ、当社は、今まで培ってきたネットワークの豊富な経験と高い技術力により、「みちびき」による高精度な位置情報と時刻情報を活用した「Time&Position」ソリューションを提供します。
「Time&Position」ソリューションについて
「Time&Position」ソリューションは、「みちびき」によって提供される高精度な位置情報と時刻情報をネットワークに紐づけることで、対象物の位置情報だけでなく、ネットワークに接続された関連し合う対象物の位置情報を同時に把握可能にします。また、「Time&Position」ソリューションを活用することで、従来は正確な位置情報の取得が困難であった屋内でも高精度位置測位を可能にし、屋内外を問わず人や物の位置情報や導線の把握を実現します。
1.Relay2社製 Wi-Fiアクセスポイント「RA200」シリーズについて
Relay2社の「RA200」シリーズは、Wi-FiアクセスポイントにCPUとストレージが搭載されているため、コアネットワークを介さずにWi-Fiアクセスポイント内で通信処理を行うことができます。これにより、コアネットワークの負荷を低減し、エッジコンピューティングの特長であるネットワークの低遅延を実現します。
当社は、多様なお客様のニーズを実現するため、「RA200」シリーズとアプリケーションを組み合わせた様々なソリューションに加え、今後、高精度な位置情報と時刻同期を組み込んだネットワークを実現するため、以下の「Time&Position」関連の製品・サービスを提供していきます。
- GNSS受信機:微弱なGPS(GNSS)からの信号を受信可能な高感度受信機
- 電子基準点:GPS信号を利用して位置を正確に連続して測定するための基準点
- 補正信号配信サービス:測位衛星の誤差補正情報や不具合情報を配信するサービス
- IMES-TAS:GPS信号と同じ電波を屋内でも受信できるIMESに時刻・配信タイミングを付加した技術
- 「Time&Position」で利用するアプリケーション:上記環境下で動作する各種アプリケーション
2.アビコム・ジャパン様との自動運転に向けたデータ通信ネットワーク実証実験について
アビコム・ジャパン様が提供する空港内のデータ通信サービスと「Time&Position」ソリューションを組み合わせ、空港区域内のデータ通信ネットワークと車両位置情報を収集、管理するアプリケーションを活用した実証実験を2018年2月より実施します。
車両の正確な位置を把握し、管理することを第一ステップとして、今後、空港区域内の車両や飛行機、作業者の正確な位置情報を連動させて把握することで、飛行機の運航スケジュールの効率化および空港車両の自動運転の実現を目指し、様々な実験を行っていきます。
販売目標
2020年までの3年間で「Time&Position」ソリューション関連の製品・サービスの販売において120億円の売上を目指します。
販売価格
エッジコンピューティングソリューション Relay2 Wi-Fiアクセスポイント
項 | 商品名 | ベンダー型名 | 当社型名 | 標準価格
(税別) | 製品概要 |
---|---|---|---|---|---|
1 | RA250 | RA200-250 | FSN-N06H201 | 119,000円 | 屋内向け無線LANアクセスポイント
・802.11a/b/g/n/ac対応 ・2x2MIMO(2空間ストリーム) |
2 | RA270 | RA200-270 | FSN-N06H202 | 168,000円 | 屋内向け無線LANアクセスポイント
・802.11a/b/g/n/ac対応 ・3x3MIMO(3空間ストリーム) |
別途、クラウドWi-Fiサービスライセンスが必要となります。
当社の取り組み
当社は、15年以上前から携帯端末の位置情報を取得し地図上に表示させるアプリケーション「P-Getter」( 注4 )を発売し、GPSおよびビーコンの情報を組み合わせて屋内でもシームレスな位置情報を提供してきました。
また、「みちびき」の打ち上げによる高精度な位置情報や時刻を活用したネットワークビジネスの発展を見据え、2017年4月に、移動体通信や衛星測位、屋内位置情報に関する技術のリーディングカンパニーであるイネーブラー株式会社( 注5 )に出資し、イネーブラー株式会社ならびにその傘下である測位衛星技術株式会社( 注6 )の両社と業務提携を結びました。
さらに、高精度な位置情報や時刻などの膨大な情報をリアルタイムに処理するため、ネットワークの負荷を低減するためにクラウドだけでなくエッジコンピューティングの活用拡大が予測され、エッジコンピューティングの独自技術を有するRelay2社と総代理店契約を締結しました。
これらの根幹となるネットワークインフラにおいても、有線・無線、国内・海外を問わず企画から設計、構築、運用、最適化までワンストップに対応できる豊富な経験とノウハウを保有しております。
注釈
(注1) | Relay2 Inc.:本社 米国カリフォルニア州、創業者兼CTO Eric Chen
日本法人(Relay2 Japan株式会社)本社 東京都港区、代表取締役社長 荒野 智 |
(注2) | アビコム・ジャパン株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 安藤 勉 |
(注3) | GNSS:Global Navigation Satellite Systemの略で、全球測位衛星システムを示す。GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星等の衛星測位システムの総称。 |
(注4) | P-Getter:携帯端末から位置情報を取得し、管理するための位置情報ミドルウェア(API) |
(注5) | イネーブラー株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 篠原 隆浩 |
(注6) | 測位衛星技術株式会社:本社 東京都新宿区、代表取締役社長 鳥本 秀幸 |
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