徳島県 阿波市 様

全国初!通信サービス事業者変更に伴う移行工事を円滑に推進

自治体全域でのIRU契約更改を、CATV指定管理者の経験と安定・迅速な工事品質でサポート

通信事業者変更サポート

徳島県北部、吉野川北岸に位置する阿波市様。市民の皆様に提供している情報通信サービス向上を目的に、2018年4月、IRU契約(注1)を結んでいた通信サービス事業者を変更しました。自治体全域でIRU契約を結ぶ通信事業者を変更するのは全国初の取り組みです。
FNETSは、IP音声告知システムの既設事業者として、またCATVの指定管理者としての事業経験を活かし、円滑な移行をサポートしました。

注1 IRU契約:Indefeasible Right of Use
自治体が保有する光ファイバー等の通信設備を電気通信事業者に貸し出す際、契約や協定によって確定される長期的かつ安定的な使用権のこと。

課題
  • IRU契約更改にかかる費用を削減したい
  • 通信事業者変更に伴い、全世帯での宅内設備改修およびIP音声告知端末の設定変更が必要になる
  • 1.5ヶ年でセンター設備・伝送路及び14,000世帯の宅内設備改修を行いたい
FNETSへの期待
  • CATVの指定管理者として長年の実績があり、阿波市の現状や業務全体について熟知している
  • 市内での伝送路、放送設備や宅内端末の豊富な工事実績を有している
効果
  • 期間内に空き家などを除く12,500戸で改修工事を支障なく完了、円滑な移行を実現
  • 既存のIP音声告知システムを活用することでコスト増を抑止

阿波市のことをより把握、理解しているFNETSには、全国初のIRU契約更新に大いに貢献してくれました。

背景

阿波市様では、従来の通信事業者による通信サービス(インターネットと光電話)が2018年3月末に満了するのに伴い、2016年に事業者変更を決定しました。その背景には、既存事業者の継続に際し多額の更新費用がかかる事情がありました。

FNETSは、2008年から阿波市様のCATV「阿波市ケーブルネットワーク(ACN)」の指定管理者として、伝送路・放送設備の保守・運用から番組制作まで幅広い業務を行い、事業の運営を担ってきました。また、同年のIP音声告知システム導入に伴い、市内の約14,000世帯に端末を設置しています。

通信事業者変更に当たり、FNETSは、既設のIP音声告知システムを停止させることなく次期通信サービスに移行することの重要性を阿波市様に説明。IRU契約更新に伴うFTTHの更新工事を受注しました。「10年近くにわたり、CATVの指定管理者を担当してきたFNETSは阿波市の状況や設備について熟知しており、その提案は理にかなったものでした」と副市長の町田様は話しています。

副市長
町田 寿人 様

阿波ケーブルネットワーク(ACN)

概要

事業者の変更に当たっては、センター設備およびFTTHの改修に加え、IP音声告知端末を設置している全戸で宅内設備の機器取り替え作業を行う必要があります。

2016年11月から2018年3月という短期間でセンターと伝送路の改修および14,000世帯全戸で工事を完了させるために、FNETSは阿波市様との合計25回に及ぶ定例会議で進捗とリスクを管理。工事設計や実施体制の確立と運用、市民の皆様への周知活動を展開しました。

工事設計ではサービス移行期間中は、新旧両方のサービスが利用できるように配慮。また、市内全域で約4,500台を数える宅内引き込み用のクロージャーの工事では、光ケーブルの空き芯を極力活用し、作業工程の削減に努めました。工事は、最大時で協力会社9社、4名体制の工事班10数班を組織。各班の工事品質を担保しつつ宅内工事を進めました。最も重要なポイントとなった市民の皆様への周知活動では、市報での案内や住民説明会の実施、工事案内の手紙の発送、CATVでの文字放送での案内など、阿波市様と協働で活動を進めました。

「振り返ってみると苦労話は数えきれないほどありますが、最初に感じたことは全国初の当事業のなかで、果たして市民の皆様のご理解、ご協力を得ることができるのか?また、ハード・ソフトのどちらにも属さない分野で、未知の領域における処理をどう行うのか?当初は私の想像どおりに物事はうまくいきませんでした。想定以上に反響が大きく、クレーム処理や住民対応に休みなく追われ、計画の見直しやエビデンスを元にした検証、分析作業の日々が続きました。しかし、市民の生活を守るこの事業に後退はないとの思いで、FNETSとの協議を絶え間なく行い、徐々にではありますが住民のご理解が得られるようになりました」と長瀬様は話します。

企画総務部
秘書人事課
主幹 長瀬 智 様

効果

全国初の挑戦は、2017年度中に空き家などを除くほぼ全世帯で大きなトラブルなく改修工事が完了。通信サービス事業者変更後、料金や通信速度の面で市民の皆様により快適にサービスをお使いいただくことが可能になりました。IP音声告知システムは、2018年7月豪雨の際に市内を流れる吉野川水系のダムの放流情報を伝えるなど非常時の防災情報や平時の行政情報の発信に引き続き役立てられています。

また、今回の工事の取り組みや、従来のCATVの指定管理業務をご評価いただき、2018年度から5年間、引き続き指定管理者として指定をいただくことができました。「通信サービスの切り替えにあたっては、当初は思うように事業が進捗せず苦労もありましたが、議会や地域住民の方々への説明を切らすことなく、また、FNETSの献身的な努力により、市民のご理解も得られ、無事、目標を達成することができました。また、CATVは、平時には市民・行政・議会をつなげ、有事には市民の生命や財産を守るツールとしてなくてはならない施設となっています。これからも市民に愛されるCATV指定管理者として取り組んでいただけることに期待しています」と、阿波市長の藤井様は話しています。

阿波市長
藤井 正助 様

今後の展開

阿波市様の光ケーブル網は全長690kmにも及びます。市内に張り巡らされた情報インフラをさらに住民サービス向上に役立てるための提案をFNETSは積極的に行っていきます。また、CATVの指定管理者として、今後、自主制作番組の充実や4Kなど新技術を踏まえた既存設備の改修提案など、5年後、10年後の阿波市様の将来を見据えた提案を行う考えです。CATVを管掌する松村様は「CATV、音声告知、インターネットサービスはいずれも絶対に止まってはいけないもの。今後も安定稼動に貢献してください」、また、松田様は「CATVの高水準の保守管理を行える熱意と能力のある会社だと思います。これからも二人三脚でCATV事業を盛り上げていきましょう」と話しています。

FNETSは今後も、CATVの指定管理者として、またIP音声告知システムの保守運用など各種ソリューションと安定した工事品質を通じて自治体様をサポートしていきます。

企画総務部
秘書人事課
課長 松村 栄治 様

企画総務部
秘書人事課
主任 松田 健一 様

徳島県 阿波市 様

人口37,943人(2018年6月30日現在)
市長藤井 正助
ホームページhttps://www.city.awa.lg.jp/

吉野川の清冽な流れが育んだ、自然と文化のまち

徳島県の中央北部に位置し、阿讃山脈を背に、南に吉野川を望む、水と緑に恵まれた自然豊かなまちです。深い歴史と文化を有し、長い年月をかけて風雨による砂岩層の浸食によりできた自然の芸術ともいえる「阿波の土柱」(国の天然記念物)は世界三大奇勝に数えられているほか、「四国霊場」の4つの札所など、名所旧跡が点在しています。また、うどんをたらいのような大きな木製の飯盆に入れつけ汁につけて食べる「たらいうどん」や、県内一の生産量を誇るこだわり野菜「阿波ベジ」が名物です。

阿波の土柱

阿波市キャラクター
「あわみちゃん」

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2018年10月23日掲載]

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