栃木県 那珂川町 様

地域になくてはならない情報インフラへ

地域に根ざした番組制作と、安定稼働を実現する保守・運用体制で、ケーブルテレビのサービス向上を支援

自治体ケーブルテレビ事業者様向け指定管理フルアウトソーシング

栃木県の東北東、茨城県との境に位置する那珂川町(なかがわまち)様。全世帯の77%が加入する自治体ケーブルテレビ「なかTV」は、地域の皆さんに親しまれている放送センターです。
FNETSは2012年、指定管理者として那珂川町様のケーブルテレビ事業を全面受託。伝送路・放送設備の保守・運用から番組制作まで幅広い業務を行い、事業の運営を担っています。

課題
  • 指定管理者制度を活用しケーブルテレビ事業を包括的に委託したい。
  • 全面的な委託によって職員を他の業務に振り向ける。
  • 民間企業の力を活用しケーブルテレビ事業の品質とサービスを向上させる。
選定理由
  • 伝送路工事および放送設備の構築と保守・運用を行っており、業務全体を熟知している。
  • インターネットや告知放送など高度化するサービスへの対応力がある。
効果
  • 質の高いニュース番組の制作・放映が実現。
  • 業務委託によりケーブルテレビ事業に係る職員数削減。
  • 伝送路、放送設備や宅内端末のトラブルにも迅速に対応できる体制が確立。

自治体ケーブルテレビ事業をFNETSに全面委託。放送番組の質やサービスの向上、安心の保守・運用体制を構築できました。

背景

那珂川町様が運営する自治体ケーブルテレビ「なかTV」は2014年4月1日現在、4,695世帯が加入しており、加入率は77%。地域に欠かせない情報インフラとして親しまれています。運営はもともと町の職員の方の手で行われていましたが、行財政改革の一環として出先機関の削減が求められるようになり、ケーブルテレビ事業の運営方法を見直す必要が出てきました。

町で検討されたのは指定管理者制度。公共の施設の運営に関して、民間事業者のノウハウを活用することで住民サービスの質の向上を図る制度です。2007年から2008年にかけて伝送路および放送設備を構築し、2009年より放送設備の保守・運用を、2010年より一括管理を請け負っていたFNETSも入札に参加。

その結果FNETSが指定管理業者に選定されました。

事業者の選定について田代様は「コスト低減もさることながら、運営をプロにお願いするからにはサービス品質の向上を図りたいと考えていました。FNETSはその点、伝送路及び放送設備を熟知している。何かトラブルが起これば、どこに問題があるかをすぐに見つけてくれるので信頼感があります。また、ケーブルテレビインフラを活用した独自事業の提案も高評価のポイントでした」とおっしゃっています。

栃木県那珂川町
企画財政課
課長補佐 田代 喜好 様

概要

現在はFNETSの社員が2人常駐し、番組制作・放映・課金、サーバメンテナンス、そして伝送路工事と放送設備の保守・運用など、集金業務以外のケーブルテレビ管理・運営業務の全てを担っています。加入者宅への宅内配線や、防災情報などの告知端末、デジタル放送受信装置(STB)(注)、ケーブルテレビのエリア内で通話が無料になるIP電話の設置も行いました。また制作会社と連携しながら番組も制作。スタジオでは主に那珂川町各地のイベントや行事をお伝えするニュース番組「NewsなかがわTOWN」の収録を行っています。

管理・運営事業の移行はスムーズに進みました。「FNETSへは指定管理者となる3年前から、ネットワーク設備や放送設備を業務委託していましたし、サーバの管理もFNETSにお願いしていました。指定管理者制度を導入することで全てががらっと変わったわけではなく、徐々に外部委託を増やしてきたイメージです。FNETSの社員の方も、指定管理が始まる2カ月半前から常駐して引き継ぎを行ってくれましたので、大きな問題もなく移行させることができました」と小川様はおっしゃっています。

注 STB : Set Top Box
ケーブルテレビ放送などのデジタル放送の信号を受信して、一般のテレビで視聴可能な信号に変換する装置。

収録の様子

効果

導入後は加入者の方から「テレビでよく見るニュースらしくなった」という声が寄せられています。以前は町の職員の方がキャスターを務めていましたが、現在はプロのアナウンサーの方がニュースを伝えています。「職員が方言で話す方が親近感が湧いて良いという声も当初はありましたが、やはりプロの方のニュースは聞き取りやすいですし安心して見ることができますね」と小川さん。

そしてケーブルテレビ事業を専属で担当される職員数は9名から2名となり、職員を他の業務に振り向けることが実現しました。「ケーブルテレビ事業は技術や知識が求められるため、職員の教育が大変でしたが、外部に委託することによってその負担がなくなったのは大きな利点です」と田代さん。

また伝送路の保守についても品質が向上しました。降雪や火事などによるケーブルの断線や、コウモリ蛾の幼虫によるケーブルの切断があった場合、専門技術者が常駐しているため、迅速に対応できるようになりました。また落雷も多い地域のため、STBなどの機器が故障してしまうことも多いのですが、家まで訪問して交換対応ができる体制が整っています。

栃木県那珂川町
企画財政課
ケーブルテレビ係
主事 小川 将照 様

今後の展開

加入者の皆さんにケーブルテレビを楽しんでいただくためには、番組内容を常に見直していかなければなりません。小川様は「現状は3チャンネルのうち1チャンネルのみ使用していますが、今後は残りの2チャンネルについても有効活用していきたいです。『NewsなかがわTOWN』も構成を変えるなど新しくしたいし、新たな企画番組も制作したいですね」と語ります。

魅力あるコンテンツの制作を通じて目指すのは全戸加入。「ケーブルテレビは防災情報などを告知するインフラでもある」と江口様はその役割を強調します。「宅内の告知端末であれば屋外拡声器よりも音声が聞き取りやすい。地域の皆さんの安全のためにも全戸加入は非常に重要です。また、少子高齢化が進む中で一人暮らしのご高齢の方が増えてきました。ケーブルテレビという設備を活用して、高齢者を見守ることができるようなシステムを模索したいですね。『加入してよかった』と言ってもらえるようなケーブルテレビを目指します」。

そんな中FNETSに期待することは?

「加入者視点を忘れないでほしいですね。加入者の方と直接お話する機会も多いので、なるべく専門用語は使わない、かしこまりすぎないことが大切だと思います。加入者にとって身近に感じられるケーブルテレビを一緒に目指してほしいと思います」(小川様)。

「ケーブルテレビ網を活用した先駆的な取り組みをぜひ那珂川町で実践してほしいですね。日本で初めての試みを試験的に実施してほしい。コウモリ蛾対策用のケーブルの開発などにもチャレンジしてほしいと思いますし、今ある設備を最大限活用できる方法も模索し続けてほしいと思っています。今は職員2名が担当していますが、ゆくゆくは全面委託にしたいです」(田代様)。

今後もFNETSは事業者様向け指定管理アウトソーシングを通じて、自治体様のサービス向上を支援していきます。

栃木県那珂川町
企画財政課
ケーブルテレビ係
課長補佐 江口 義男 様

栃木県 那珂川町 様

人口18,075人(平成26年8月1日現在)
町長福島 泰夫
ホームページhttp://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp/

那珂川の清漣な流れと緑豊かな里山が織り成す観光地

那珂川町は栃木県の東北東に位置し、総面積は192.84㎢で県全体の3%を占めています。町の中央を流れる那珂川は関東でも有数の清流。清漣な流れとこれを取り囲む里山が織り成す自然豊かな町です。2013年10月には小砂地区が「日本で最も美しい村」連合に栃木県内で初めて加盟しました。名物は冬季の温泉を利用して育てテレビでも話題になった「温泉トラフグ」や、八溝山系地域でとれた野生のイノシシのお肉「八溝ししまる」など。歌川広重の肉筆画「江都八景」「富士十二景」や、歌川派の浮世絵版画などを展示した馬頭広重美術館も人気の施設です。

那珂川町の
イメージキャラクター
「なかちゃん」

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2014年11月12日掲載]

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