2020年1月20日更新

医療機関のための同一労働同一賃金対策

株式会社日本経営 組織人事コンサルティング チームリーダー 植田 なつき 氏

対策の現状

2019年4月より順次施行される働き方改革関連法。時間外労働の上限規制や勤怠管理などの対応に手一杯で、同一労働同一対策まで手が回っていない医療機関も多いのではないだろうか。弊社が医療・介護福祉機関を対象に実施した調査では、「同一労働同一賃金の対応についてどのような意識をお持ちですか」という問いに「強くまたは多少問題意識がある」と回答した割合は99%にも上ったのに対し、正規・非正規職員間の職務内容・責任の違いについては81%が「違いがあるが明確にできていないまたは今後明確にしたい」と回答しており、各機関が先手を打って対応できているとは言い難い現状が見えてくる。

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同一労働同一賃金とは何か?

では、そもそも同一労働同一賃金対策とは「何をしなくてはいけないのか」。それは下記の3点に集約される。

  1. 均等待遇の実現
    「職務内容(業務内容・責任の程度)」と「職務内容・配置変更の範囲」が通常の労働者(一般的には正規職員)と比較して同一の短時間労働者・有期雇用労働者(以下、非正規労働者と言う)においては、基本給、賞与、諸手当、福利厚生等のすべてについて差をつけてはならない。差がある場合は、解消し、決定方法や支給基準などの全てを同じルールにしなければいけない。(同一労働であるのなら同一の待遇を)
  2. 均衡待遇の実現
    非正規労働者が通常の労働者と比較して同一労働ではなかったとしても、基本給、賞与その他の処遇について通常の労働者と差がある場合には、その差は「職務内容(業務内容・責任の程度)」「職務内容・配置変更の範囲」「その他の事情」で説明できるものではなくてはいけない。(違いは違いに応じた待遇を)
  3.  1 および 2 に関する説明義務
    雇い入れ時、賃金や福利厚生、教育訓練、正職員転換などの待遇内容の説明をしなくていけない。また、求めがあった場合には、通常の労働者との待遇差の内容や理由に関して説明をしなくてはいけない。

対策ができていないとどうなるのか?

上記の対応ができていないとどうなるのか?同一労働同一賃金は、罰則で企業を縛るのではなく、基本は労使の話し合いを促しているため、違反した場合も、最高20万円以下の過料となっている。

ここから先の内容については資料をダウンロードしていただき、お読みください。

- 続きの解説の項目 -

  • 対策ができていないとどうなるのか?
  • 実務対応上のポイント
  • よくある対応上の誤解
  • 同一労働同一賃金対応コンサルティングを通じて痛感すること

同一労働同一賃金 実務対応上のポイントとは?
「医療機関のための同一労働同一賃金対策」

著者プロフィール

(株)日本経営 組織人事コンサルティング
チームリーダー

植田 なつき 氏

医療・介護業界向けマネジメントスクールN collegeメイン講師
大阪大学ワークショップデザイナー育成プログラム 認定ワークショップデザイナー

入社以来医療・介護業界における人事評価・給与制度の構築に従事すると同時に、職員研修のプランニング・リーダーシップ開発の支援に携わっている。近年では、公的機関への支援等を通して働き方改革に関する調査研究・実践支援に携わっている。

植田 なつき 氏

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