会計業務における決算とは?実施時期や手順、スムーズに進めるコツなどを徹底解説

2023年4月28日更新



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企業の会計年度末に必ず実施されるのが「決算」です。健全に経営していくために欠かせない業務の1つであり、目的を知ったうえで、正しく進める必要があります。

本記事では、決算の目的や実施する時期、必要書類と実際の流れなどについて解説します。透明性の高い経営をするためにも、改めて確認してみましょう。

会計業務で欠かせない決算とは

決算とは、会社法において、すべての株式会社に義務付けられている会計業務です。株主総会が終結した後に、決算書の公告が必要となっています。

また、法人税を納税するためにも決算処理が必要です。法人税法では、上場企業以外の場合、会計対象となる期末の翌日から2カ月以内に決算し、税務申告及び納付が義務付けられています。

決算業務では、会計対象となる1年間の企業の取引をまとめて書類作成が必要となるため、経理担当者にとっては年間通して最も手間のかかる業務です。

会計業務として決算を実施する時期

決算を実施する時期は、企業によって異なります。月次、年次の他、四半期、半期で行われるケースもあります。ここでは、月次決算、年次決算について解説いたします。

月ごとに実施する月次決算

月ごとに実施される決算が、月次決算です。月次決算は、企業が任意で実施するもので、義務付けられているものではありません。そのため、実施しない企業もあります。

月次決算は、経営者が経営状況を把握し、経営戦略の舵取りのための羅針盤にもなります。また、年次決算を効率よく進めるために実施する目的もあります。

会計年度末に実施する年次決算

会計年度ごとに年に一度実施される決算業務が、年次決算です。会社法で義務付けられている年度末の必須業務です。

企業は任意で会計期間を設定できるため、年次決算を実施する時期は企業によって異なります。日本の企業の場合、公的機関の会計期間に合わせて3月を決算月とする企業が多くあります。

会計業務として決算が必要な理由

法的に義務付けられている決算には、必要とされる理由があります。業務に当たる際には、決算の目的を把握した上で、適切に実施していくことが重要です。

会計説明責任を果たすため

決算は、正しく納税するために欠かせません。決算で作成される決算書は、法人税だけでなく、消費税、法人事業税、法人住民税などの計算にも必要なデータです。

さらに、株主や取引先、金融機関などのステークホルダーにも公告し、企業が会計説明責任(アカウンタビリティ)を果たすための役割があります。外部に企業の状態を報告し、クリーンな経営をしていくためには、決算業務が必要不可欠です。

自社の財務状況を把握するため

決算業務では、自社の資金状況や負債状況について整理することになります。経営者にとって、経営状況や財務状況を把握することは、今後の経営戦略を考えるにあたって必要不可欠です。

また決算書は、資金繰りにおける課題を見つけるための資料にもなるため、円滑に企業を運営していくために必要とされます。

決算業務に必要な書類の種類

決算で必要になる書類は、企業によって該当する法令ごとに異なるため、自社に当てはまる法令を確認し、用意が必要です。企業が対象となる法令ごとの必要書類は、以下の通りです。

● 法人税法:貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書
● 会社法:貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、事業報告書、事業報告の付属明細書
● 金融商品取引法:会社概況、事業概況、設備状況、財務諸表が必要



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会計業務として決算を実施する手順

企業にとって決算は重要な役割を担う会計業務です。正確に業務を進めるために、手順も確認しておくと良いでしょう。ここからは、決算業務の効率的な手順について解説します。

1.当期分を正しく記帳する

決算には、会計年度にあたる全期間の記帳が必要です。決算を実施する前に、当期分の記帳を正しく完了させる必要があります。
帳簿には、日々の取引を漏れなく入力する必要があるため、日頃からこまめに記帳しておいた方が効率的です。

2.決算残高を確認する

帳簿が正しく記入できたら、決算日時点での帳簿上の残高と、実際の残高が一致しているかチェックします。ここでは、勘定科目ごとに1つずつ確認することが大事です。

記帳の整合性を確認するための試算表を作り、仕訳入力にミスがないかを確認しながら、正しい残高に直していきます。

3.決算整理仕訳を実施する

決算整理仕訳とは、会計年度をまたぐ取引を整理し、最終的に修正するための仕訳です。入金や支払いが今期中に間に合わないものを確認し、帳簿を修正します。

決算整理仕訳の対象となる処理は、売上原価の計算や固定資産の減価償却費の計上、未払費用や前払費用など経過勘定の確定などです。決算整理仕訳後は、改めて試算表と照らし合わせ、残高を確定させます。

4.法令に基づき決算書を作成する

法令で定められている書式に従い、確定した残高を基に必要書類を作成します。会計ソフトやシステムを活用していると、出力機能が付いており、簡単に作成できるケースが多いので便利です。作成された決算書は定時株主総会で提出・報告する際にも使われます。

5.税金を計算・申告・納付する

確定した決算書は、税金の計算にも使用します。決算書を基に、法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人税、消費税など、それぞれで必要となる書類を作成し、申告しましょう。

税金の申告は、決算日の翌日から2ヶ月以内にする必要があります。

会計業務で決算をスムーズに進めるコツ

決算は、年間の取引をまとめる業務なので、効率的にしなければ膨大な時間がかかってしまいます。通常業務もある中、スムーズに進めるためには、以下の3つの点に気をつけて実施するのがおすすめです。

月次決算の実施

決算は、通常業務もこなしながら行うため、できるだけ負担を減らしたい企業がほとんどです。月次決算を実施していれば、定期的に情報の棚卸をすることになるため、業務負担の分散につながります。また、月次決算をすることで、管理会計として財務状況を掴むことができるため、経営の軌道修正も早期に行えることができ、一石二鳥です。

期限から逆算して計画的に実施する

決算時期や納税時期は、毎年変わることはありません。前もって期限から逆算し、いつから始めれば間に合うのか計画的に実施することが重要です。あらかじめスケジュールを立てておけば、その通りに進めていくだけなのでスムーズに決算業務が実施できます。

決算早期化に効果的な会計システムに入れ替える

決算が早期化できれば、現状把握も早めにできるため、迅速な経営判断に役立ちます。金融機関や投資家など、外部機関に速やかに決算情報を提出できれば、信用の獲得にもつながるでしょう。

現在利用している会計システムで情報の収集、集計、チェックに時間がかかるなど課題を感じているのであれば、各部署との連携がとりやすく、スピーディに業務を進められる会計システムに入れ替えるのもおすすめです。

決算をスムーズに進めるおすすめの会計システム

会計システムや会計ソフトは、さまざまな企業からリリースされています。中でも会計システムとしては、「GLOVIA iZ(グロービア アイズ)」がおすすめです。

GLOVIA iZの会計システムなら、財務会計と管理会計を一元管理し、社内で共有も可能です。決算時の活用はもちろん、データ分析により迅速な経営判断にも役立ちます。企業に必要な機能を追加可能なので、独自性のある企業でも活用しやすいでしょう。

まとめ

決算は、企業の会計業務の中でも特に重要な業務です。企業を成長させるための経営判断や、会計責任を果たすためにも、正しく行いましょう。この記事で紹介した決算業務の手順やコツを参考にして、会計業務の効率化に役立ててください。

GLOVIA iZ(グロービア アイズ)は、国産ERPとして40年以上支持され続けています。業種・業務システム累計販売実績20,000 サイト超と豊富な実績があります。
会計システムの導入を計画されているご担当者様は、ぜひGLOVIA iZをご検討ください。

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著者プロフィール

富士通Japan株式会社
エンタープライズ事業本部 ビジネストランスフォーメーション室
ホリゾンタルソリューションビジネス部
マネージャー 増田 亮介

富士通グループSE会社に入社後、製造業などの基幹システム開発業務に従事
2006年から会計ソリューションの新規提案・導入プロジェクトを担当後、
2022年からGLOVIA製品(会計・人事給与ソリューション)の販売推進業務を担当

※本コラム中に記載の部署名、役職は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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