会計業務を改善するには?業務改善の方法や手順、システムの選び方などを紹介
2023年4月21日更新
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会計業務は日々発生し、決算の時期などは膨大な業務量になりやすいため、業務の効率化が重要です。会計業務を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。この記事では、会計業務を効率するための改善策について解説します。あわせて、改善の手順や役立つシステムの選び方も解説するため、会計業務の改善を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
会計部門における業務改善とは?
業務改善とは、日常業務のプロセスや情報の管理、共有などに関する課題を見つけ出し、改善策を実行することです。業務改善によって、無駄な業務を減らすことができます。これにより、業務の効率化が進み結果として生産性向上につながるといったメリットがあります。
業務改善を適切に行うためには、現状の把握が重要です。自社の業務プロセスにどのような問題があるのか、課題点は何かを明確にしたうえで目標や目的を設定し、業務改善に取り組むことが大切になります。
会計業務の改善が必要な理由
なぜ、会計業務の改善が求められるのでしょうか。ここでは、会計業務の改善が必要とされる理由を3つ解説します。
属人化を防ぐため
会計部門は、企業として直接的な利益につながる部門ではありません。そのため、人材配置を最小限にしているケースが多いようです。また、専門的な知識やスキルが必要となる業務が多く、属人化しやすい業務だといえます。属人化により情報共有が滞り、担当者が不在になると業務が回らなくなるリスクが増えるため、属人化を防ぐ対策が必要です。
無駄な業務が多いため
会計部門で扱う書類は押印が必要なものも多くあります。そのため、いまだに紙ベースで処理しているケースが多く、ペーパーレス化が進んでないという課題があります。たとえば、請求書を紙で発行する場合には、印刷をして押印、郵送とさまざまな工数があり、手間と時間がかかるため会計業務を圧迫しがちです。
ミスが許されないため
会計部門は、お金の流れを記録・管理するという部門です。そのため、ミスが許されない業務が多いという特徴があります。ミスをしないように丁寧に作業をしたり二重のチェックを行ったりすることで、業務スピードは遅くなりがちです。そのため、業務効率が低下しやすく、生産性が低くなってしまいます。
会計業務を改善する方法
会計業務を改善するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、会計業務を改善する方法について解説します。
ペーパーレス化する
従来は紙で作成していたような書類を電子化し、ペーパーレス化を進めましょう。書類を電子化することにより、印刷したり押印したり、郵送準備や郵送、紙書類の保管などにかかっていた手間を削減することができます。手間の削減だけでなく、用紙代や印刷代、郵送費や管理のための費用なども削減でき、コストカットにもつながります。
キャッシュレス化する
キャッシュレス化も業務改善に有効です。現金を扱っていると、処理や管理に時間がかかってしまい効率が悪くなりがちです。また、ミスも発生しやすくなるため、キャッシュレス化を進めるとよいでしょう。現金ではなく、振込や電子決済などを利用することで、業務の手間が削減され人的ミスの防止にもつながります。
システムを導入する
会計業務を改善したい場合、システム導入を検討することもよい方法です。たとえば、会計システムや請求書発行システム、経費精算システムなどといったシステムがあります。これらのシステムを導入することにより、これまで手作業で行っていた手間のかかる作業を自動化できるため、従業員の負担も軽減できるでしょう。
フォーマットを統一する
企業にはさまざまな部署がありますが、各部署から提出されるフォーマットを統一することも重要です。フォーマットがそれぞれ異なると、チェックミスなどが発生する可能性が高くなります。会計部門にとって処理しやすいフォーマットに統一することで、作業が効率的に進められるようになるため、早めにフォーマットを統一しましょう。
マルチディスプレイを導入する
マルチディスプレイとは、複数のディスプレイを導入してPC作業を行うことです。複数のディスプレイを導入することにより、複数のファイルを同時に表示できるようになるため、作業がスムーズに行えます。画面を切り替えることなく、複数のファイルを表示できるため、ミスの防止にもつながるなど多くのメリットがあります。
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会計業務を改善するための手順
会計業務を改善する際には、2つのステップを踏みましょう。ここでは、具体的な改善手順について解説します。
業務内容を洗い出す
まずは、会計の業務内容を洗い出しましょう。会計業務は属人化しやすい業務のため、しっかりと可視化することが重要です。そのうえで、それぞれのタスクに分けましょう。たとえば、現金出納や伝票の作成、預金の管理、帳簿付け、請求処理などに分けて、具体的な行動を振り分けていきます。
ECRS(イクルス)の原則で業務改善をする
ECRS(イクルス)の原則とは、Eliminate(取り除く)、Combine(結合させる)、Rearrange(組み替える)、Simplify(単純化する)の4つの観点から、業務改善が目指せるかを検討することです。以下では、それぞれの項目について詳しく解説します。
・Eliminate(取り除く)
Eliminateとは、業務そのものをなくすことができないかを検討することです。会計業務には無駄な業務も多くあり、なくしても問題ない作業も少なくありません。たとえば、無駄な資料作成はないか、必要ないチェック作業があるか、無駄な会議がないかなどを確認して、やらなくても問題ない作業があれば取り除きましょう。
・Combine(結合させる)
Combineとは、複数の業務を1つにまとめられないか検討することです。たとえば、別々の従業員が行っている業務を1人で行えないか、業務を組み合わせたほうがスムーズではないか、別々に業務を行う意味があるのかなどを検討します。業務をまとめることにより、担当者の人数を減らすことができ効率的に作業が進められるようになります。
・Rearrange(組み替える)
Rearrangeとは、業務の順番や方法を変更することです。たとえば、業務の工程を入れ替えることができるか、他の担当者に変更したほうがスムーズではないか、業務のプロセスを変更できるかなど、業務の見直しを行いましょう。手順や担当者などを変更することで業務プロセスがスムーズになり、効率的に業務が進みます。
・Simplify(単純化する)
Simplifyとは、業務を単純化することです。業務をもっと簡素化できないか、業務を簡単に行う方法はないのかなどを検討します。たとえば、ITシステムを導入し業務をIT化することによって、作業の自動化や省力化などにつながります。これにより、作業の無駄もなくなり従業員の負担も軽減できるでしょう。
会計業務の改善に成功した事例
ここでは、実際に会計業務の改善の取り組み、成功した事例を2つ紹介します。
月次決算のスピードアップ実現を目指し、システムを刷新
ホストコンピュータ上で運用する会計システムを利用していたお客様です。伝票処理件数の増加によりシステムのオープン化とすべて手入力で頼っていた経理業務を効率化する必要に迫られていました。現場データの一括登録することで、各部門からの情報が素早く経理部に集まる環境を確立。その結果、月次決算をスピードアップし、月次締め日の翌営業日には決算を確定でき、経営層から求められる情報をいち早く提供できるようになりました。 業務効率向上にむけては、経理部門がシステム導入の第一歩から信頼できるベンダの伴走があったことも成功のポイントです。
会計ソフトの導入で業務を改善
クラウド型会計ソフトを導入し手入力による作業を削減、業務改善を実現した事例です。請求書の発行や経費精算、給与計算などのシステムと連携することで、データを自動で取り込めるようになります。これにより、作業時間の大幅削減につながるだけでなく、人的ミスの削減にもつながるなど、業務改善に役立っています。
まとめ
会計業務は属人化しやすく、業務の無駄が多いという課題があります。これらの課題を解決するために、会計業務の改善が求められています。業務改善の方法はさまざまですが、ペーパーレス化やキャッシュレス化だけでなく、システムを活用し会計業務を効率化するとよいでしょう。
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著者プロフィール
富士通Japan株式会社
エンタープライズ事業本部 ビジネストランスフォーメーション室
ホリゾンタルソリューションビジネス部
マネージャー 増田 亮介
富士通グループSE会社に入社後、製造業などの基幹システム開発業務に従事
2006年から会計ソリューションの新規提案・導入プロジェクトを担当後、
2022年からGLOVIA製品(会計・人事給与ソリューション)の販売推進業務を担当
※本コラム中に記載の部署名、役職は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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