FACOM128Bは2019年に、FACOM138Aは2020年に無事製造後60年稼働を達成し、本プロジェクトは2020年をもって完結しました。
尚、これからもリレー式計算機の稼働継続に努めて参ります。
富士通沼津工場池田記念室に設置されているFACOM128Bと、川崎工場富士通テクノロジーホールに設置されているFACOM138Aは、製造されてそれぞれまもなく50年を迎えようとしている。本プロジェクトは、両機を稼働させ続けることを通じて富士通の企業DNAを次代に継承させていこう、という目的で2006年10月から富士通の正式プロジェクトとなった。
富士通テクノロジーホールに展示されているFACOM138A半導体を使う現在のコンピュータの前身で、リレー(電磁石を使ったスイッチ)の接点に電流が流れるか流れないかを電気回路のON/OFFに当てはめて計算を行う計算機。FACOM128Bでは、中央演算処理装置(CPU)に約5000個のリレーを使用している。リレーは機械的に動作するため、接触不良を起こしにくい回路設計やリトライ機能(自己検査機能)に工夫がこらされた。そうした技術開発が、今日の信頼性を重視する富士通の開発思想の基礎となった。
本体の構造を理解するため、継承者が部品の解体、組み上げを行うCEのOB 3名(伝承者)と、現役CE 3名(継承者)が共同で保守・点検作業を行うことにより、技術と経験の継承を期する。