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Fujitsu

Japan

クラウドを活用して、被災地のニーズと支援を適切にマッチング

復旧・復興支援 なすべきことを着実に クラウドを活用して、被災地のニーズと支援を適切にマッチング 「ICTで、一人でも多くの被災者を守りたい、支援したい」

「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(略称:つなプロ)」様は、東日本大震災で被災し、避難所で暮らす人々の「生の声」を聞き、その要望に合った介護・医療等の専門のNPOへと“つなぐ”ことで課題解決をめざしています。大量の情報が飛び交う現場では、それらを効率的に収集・管理するデータベースシステムが必要と考え、富士通は被災地の方々が求める情報を管理する「つなプロ クラウド」を短期間で構築し、NPOと共に活動を続けています。

どんな状況にいる人たちの声も、逃さない

被災者と専門的支援をつなぐ「つなプロ」の画像

避難所におけるアセスメントの様子の写真

災害時において、何よりもまず急がれるのは被災地の方々に必要なモノ・サービスを届けることです。今回の東日本大震災の被災地は、東北から関東北部の沿岸地域まで非常に広範囲に及んでおり、228市町村の避難所2,130カ所に、39万2,225人もの方々が避難しました(震災発生当時)。津波の襲来を受け、着の身、着のままで、取るものもとりあえず避難した人たちも少なくありません。

その中には、介護が必要な方やお年寄りもいれば、生まれたばかりの子どもを抱えた母親、妊娠している女性もいます。精神的なサポートが必要な方、外国人、障がい者、アレルギー疾患や難病の患者など、個別の対応を必要とする人たちも避難しています。このような方々への支援には特別な配慮が必要ですが、避難所の中では見過ごされがちです。

そこで富士通は、「必要なモノ・サービスを、いますぐに」の思いを胸に、全国各地のNPO(非営利活動団体)ネットワークとして3月14日に発足した「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト」(略称:つなプロ)との連携をスタートしました。

マッチングによって分類整理された支援物資の写真

「必要なモノ・サービスを、いますぐに」ICTを活用した支援活動

「つなプロ」は東北地域のNPOネットワークの中核的存在「せんだい・みやぎNPOセンター」と全国のNPOが連携し、被災者をNPOとつないで支えようと立ち上がったプロジェクトです。これまで地域社会において、困難を抱える人たちに様々な社会サービスを開発・提供してきたNPOが、それぞれの専門性を生かし、被災地の方々に個別支援を行うことで、避難所の状況の悪化を防ぐことを目指しています。

災害支援対策会議の様子の写真

被災地では、調査スタッフが各地の避難所を巡回訪問し、状況把握を進めていましたが、その際に大きな課題となったのが、情報の管理です。当初、「つなプロ」ではExcelや独自開発のツールを使って被災者の情報を独自に調査・管理しようと考えていましたが、情報量が膨大になるにつれ、データベース化が必須となりました。

そこで富士通災害支援特別チームは、被災者の情報とNPOネットワークをマッチングするSaaS型アプリケーション「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」を活用した「つなプロ クラウド」を構築し提供しました。3月28日のシステム稼働から4月末までに、つなプロのメンバーが地道な努力で集めた443件の避難所情報と996件のニーズ情報が蓄積され、被災者の多様な情報の集計や、分析・共有・予測などを格段に効率化することができました。

被災者やNPOスタッフのそばで現場のニーズを把握する

避難所におけるアセスメントの様子の写真

被災者の多様な声に迅速かつ柔軟に対応するためには、刻々と変化していく状況をつぶさに把握し、システムに反映しなければなりません。スピード・業務多様性・メンテナンス性を兼ね備えたデータベースがあってこそ、適切なマッチングが可能になります。「つなプロ クラウド」を企画・主導した富士通のシステムエンジニア(SE)の一人はこう語ります。

「開発メンバーの立場で言いますと、実際にシステムを使う人たちの近くにいることが、何よりも重要なことだと思いました。そこで、『つなプロ クラウド』を構築する際は、実際に現地に一緒に入り、その場で設計し、システム要件を支援者の方々の隣でアレンジしながらシステムに反映していくことにこだわりました。被災者やNPOのスタッフの方たちのそばで現場の声を把握することが、ICTのプロとしてやるべき第一歩ではないかと考えからです」。

「つなプロ」と富士通による一連の取り組みは、これまで日本ではあまり見られなかった「課題解決に向けたNPOと企業のコラボレーション」を体現化したものです。

富士通が支援した復旧・復興プロジェクト
そのほかの活動例

日本プライマリ・ケア連合学会(PCAT)様

日本プライマリ・ケア連合学会様は東日本大震災支援プロジェクトを立ち上げ、各避難所への医療スタッフの派遣を行いました。その中で浮上したのが、国内外からのボランティア医師の受け入れや医師間の引き継ぎの問題でした。富士通は、「eラーニングクラウド」の構築などを通じて、医療スタッフへの事前教育だけでなく、活動後のフィードバックからコンテンツをアップデートさせていくなど、常に生きた情報を提供することで、被災者の避難生活を医療面から支援する活動に貢献しています。

 映像:被災地に向かうボランティア医師をクラウドで支援

公益財団法人日本財団様

公益財団法人日本財団様は、阪神・淡路大地震以来の災害支援の経験を踏まえ、東日本大震災の被災地の復旧・復興に向けて活動するNPOやボランティアに対して、支援金提供を行っています。富士通は、NPOからの支援金申請の受付システムとしてクラウドサービス(SaaS)を提供し、日本財団様の迅速かつ円滑なNPO支援の実現に貢献しました。

 映像:NPOと企業の協働を支えるクラウド

ケアプロ株式会社様

血液検査の出張サービスを手がけるケアプロ株式会社様は「つなプロ」の一員として被災地に入り、ボランティア自身による感染症のまん延防止のためボランティアの体調管理や、被災者の血液検査を無償で行いました。その検査データは、医療機関につなぐことで、病気の早期発見や経過報告に活用され、慢性病の悪化防止などに役立てられています。情報を蓄積・共有する仕組みとして富士通のクラウドサービス(SaaS)を提供しています。

 映像:避難所での生活習慣病の早期発見と予防にクラウドを活用


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