マテリアリティ

富士通グループのマテリアリティ

2023年、富士通グループでは、マテリアリティの改定を行いました。2018年に「CSR基本方針」の下、マテリアリティを特定していましたが、ビジネスを通じたお客様・社会への価値提供という観点をさらに取り入れた「経営におけるマテリアリティ」に更新しました。
中長期的な視点で2030年を見据え、「自社」および「ステークホルダー」の観点から評価を行い、持続的な成長に向けて解決すべき重要課題として、「必要不可欠な貢献分野」、「持続的な発展を可能にする土台」の2つのカテゴリーを特定しました。必要不可欠な貢献分野について、Fujitsu Uvanceを中心とした事業展開により、「地球環境問題の解決」、「デジタル社会の発展」、「人々のウェルビーイングの向上」に貢献する価値をお客様・社会に提供します。また、持続的な発展を可能にする土台について、富士通グループの価値創造の源泉として、「テクノロジー」、「経営基盤」、「人材」を強化し、新たなビジネスモデルやイノベーションの創出を支えます。
2025年度にはこれらの項目について、「富士通らしさ」、「提供価値」の観点からマテリアリティの一部項目を見直し、18課題から25課題に変更しました。
また、2023年に策定したマテリアリティの結果は、全社のリスクマネジメントにも活用しています。マテリアリティ分析から抽出された気候変動や人権、セキュリティなどの課題を、富士通グループ全社で行われる潜在リスクアセスメントにおいて重要リスク項目として連動させ、その一部は「事業等のリスク」として公表しています。
加えて、FUJITSU Level VP以上のエグゼクティブを対象にした評価制度「Executive Performance Management」において、マテリアリティ関連の取り組みを目標設定の推奨項目としています。マテリアリティを軸とした非財務指標については、役員報酬の評価指標(業務執行取締役の賞与)との連動も推進していきます。
今後、全社レベルでマテリアリティへの取り組みを推進し、経営における重要なリスクの低減・回避と事業機会の拡大を図り、富士通グループの企業価値向上と、地球環境問題、デジタル社会、人々のウェルビーイングにおいてネットポジティブの実現に貢献していきます。

マテリアリティ

マテリアリティの概念図
マテリアリティの概念図

必要不可欠な貢献分野(13項目)

必要不可欠な貢献分野(13項目)

持続的な発展を可能にする土台(12項目)

持続的な発展を可能にする土台(12項目)

マテリアリティの特定プロセス

富士通グループでは、ダブル・マテリアリティの原則に基づき、企業と環境・社会の相互影響(環境・社会課題が当社に与える財務的な影響、当社活動による環境・社会に与える影響)を考慮しマテリアリティを特定しました。また、年1回の定期レビューを行い、必要に応じた見直しを実施していきます。

Step1 社会課題の整理・抽出

  • 下記を参考し、2030年の未来を見据えたメガトレンドを踏まえ、様々な社会課題を整理したロングリストを作成(163課題)

    ・SDGs
    ・ESG株価指数の評価項目(FTSE、MSCI、DJSI)
    ・ESG情報開示枠組み(GRIスタンダード、SASBスタンダード)
    ・世界経済フォーラム(WEF)「グローバルリスク報告書」
    ・レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)行動規範
    ・持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、Global Enabling Sustainability Initiative (GeSI)等の文献

  • ロングリストから、類似項目の統合や、事業と関連性の少ない項目を削除し、最終的に40個の社会課題を抽出

Step2 優先順位付け

  • 抽出された社会課題をもとに、幅広く社内外のステークホルダーに対するアンケートやインタビュー、およびデスクトップ調査を実施。2030年の未来を見据え、各課題をリスク・機会両方の側面で、「当社にとっての重要度(環境・社会課題が当社に与える財務的な影響)」および「ステークホルダーにとっての重要度(当社活動による環境・社会に与える影響)」の視点から包括的に評価・採点を行い、社会課題の優先順位を示すマテリアリティ・マトリックス案(40課題から25課題に絞り込み)を作成
  • 個別インタビュー、サステナビリティ経営委員会等を通じて、マテリアリティ・マトリックス案について富士通の独自性(富士通らしさ)といった観点から妥当性に関する評価・討議を実施し(業務執行取締役、業務執行役員に加え、非執行取締役、監査役によるレビューを含む)、マテリアリティ・マトリックスを最終化(25課題から18課題に集約)
  • マテリアリティのコンセプト整理を行い、18課題を2つのカテゴリー、6つのテーマに分類・構造化

当社・ステークホルダー評価

当社・ステークホルダー評価

注1:2022年8月 富士通がForrester Consultingに委託して実施した調査

マテリアリティ・マトリックス(注2)

マテリアリティ・マトリックス
マテリアリティ・マトリックス

Step3 マテリアリティの決定

  • サステナビリティ経営委員会を経て、特定したマテリアリティおよび全社的な取り組み推進の方向性について審議、承認
  • マテリアリティを含む中期経営計画を取締役会にて審議、承認

Step4 レビュー、見直し

  • 年1回のレビューを実施(注3)
  • 中期経営計画検討のタイミングで討議を実施予定

注2:本表は2023年に定めた課題の名称にて記載。
注3:2024年度サステナビリティ経営委員会にてレビューを実施し、その結果マテリアリティの一部項目を見直し

マテリアリティへのアプローチ

マテリアリティに対するリスク・機会の認識を踏まえ、2025年度に向けたアプローチを検討・整理しました。リスクについては富士通自身の社内取り組みを中心に施策を実施し、機会についてはFujitsu Uvanceをはじめとしたビジネスを拡大することによって社会課題を解決し、お客様・社会に価値を提供していきます。マテリアリティへのアプローチの推進により、当社事業、社会に対するネガティブなインパクトの縮小、ポジティブなインパクトの拡大を促進し、ネットポジティブの実現に貢献します。

必要不可欠な貢献分野

必要不可欠な貢献分野における共通指標

2025年度目標

  • お客様NPS:+20(2022年度比)
必要不可欠な貢献分野における共通施策:
グローバル・地域社会への貢献
  • 従業員が社会課題解決を通して視座と経験値を高め、エンゲージメント向上を図ることでの継続したコミュニティ活動への参画促進
  • NPO、NGO、地域社会へのコミュニティ投資*を通じた社会課題解決および将来のビジネスにもつながるようなパートナシップの拡大 *人・モノ・カネ含む
  • 受益者の人数やインパクトのモニタリングによる活動成果を把握し、適切な社会貢献活動の取り組みを促進お客様NPS:+20(2022年度比)リストは最大8件です。

地球環境問題の解決 Planet:人と自然が共存・共栄し、地球の未来を共に創る

Planetに関係するSDGs

2025年度目標

  • GHG排出量Scope1,2:50%削減(2020年度比)
  • GHG排出量Scope3(Category11):12.5%削減(2020年度比)

2030年度目標

気候変動(カーボンニュートラル)

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・厳格化する省エネルギー・GHG排出法規制への対応コスト増
・激甚化する自然災害による操業コスト増

<機会>
・サプライチェーンを含むGHG排出量の可視化、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入拡大等に関する需要増
・「緩和策」としてGHG排出量の削減に向けた社会全体のエネルギー最適利用の実現、「適応策」として災害に強い社会・産業づくり等に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・事業拠点のGHG排出量の削減(省エネルギーの推進と再生可能エネルギー使用量の拡大)
・製品の省電力設計の推進、およびサプライチェーンにおけるGHG排出量の削減

<お客様・社会への事業展開>
・サプライチェーンのGHG排出量の可視化・削減
・工場等設備のエネルギー使用量の可視化(一次データの収集自動化)
・災害、パンデミック、国際的な政治リスクなど、多面的なサプライチェーンリスク検出
・クリーンアンモニア等新たなエネルギー資源・材料の開発、有効活用、トレーサビリティの高度化
・社会インフラシステムへの自然エネルギーの統合と最適化
・都市における有事へのレジリエンス強化
・高精度な天気予報と防災シミュレーション

資源循環(サーキュラーエコノミー)

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 資源枯渇からもたらされる資源制約、資源偏在からもたらされる希少資源をめぐる紛争の激化により、操業コストや評判リスクへの対応コスト増

<機会>
・ 循環(再生)型社会の実現に向けた、資源の有効活用・廃棄ゼロの促進、持続可能な状態で循環させる経済の仕組み構築を支援する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 事業拠点の水使用量削減、サプライチェーン上流における水資源保全意識の強化
・ 製品の省資源化・資源循環性向上の推進
・ サーキュラーエコノミー指標・ビジネスモデル標準化活動へ参加、社会インパクト測定

<お客様・社会への事業展開>
・ ブロックチェーン活用によるトレーサビリティの強化とロスの削減
・ 生産品質等の可視化による材料の有効活用の促進
・ リサイクルによる環境価値創出に向けた、資源トレーサビリティの強化
・ 企業間データ連携によるリサイクルスキーム確立とリサイクル資源の安定供給の実現

自然共生(生物多様性の保全)

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 土地利用・情報開示関連規制厳格化の中で、生物多様性への対応遅れによる、資本調達が難しくなるリスク、評判リスク増

<機会>
・ 環境・生物多様性影響度のアセスメント・可視化・モニタリング・削減、自然共生のまちづくり等に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ サプライチェーンを含む自社の企業活動の領域における、生物多様性への負の影響低減、正の影響増加

<お客様・社会への事業展開>
・ 生物多様性に配慮した事業活動において、事業計画シミュレーションによる環境保全と影響度の可視化
・ 新たな生産方式の採用・材料開発による水、森林資源の保護・過剰消費の抑制

事業インパクト

  • サプライチェーンを含む事業活動領域における環境への負荷最小化の活動(GHG排出量の削減、省資源・資源循環、生物多様性の保全)推進により、法規制厳格化や評判低下等のリスク軽減・回避につながる
  • 環境配慮型社会への移行に伴い、各産業のバリューチェーン全体で環境への負荷最小化に関する需要が増大。環境課題の解決や環境に対する価値の創出を目的とした事業の展開により、財務的なリターンの拡大につながる

社会インパクト

  • デジタル技術を活用した環境フットプリントの可視化、トレーサビリティの向上などソリューションの展開により、サプライチェーン・お客様の環境負荷低減に加え、社会のカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、生物多様性の回復に貢献

デジタル社会の発展 Prosperity:世界の繁栄と安定が両立する、信頼性のあるデジタル社会を共に創る

Prosperityに関係するSDGs

2030年度目標

  • デジタルアクセシビリティ:1.5億人
    富士通のサービス提供、各種活動の展開による社会におけるデジタルアクセシビリティの向上に貢献
    (Fujitsu Uvanceのソリューション、投資先のサービス/ソリューション、およびコミュニティ活動の数を基に影響人数の実績値を把握し、モニタリング・管理を推進)

情報セキュリティ確保

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 法規制が厳格化している中で、企業活動に関わる情報漏洩により個人の権利・利益を侵害した場合やお客様の情報を漏洩した場合には、信用の低下、法令違反による罰金や制裁金が科されるリスクがある

<機会>
・ 社会、企業、さらに個人レベルの情報セキュリティの確保に向け、トラストかつセキュアな情報基盤の高度化に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ ガバナンス強化:経営の能動介入および現場セキュリティ体制強化による施策実行の迅速性・実効性の向上
・ サイバー脅威への対策強化:予兆を含むセキュリティリスク可視化・対処、情報管理の強化
・ サプライチェーンセキュリティの強化:セキュアな開発環境・データ管理環境への集約、教育展開によるセキュリティ成熟度の向上

<お客様・社会への事業展開>
・ セキュアなHybrid IT基盤の提供により、顧客システム/事業の信頼性確保
・ 公共/金融機関などミッションクリティカル領域に対し、レジリエントなHybrid IT基盤の提供と、ITガバナンス、セキュリティガバナンスの強化
・ データ保護指令などの規制強化や拡大に速やかに対応していくセキュリティマネジメント実現
・ ゼロトラストセキュリティ技術などを組み合わせ、信頼性と利便性をともに強化した新たな高速/大容量ネットワークセキュリティ技術の実現

デジタル格差の解消

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 誰でも主体的かつ自由・自律にデジタル技術を活用できる「デジタルの民主化」が普及し、差別・偏見やヘイトを助長しないデジタル基盤に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ 先端医療の民主化と、患者に合わせた最適化
・ 原材料トレーサビリティ・証明に関する課題解決、意思決定の高度化
・ 金融機関との共創による企業のITコンサル、インテグレーション導入の推進
・ 地方自治体におけるブロードバンドネットワークの構築(米国)

労働力不足解消

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 労働力不足の解決に向けた、生産性・品質向上と自動化・効率化に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ 自動化技術あるいはAR/VRおよびリモートコミュニケーション技術を活用した、生産・配送・出荷・販売等の作業の効率化と安全性の両立
・ お客様の業務変革のための最適なワークスペースの計画立案とデジタル技術を活用した運用の効率化・高度化
・ AIOpsや多言語対応、自動化技術を活用したデジタルタッチポイントの高度化による高いユーザビリティサービスの実現

責任あるサプライチェーンの推進

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ サプライチェーンにおいて労働環境や紛争鉱物等の人権侵害や環境破壊、気候変動による被害など、問題が発生した場合、ビジネス機会の損失や、行政罰により企業の社会的信用の低下、事業活動の継続への影響等リスクがある

<機会>
・ 環境・人権・鉱物資源(調達)をはじめとした環境・社会領域でのサプライチェーン管理の見える化・最適化・情報開示の強化とプラットフォーム構築に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ サプライチェーンにおける人権リスクの予防・軽減
・ サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減の推進
・ サプライチェーン多様性の確保

<お客様・社会への事業展開>
・ サプライチェーンのトレーサビリティ向上による管理強化
・ 災害、パンデミック、国際政治リスクなど、多面的なサプライチェーンリスクの検知
・ グローバル規模での複数企業を跨いだサプライチェーンのデジタル化、レジリエント化
・ End-to-end・バリューチェーンの最適化による持続可能な消費、廃棄物削減の実現
・ 店舗(OMO)運営およびロジスティクスの最適化
・ サプライチェーンを介した商品のデジタルトラッキングの実現
・ エシカル購買の拡大を支えるセキュアなプラットフォームにおける新たな価値創造・交換

顧客・生活者体験の向上

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 人々の価値観が多様化し、新しい消費、つながりや働き方への志向が向上。パーソナライズした消費体験の実現、個人や企業・社会の新たな価値交換の仕組み構築等に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ マーケティング/プロモーションのパーソナライズ化、新たなオンライン・オフライン購買の実現
・ あらゆるブランドチャネルと消費者との接点における、一貫性がありかつ、流動的で「パーソナライズされたショッピング体験の実現
・ 店舗システムの監視・運用・保守の効率化
・ 消費者行動の予測を通じた消費者へのプロモーションの高度化

事業インパクト

  • 情報セキュリティ対策の不足、サプライチェーンにおける人権侵害等により、対応コストの増大、お客様・社会からの信頼失墜等の発生可能性があるが、強固なガバナンス体制の整備や効果的な施策の導入により、リスクの最小化につながる
  • お客様・社会においてもこれらに加え、デジタル格差の加速、労働力不足の深刻化の課題があり、デジタル社会への移行に伴う課題解決を目的とした事業の展開により、財務的なリターンの拡大につながる

社会インパクト

  • セキュアな情報基盤、説明可能なAI等の展開により、信頼されるデジタルテクノロジーを社会に実装し、より多くの人がデジタルテクノロジーの恩恵を享受することができ、レジリエンスが向上した社会づくりに貢献

人々のウェルビーイングの向上 People:あらゆる人々のウェルビーイングに向けた、ヒューマンセントリックな生活基盤を構築する

Peopleに関係するSDGs

2030年度目標

  • ICTスキル、教育提供数:1,200万人以上

    富士通のサービス提供、各種活動の展開による社会におけるICTスキル向上・教育拡大に貢献
    (Fujitsu Uvanceのソリューション、投資先のサービス/ソリューション、コミュニティおよびイベント・研究会などの活動の数を基に影響人数の実績値を把握し、モニタリング・管理を推進)

Career & Growth Well-Being

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 人々が豊かで充実した人生を送るため、いつでも自由に学習でき、成果が適切に評価されるデジタル教育プラットフォームの構築等に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ AIによる個人最適化された教育の提供や時間や場所を選ばないマイクロラーニング環境実現
・ DX実現に向けて求められる人材像の定義、人材戦略・人材開発計画の策定支援、教育・研修プログラムの提供により、戦略的なリスキリングの実現

Social Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 従業員モチベーション向上に向けた、快適かつ安全・安心な労働環境の創出

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ 労働環境の変化に応じた、働く人を中心とした働き方の改革・エンゲージメント向上のための業務状況や社員の声の可視化、分析による戦略立案と実行

Health Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 医療のデジタル化、AIやIoTを活用した予防医療など、地域・社会が日常生活に溶け込むヘルスケアに関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ 医療機関と外部機関・サービスをつなぎ、生活者・患者の診療情報と生活情報の相互流通の実現
・ 予防、治療から予後までのEnd-to-endのヘルスケア・ ジャーニーの個別化・最適化(パーソナルヘルスケアの実現)

Financial Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 適正で公正な報酬による従業員エンゲージメントの向上や経済的な安定の実現

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
-

スポーツ

リスク・機会の認識(注4)

<機会>
・ 富士通の特徴である企業スポーツを通じた企業イメージ向上、地域社会との連携、従業員エンゲージメントの向上に加えて、顧客とのコラボレーション機会創出によるビジネス貢献

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<お客様・社会への事業展開>
・ 高精度な骨格分析技術により、人の動きをデジタル化するデータ解析プラットフォームの提供

事業インパクト

  • 物質的な豊かさから精神的な豊かさへの価値観の転換に伴い、医療・ヘルスケア、教育の高度化が求められるようになり、人々の安心・安全・高品質な暮らしを支えるヒューマンセントリックな事業の展開により、財務的なリターンの拡大につながる

社会インパクト

  • 一人ひとりのヘルスケア、キャリアプランに資するスキルアップや消費行動に対応したサービスの提供により、健康寿命を延ばすとともに、全ての人々が自身の可能性を最大化し、充実で幸せに生きる社会の実現に貢献

持続的な発展を可能にする土台

持続的な発展を可能にする土台における 共通指標

2025年度目標

  • 一人当たり生産性:+40%(2022年度比)

テクノロジー Technology:最先端デジタル技術を創出し、持続可能な社会システムに変革していく機会を共創する

Technologyに関係するSDGs

最先端技術の開発およびイノベーションの創出

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 最先端技術の研究開発は企業の成長の源泉であり、技術開発が進まない場合、競争力を失うリスクがある
・ ビジネスの変革と持続可能な社会の実現に向け、DX・SXを支えるデジタルイノベーションが必要不可欠に

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 量子:量子HPCハイブリッド技術によるお客様とのアプリ開拓、世界をリードするエラー訂正技術の開発。1000量子ビット機とさらなる大規模化技術の開発
・ Computing:Computing Workload Broker技術を強化し、グラフAIを加速するフレームワークを開発し、HPCをデジタルツイン等の新領域に拡大
・ AI:世界をリードするグラフAIやAIトラスト等のAI技術を搭載したAIプラットフォームで顧客価値をグローバルに提供。AI領域の専門人材の戦略的獲得
・ Data & Security:業界をリードするWeb3/トラスト技術により、企業や個人が持つ分散されたデータを信頼性をもって流通/活用可能にし、エコシステムによるイノベーション創出を加速
・ Converging Technologies:環境・社会・経済をトレードオンする施策を生み、サステナビリティトランスフォーメーション(SX)を実現して社会を継続的に改善する世界初のソーシャルデジタルツイン・プラットフォームを確立し、グローバルにソリューションを展開

事業インパクト

  • Computing、AI、Data & Security、Converging Technologies、Networkの5つの技術領域における研究開発、およびデジタルイノベーションの創出によって、持続可能なビジネス変革の実現に貢献

社会インパクト

  • 技術を組み合わせた包括的な価値提供により、お客様・社会の課題解決、サステナビリティトランスフォーメーション(SX)を支え続けていく

経営基盤 Management Foundation:責任ある行動で企業と社会秩序を守り、高効率・迅速な意思決定を図るデータドリブン経営を行う

Management Foundationに関係するSDGs

ガバナンス・コンプライアンス

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 強固なガバナンス体制の維持や情報開示、執行に対する監督機能の充実ができていない場合、健全な経営を損なうリスクがある
・ 国内外法令・規制に抵触する事態が発生する場合、社会的信用の低下や課徴金、損害賠償の発生などのリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ コーポレートガバナンス:
  ・ コーポレートガバナンスの不断の見直し
  ・ 株主を含む全てのステークホルダーとの協働に資する会社情報開示の充実
  ・ 株主との建設的な対話の促進
・ コンプライアンス:
  ・ コンプライアンス意識向上Global Compliance Programの展開
  ・ お取引先へのコンプライアンス教育提供

情報・AI倫理の推進

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ AIに投入されたデータなどに由来して倫理的問題などが生じた場合、社会的信用の低下や訴訟などのトラブルを招くリスクがある
・ 従業員やお客様のAI倫理への理解や実践が不十分な場合、AIへの信頼が高まらず、AIを活用したイノベーションや進歩が阻害されるリスクがある

<機会>
・ 信頼できる情報社会の発展が大きく期待されるなか、適切なAI倫理が実装されたAI利用の需要増、および企業内での適切なAI倫理実践に関する需要増

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ AI倫理の社内実践の制度化や、従業員やお客様へのAI倫理教育の提供など、AI倫理浸透に向けた活動
・ AI開発者やお客様自身によるAI倫理リスクの発見を容易にし、解決案を提示する技術・エコシステムの提供

<お客様・社会への事業展開>
・ AI倫理ガイドラインを遵守したAIの提供や、説明可能なAIの提供による、AIへの信頼性・透明性の確保(説明可能なAIを利用した企業の財務・非財務データから不正リスクの予測による、ビジネスにおける持続的な信頼性の向上)
・ AIの適切な使用に関する倫理ルールやガイドライン作成などのコンサルティングの提供

リスクマネジメント

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 強固なリスクマネジメントができていない場合、企業の事業継続に影響を及ぼすリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 潜在リスクに関するツールを活用した社内アセスメント検討、顕在化したデータを活用したインパクトの可視化、再発防止策の立案・実行等
・ Data Driven Risk Managementシステムの構築
・ 海外リスク情報が本社に遅滞なく報告・対応が行われるグローバルリレーション網の構築

経済安全保障対応

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 国際秩序の不安定化の中で、経済安全保障に基づく企業活動への規制が強化される傾向にあり、企業が対象としている市場やサプライチェーン等に影響を及ぼし、対応コストの増加や規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が発生するリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 経済安全保障や地政学上の観点によるビジネス継続リスクの評価と、BCPへの反映等を通じたビジネス・レジリエンスの強化
・ 重要な先端領域を含む技術の全社横断的な管理強化
・ 各国の経済安全保障施策への対応

デジタルトランスフォーメーション(DX)

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現できない場合、生産性低下、外部環境への対応遅れ等が生じ、競争上劣後するリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ OneFujitsuプログラム推進によるデータドリブン経営の実現、およびオペレーショナルエクセレンスの追求:
  ・ 合理的・迅速な意思決定を支えるリアルタイムマネジメント
  ・ 経営資源のEnd-to-endでのデータ化・可視化
  ・ グローバルでのビジネスプロセス標準化

事業インパクト

  • 健全な経営基盤、経営効率の向上を維持できない場合、生産性低下、社会的信用の低下等重大リスクにつながる
  • 強固なガバナンス体制の整備や効果的な施策の導入により、これらのリスクの最小化につながる

社会インパクト

  • 健全な経営基盤、経営効率の向上を維持できない場合は、事業領域におけるお客様・お取引先にも損失を与える可能性があり、強固なガバナンス体制の整備や効果的な施策の導入により、上記リスクの最小化につながる

人材 Human Capital:社内外の多才な人材が俊敏に集い、社会の至るところでイノベーションを創出する

Human Capitalに関係するSDGs

2025年度目標

  • 従業員エンゲージメント:75
  • ダイバーシティリーダシップ(女性幹部社員比率):20%

DE&I

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 多様性の軽視・配慮不足が発生する場合、ビジネス機会の損失や、行政罰により企業の社会的信用の低下、人材流出等、多面的なリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
多様性:
・ 誰もが一体感をもって、自分らしくいられるインクルーシブで公平な組織文化の構築
・ リーダシップにおける女性の参画強化
・ グローバルに通用する文化・民族の総合戦略の構築
・ FWEI(富士通ワークプレイス平等指数)の導入
・ デジタルアクセシビリティをブランドコミュニケーション、顧客エクスペリエンス、ワークプレイスを含む企業戦略の1つとして推進および提唱
・ サプライチェーン多様性の確保
  ・ 各リージョン・国での社会要請に基づき、多様性の指標を定め活動
  ・ 国内サプライチェーンにおける主な活動を「女性活躍」の支援と定め、取引先の取り組み状況を測定する仕組みを構築

Career & Growth Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 従業員が自己成長を実現させる機会の提供ができない場合、人材流出、ブランド価値の低下等のリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
一人ひとりの主体的な挑戦・成長を後押しするための環境を整備していく
・ ライフやキャリアの節目に、キャリア意識を高め、自身のキャリアと向き合う場の提供
・ 日々の上司・メンバーとのコミュニケーションを通じた成長支援を行うためのサポート

Social Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 従業員同士の信頼関係や良好な人間関係を構築、維持することによる働きやすい環境の提供ができない場合、人材流出、ブランド価値の低下等のリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 業務の目的に応じてリアルとバーチャルを組み合わせるHybrid Workを実践することで、プロダクティビティ・クリエイティビティを向上させ、新しい価値を創出する
・ 社員が相互の信頼によってつながり、挑戦できる組織環境を整備
・ 組織を超えたコミュニケーションを図るための環境を整備

Health Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 従業員が心身ともに健康で安全にいきいきと働くことができる環境の提供ができない場合、人材流出、ブランド価値の低下等のリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 社員一人ひとりが自身の健康を自律的に管理する意識の醸成
・ 幅広い健康教育や健康イベント、健康アプリの提供等を通じ個人・組織のヘルスリテラシーを高め、行動変容を促進
・ 社内の産業保健スタッフ体制による予防から健康増進まで、個別相談から専門医紹介などを通じて、社員一人ひとりの心身の健康をきめ細やかに支援
・ 健康関連データを分析し、組織ごとの健康課題を共有した上で、健康施策の提案、実行を通じて、マネジメント層の職場改善を支援し、組織全体の健康度向上を図る
・ 安全衛生に関するコンプライアンスや予防対策の徹底
・ 重大な労働災害ゼロおよび労働災害防止への意識向上に向けた教育機会・安全衛生に関わる情報の提供

Financial Well-being

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 従業員に対する適正で公正な報酬によるエンゲージメント向上や経済的な安定の実現が提供できない場合、人材流出、ブランド価値の低下等のリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ マーケット水準(グローバル)の変動を踏まえた適切な報酬水準の設定。一部、専門性の高い職種においては個別の処遇制度を導入し柔軟かつ魅力的な処遇制度を実施
・ 報酬制度や財産形成の施策を通じた社員の資産形成の意識向上
・ 金融リテラシーの向上を目的とした学び環境の拡充

人権

リスク・機会の認識(注4)

<リスク>
・ 従業員・サプライチェーン等のステークホルダーの人権侵害が発生する場合、ビジネス機会の損失や、行政罰により企業の社会的信用の低下、人材流出等、多面的なリスクがある

2025年度に向けたアプローチ(主な取り組み)

<社内取り組み>
・ 継続的な人権教育の実施
・ 有識者ダイアログの実施
・ パートナー、お客様、NGOと連携した富士通の知見・テクノロジーによる人権尊重の促進と保護への貢献

事業インパクト

  • 人材基盤、人材ポートフォリオの強化など人的資本投資の拡大により、人材の価値を最大限に引き出し、持続的な価値創造・企業価値向上に貢献

社会インパクト

  • サプライチェーンにおける人権尊重、多様性の確保などの活動推進により、DE&I関連サプライチェーンリスクの軽減・回避につながる

注4:リスク・機会の認識は、マテリアリティ特定プロセスのStep1(社会課題の整理・抽出)における各種公開情報をもとに考察したもの