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Fujitsu

Japan

New Tech Trend with Solaris セミナーレポート
~次世代エンジニアのための最新ITトレンドとOS活用術~

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

現在、クラウドコンピューティングが注目され、ネットワークを介した多様なビジネスが生まれています。これらの実現には、高い性能、信頼性、さらに変化への迅速な柔軟性が不可欠です。
サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン社)と富士通は長年にわたる協業により、最先端テクノロジーを駆使して、ITインフラを提供してきました。
そしてこの度、両社は、次世代エンジニアを対象に、最新ITトレンドとSolarisの魅力を紹介するイベントを開催し、これからのITトレンドに対応しつつ、お客様のビジネスに貢献できることをご説明しました。

開催情報
日時 2008年11月6日(木曜日)14時~17時30分
会場 東京ミッドタウン・コンファレンスルーム
主催 サン・マイクロシステムズ株式会社
協賛 富士通株式会社
協力 アイティメディアイベント運営事務局
配布資料 Solarisテクノロジーの魅力と活用術
~事例とデモで紹介!Solarisの問題解決テクノロジー~
(706 KB)

イベント概要

Solarisの最新バージョンであるSolaris™ 10 は、最大512論理CPUのSMP構成に対応し、システムのボトルネックを可視化するDTrace、システム障害管理を容易にするFMA、ソフトウェアパーティショニング機能であるSolarisコンテナ、大規模なファイルシステムであるZFSなど、革新的なテクノロジーを備えています。
本セミナーでは、富士通より、大規模SMPによる性能向上や、FMAやDTraceの優れた効果について、具体的な事例やデモを交えてご説明しました。

「Solarisテクノロジーの魅力と活用術
~事例とデモで紹介!Solarisの問題解決テクノロジー~」

【512論理CPUの高性能を引き出すSolaris】

Solarisを搭載したSPARC Enterprise は、SMP構成により最大512の論理CPU(64CPU/256コア/512スレッド)をサポートした、スケーラビリティの高いプラットフォームです。
一般的に、SMP構成のプラットフォームの場合、論理CPUの増加に比例して性能が向上しますが、ある一定数を境にして、性能の伸びが鈍る傾向があります。 しかし、Solaris搭載のSPARC Enterpriseの場合、スループット性能がリニアに上昇するという非常によいベンチマーク結果が出ています。
これは、サン社と富士通がSolaris開発において相互に技術協力し、SPARC Enterpriseの高いスケーラビリティを活かすよう改善を続けてきた成果の1つです。

当社 サーバシステム事業本部
UNIXソフトウェア開発統括部
第一開発部部長
東 圭三

【FMAの魅力】

FMAはOSによるシステム情報の自動収集、診断機能です。システム障害管理を簡易化し、ダウンしにくいシステムを実現します。
例えば、ユーザ空間においてメモリのECC多bitエラーが発生した場合、Solaris™ 9以前では、発生したプログラムの停止やシステムの自動的な再起動が必要でした。
FMAを使用すると、故障箇所と交換部品情報等のエラー情報が的確に表示されます。さらに、エラー情報の中に記載されているURLからエラー詳細や対処方法を参照でき、システム管理者の管理作業を簡易化できます。
また、メモリ故障が顕在化していない状態でも、 全メモリのスキャン機能でエラーの有無を確認することができます。多bitエラーの時は即時、1bitエラーの時は多発時に、故障箇所を隔離して切り離すことができ、故障によるシステム停止を未然に防ぐことができます。

【DTraceの魅力】

DTraceはシステムにおけるパフォーマンス低下やエラー原因の解明を容易にする機能です。
これまでは、システム稼動中のまま、トラブルの原因を分析するのは容易ではありませんでした。さまざまなツールはあるものの、調査したいポイントに絞りこむことができず、加えて、ツール使用による性能劣化が生じていました。
DTraceは、あらかじめ70,000もの観測ポイントを提供しており、システムの稼動中に、カーネルまでをも含んだシステム全体を観測できます。有効にした観測ポイントとその関連動作だけに限定して観測できるため、性能への影響は最小限ですみます。さらに、C言語と類似したスクリプト言語“D”やコマンドラインを使用できるなど、システム管理者にとってのわかりやすさも追求しています。

【トラブルシューティング活用事例その1 「誰がメモリーリークしている?」】

プログラムのプロセスサイズが肥大化して、使用可能なメモリ領域が減少するトラブルを解決した活用事例をご紹介しました。
従来、このようなトラブルでは、調査ツールを使用して原因分析しなければならず、再コンパイル、起動スクリプトの変更、再起動が必要でした。加えて、実行時に大きなオーバーヘッドが生じるという問題もあり、お客様から稼動中のシステムの調査を拒否されることもありました。また、多数の開発者により開発されたプログラムであったため、ソースコードから原因を突き止めることも困難でした。
DTraceを活用すると、観測対象のプロセスを限定できることにより、少ないオーバーヘッドで、疑わしい関数呼び出しのスタックトレース情報を収集できます。しかも、その情報の収集はシステム稼動中にできます。本事例でも想定外のメモリ獲得をしているプロセスを突き止めることができました。

【トラブルシューティング活用事例その2 「誰が私のプロセスをkillした?」】

killされる(強制終了させられる)はずもないプロセスが突然シグナルを受けて中断してしまったトラブルの解決事例です。
Solaris 9までは、障害原因の調査のために、auditという監査機能を利用するのが一般的でした。
しかし、auditを利用するには、再起動が必要なうえ、大量のログ採取のための領域の確保、性能劣化という問題がありました。
DTraceを活用すると、このような問題を回避でき、システムを稼動させたまま、カーネル領域やユーザ領域のスタックトレースを表示できます。本事例の場合も、不正なシグナルの発行元を突き止めることができました。

【性能チューニング活用事例】

Solaris10では、DTraceを活用するための豊富なサンプルスクリプトとドキュメントが提供されています。
これらサンプルスクリプトを活用すると、デバックはもちろんのこと、システムのボトルネック解析やパフォーマンスチューニングなどが可能になります。
ご紹介した事例では、Oracle Databaseを搭載したシステムにおいて、I/O処理が性能ネックを発生していたことをDTraceで突き止めました。その結果、適切な対策を打つことでスループット性能を2倍に向上することができました。

当社 プラットフォームソリューションセンター
プロダクトテクニカルセンター
プロジェクト課長
志賀 真之

富士通とサン社は、高性能・高信頼によるプラットフォームと革新的な機能があるSolarisの融合により、これからの社会インフラを支えていきます。そして今後も、今回のような次世代エンジニア向けイベントを開催していく予定です。

セミナー内でご紹介している機能

紹介記事
ITmediaにおいて、本イベント内容が紹介されました。
サン社からの最新ITトレンドのご紹介の内容もご覧いただけます。
http://www.atmarkit.co.jp/ad/sun/0812_solaris/solaris0812.html