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企業の災害対策の現状と課題

基幹/業務システムのデータベースから、メール、文書、画像などの非構造化データ、Webサイトへのアクセス履歴に至るまで、企業で扱うデータはすべて貴重な資産である。これらのデータの損失は、企業活動に打撃を与え、直接的な損害をもたらすだけでなく、ステークホルダーとの信頼関係や社会的な信用を損ね、さらには新しいビジネス創出の機会をも奪いかねない。
企業資産であるデータをどのように保護すべきか。IDCの調査から企業が行っている災害対策を概観し、その課題を考察する。

(注) 本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1~999人以下、大規模の企業=1,000人以上と定義している。

災害対策の現状と課題

東日本大震災およびその後に続いた電力不足を機に、多くの企業が災害対策の重要性を再認識し、その見直しを図っている。IDCは、東日本大震災を契機に企業が2012年までにどのように災害対策を見直したかを調査している。

従業員規模別「東日本大震災を契機とした災害対策の見直し」(2012年までに実施)のグラフ

そのグラフを見てみると、企業規模に関わらず「自社のバックアップセンターの強化」「災害対策訓練の見直し」「自社のデータ保護システムや運用の見直し」と回答する企業が多い。大企業では、電力不足に備えて「ITシステムの省電力化」「非常用電力設備(燃料)の確保」などの見直しも積極的に行われている。また、「事業者データセンター利用の開始/強化」や「パブリッククラウドサービス利用の開始/強化」との回答も多く、電力不足に備えるのみならず、災害対策の一部を自社以外に委ねることで、データ損失のリスクを軽減しようとの考えが読み取れる。

では、企業は震災以降、ITシステムやデータに対し、どのような災害対策を実施/計画しているのだろうか。

従業員規模別「ITシステムやデータに対する災害対策(東日本大震災以後に実施/計画)」のグラフ

そのグラフを見てみると、「災害対策訓練の実施」との回答が一番多い。事前に災害対策を計画していても、有事の際に適切に対応できなければ意味がない。また、東日本大震災のときのように、地震、津波、原発事故など複数の災害が連鎖し、まったく想定外の状況に陥る可能性もある。この調査結果は、東日本大震災を教訓とし、日ごろから訓練を行って災害時に適切に対処できるようにすることで、実践的かつ有効な災害対策を実施しようという企業の意図の現れと言える。

「遠隔地でのテープ保管」「回線経由のリモートバックアップ」「サーバ(ソフトウェア)による遠隔地へのレプリケーション」などの回答率も高い。震災後電力不足の影響が広範囲に及んだことを考えると、重要なデータを守るポイントの1つとして、遠隔地でのデータ保護を多くの企業が実施/計画していることが伺える。

続いて、企業が抱えている『災害対策の課題』を見てみよう。

従業員規模別「災害対策の課題」のグラフ

多くの企業が「災害対策を実行するための予算の確保」を課題として挙げている。災害対策の重要性が再認識されてはいるが、IT予算が抑えられている現状では、災害対策のみを突出して大きく予算を確保することは難しいだろう。IDCは、『2012年度の災害対策予算の伸び』について調査しているが、予算が増えた企業は約3割に上るが、その一方で6割近くが横ばいと答えている。

また、「災害対策に関わる人員のスキルアップ」「災害対策に関わる人員の確保」といった、人的リソースに関する課題を抱えている企業も多い。これは、災害対策には、通常のストレージ管理とはまた異なる知識やスキルが必要であることを示唆している。

効率的なバックアップ手法が必須

災害対策としてまず検討すべきはデータのバックアップである。ところが、業務への影響を最小限に抑えながらバックアップを行うのは決して簡単ではない。IDCの『ストレージ管理の課題』の調査では毎年「バックアップ/リカバリーの効率化」との回答が上位に挙がる。

また、『バックアップの課題』という調査では、

  • バックアップ時間の短縮
  • バックアップデータ増加への対応
  • バックアップの成功率向上
  • 業務に影響を与えないバックアップの実現
  • バックアップの運用負荷の軽減
  • バックアップの運用コスト削減
  • リストア/リカバリー時間の短縮

といった課題を、多くの企業が回答している。

企業は、これらの課題に対してどのような解決策を講じているのだろうか。『バックアップの課題解決策(導入済み)』という調査の結果は次のとおりである。

従業員規模別「バックアップの課題解決策(導入済み)」のグラフ

「バックアッププロセスの見直し」をはじめ、バックアップソフトウェア、重複排除技術などさまざまな解決策が導入されているが、なかでもバックアップ統合に注目したい。
複数のストレージからバラバラにバックアップを行うと、運用・管理に手間がかかるだけでなく、バックアップの長時間化、データのバックアップ漏れといった問題が生じる。遠隔地にデータを保管する場合には、転送データが回線の帯域を圧迫し、通信費の増大を招く。

バックアップサーバにより複数ストレージからのバックアップを一括管理するのがバックアップ統合である。バックアップ統合を導入した企業を対象とした『バックアップ統合の成果』という調査では、約5割の企業が「バックアップ時間の短縮」と回答している。「リストア/リカバリー時間の短縮」「バックアップシステムコストの削減」との回答が約4割に上ることからも、バックアップ統合は、バックアップ時間の短縮、コスト削減に効果的なソリューションであることが分かる。

データの資産価値に応じた予算の確保とバックアップ手法

災害対策では予算の確保が一番の課題となる。災害発生時に、企業データの損失を防ぎ、災害による被害を最小限に食い止めるためには、災害対策の実施が必須である。だからといって、あらゆるデータをバックアップするのでは、コストや手間がかさむばかりで有効な対策とは言い難い。災害対策にあたっては、企業が持つデータの資産価値を評価し、その重要度から損失時に企業が被る損害額を見積もって予算確保の指標の1つにするとよいだろう。そのうえで、データの重要度に応じて、バックアップの手法や頻度、データの保管方法などを検討すべきである。

バックアップについては、バックアップ時間を短縮し、業務への影響を最小化するためのソリューションとして、「バックアップ統合」、「重複排除・圧縮技術」などの導入が有効である。また、場合によってはすべてを自社で賄うのではなく、データセンターへのアウトソーシングを検討してもよいだろう。
災害対策は重要であるが、無尽蔵にコストをかけられるわけではない。限られた予算の中でいかにデータを保護するか、バックアップやデータ保管についてさまざまな手法を検討することが重要である。

富士通のストレージソリューション

富士通のETERNUS製品は、「データ保護」「災害からのデータ復旧」という2つの視点から事業継続を支援するための機能を備えています。

ETERNUS DX ディスクアレイの「アドバンスト・コピー機能」は、バックアップ時間を大幅に短縮し、業務を停止せずに任意のポイントにおけるデータの複製を可能にします。
ETERNUS NR1000F seriesネットワークディスクアレイは、更新データの差分を管理することで効率的にバックアップデータを作成する「Snapshot機能」を備えています。
また、ETERNUS CS800 デデュープアプライアンスは、重複排除と圧縮により異なる拠点間での低コストで高速なバックアップを実現します。

なお、ETERNUS製品を使った災害対策ソリューションについては、「東日本大震災がもたらした事業継続管理の変化 富士通ストレージETERNUS を活用したデータ保護のアドバンテージ (253 KB)」もあわせてご参照ください。

掲載日:2013年7月30日

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