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第9回 Japan Storage Vision レポート

情報マネジメントの課題を解決し、ストレージ運用管理の効率化を検討する目的で、「第10回 Japan Storage Vision -経済変動期におけるストレージインフラの変革-」(IDC Japan主催/東京カンファレンスセンター品川/2010年2月9日)が開催された。本イベントでは、IDC JAPANより3名、ITベンダー側より5名が講演に立ち、これに続きSNIA-J(注)とIDC JAPANの共同セッションが展開された。

会場風景

本稿は、主催者であるIDC Japanの講演を中心に、現状の課題とそれを解決する技術、2010年のストレージの動向をレポートする。

(注)SNIA-Jとは:ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション(Storage Networking Industry Association 略称=SNIA)はストレージネットワーキング・ソリューションが幅広い市場に浸透するための教育、啓発、標準化を中心に活動、多くのユーザー企業と個人が参加している業界団体の日本支部(略称=SNIA-J)。

経済変動後のストレージ投資を展望する
~ストレージインフラ変革の現実的な方向性~

IDC Japan 株式会社 ストレージ/サーバーグループディレクター 森山 正秋 氏

IDC Japanの森山氏は、経済変動後のストレージ投資について以下のように報告した。

2009年度はリーマンショックの影響が尾を引き、企業のIT投資は対前年比8.2%減、ストレージ投資も対前年比9.8%減と落ち込む。2010年度も引き続き厳しい情勢が続くもののIT投資は前年比0.1%減、ストレージ投資が0.7%減とその下げ幅は縮小する。ますます増大する非構造化データに対する需要の伸びとこれに対応したストレージの新たな技術が、ストレージ運用に対する企業の価値観を変え、投資意欲を向上させるからである。とりわけ「ストレージの仮想化」、「シン・プロビジョニング」、「重複排除(デ・デュプリケーション)」などの技術は、投資の最適化、運用負荷の軽減、バックアップの改善、リソースの有効利用の面で有益であることが実証されつつある。初期投資が抑制される中で着実にこれらバックアップインフラを支える新技術の導入ベースは増えていくだろう。
一方、企業のIT投資パターンは「TCOの削減」を目的とした投資から「ビジネス・プロセスの改善やサービスレベルを向上させる」ための投資へと変化する。さらに新技術の導入先も、従来の大手製造、金融企業から中小、中堅企業へと拡がり、導入対象となるIT環境もシングルベンダー環境から2009年マルチベンダー環境へと移行が拡がっている。
提言として、「中長期的なロードマップを描き経済回復期を見据え、今から競争力強化に繋がるストレージインフラ戦略を構築することがユーザー企業には求められている」と述べた。

転換期を迎えたデータ保護運用~バックアップインフラの最適化を目指して

IDC Japan 株式会社 ストレージシステムズ マーケットアナリスト 高松 亜由智 氏

IDC Japan の高松氏は、1158社を対象としたバックアップ予算に関する調査結果を以下のように報告した。

IT投資が振るわない状況下でも調査対象企業の「41%が横ばい、45%が増加」と回答しており、バックアップ投資に対する積極的姿勢が存在する。この背景には、「データ増大への対応」とこれに伴う「バックアップやリストア効率の改善」に対するニーズの高まりがある。確かに景気後退の影響でプロジェクトの延期・凍結を余儀なくされ古いシステムを延命している企業も多いようだ。しかし、時としてこれはバックアップ運用の"非"効率化やデータ保護レベルの低下を招きかねない。逆にバックアップシステムの見直しや統合化を図った企業においては運用コストを削減できることが実証されている。
提言として、「2010年はバックアップインフラを見直す「転換期」である。「段階的にバックアップ統合」を進め、「容量の効率化を図る新たなテクノロジー」を導入し、「アウトソーシング可能なアプリケーション」を検討することが望まれる。効率化、運用コスト削減、データ保護レベルの向上を実現するために手を休めてはならない」と述べた。

「システム全体最適化の実現を支援するストレージソリューション」
~変化に即応できるストレージ基盤の確立~

富士通株式会社ストレージシステム事業本部 本部長代理 松島 等 氏

富士通の松島氏は冒頭で、市場環境の変化に対して2つの視点より、ITインフラの変革に取り組んでいく重要性を語った。 1つ目は、経済環境が悪化する中、IT投資は引き続き抑制され、コスト削減、運用スリム化・効率化のニーズはますます高まるであろう。これに伴い企業にはコンプライアンスに対応し競争力を強化していくための、ITを駆使した「攻めの経営」が求められる、といった点。
2つ目は、パンデミック対策に見られるような事業の継続性を確保するための計画見直しが求められている。さらに地球温暖化や環境破壊などは焦眉の課題でありITそのものが何らかのメッセージを発信しなければいけない。したがって、企業は「社会的責任」という視点に立ったITインフラの変革を実行していく必要性がある、といった点である。
これに続けて松島氏はコスト削減・運用スリム化、事業継続性の強化、グリーンITを支援する富士通のストレージ ソリューションを以下のように紹介した。
アクセス頻度が低いディスクの回転を止め、必要な時だけ動かすエコモードについて。例えばSymantec社のStorage Foundationとの連携は情報ライフサイクル管理(ILM)を提供し、これによりアクセス頻度の低いファイルは、エコモードに設定したボリュームに配置することで、データの使用効率が向上する。またOracleDB 11gとの連携では、まず、性能・信頼性重視のRAID1+0で管理していた古いデータをRAIDマイグレーションにより、コスト効果の高いニアラインディスクへ移動する。そして、信頼性・容量重視のRAID6へ変更することで、容量効率を高めつつ、エコモードにするなど、ストレージコストの最適化と消費電力量の削減を実現する。
重複排除(デ・デュプリケーション)機能は、その適用範囲を業務拠点とバックアアップセンター間に拡げることで、ネットワーク帯域を有効に活用できるようになる。富士通ではデータセンターの自動化、最適化にあたり「見える化」、「標準化」、「統合・仮想化」、「自動化」という4つのプロセスの中でもとりわけ、従来業務の「見せる化」、「標準化」が最重要であると捉え、その上で統合化、自動化がよりスムーズになると見ている。各プロセスではハードウェアのさまざまな機能に加え、仮想管理ミドルウェア ServerView Resource CoordinatorやETERNUS SF シリーズを擁して、今後もユーザー企業を支援していく考えである。

以上のように、ストレージ運用管理の効率化を検討する目的とした本イベントは、企業の戦略的投資の必要性を訴え、ストレージを効率的に運用する技術が実用段階にきているといったことで締めくくられた。
2010年、その課題解決の大きな柱となる「仮想化技術」やIT全体の流れを変える「クラウド」に対して、ベンダーはソリューションを進化させ支援しつづける必要があるだろう。

富士通のストレージ・ソリューション

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掲載日:2010年3月31日


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