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第7回 サーバ仮想化におけるストレージ管理の課題
~仮想化導入後に浮かび上がるストレージ管理の課題とは~

ITの世界では仮想化や統合が大きな潮流となっており、大規模はもちろん、中小規模レベルの企業でも導入が見られるようになった。この仮想化、現在はサーバを対象としたものが中心だが、ストレージの仮想化も見られるようになっている。そこで、第7回と第8回で仮想化を取り上げたい。今回はサーバ仮想化におけるストレージの選択について。サーバ仮想化においてはストレージの「性能維持」と「容量」が大きな課題となっており、それがなぜ生じたかを確認してみたい。

(注)本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1人~999人以下、大規模の企業=1000人以上と定義している。

複数サーバを統合する「仮想化」

仮想化とは1つのリソースをあたかも複数あるかのように見せる技術であり、例えばサーバ仮想化でいえば、1台のサーバを仮想的に複数に見せることである。仮想化を導入することでサーバルームに乱立したサーバを集約することができる。数十台あるいは数百台ものサーバを、わずか数台に集約できるのだから、サーバ運用が極めて効率化される。数が少なくなると、セキュリティレベルの維持も楽になる。
物理的にサーバ台数が減るのだからコストダウンになる。省スペースや省電力になり、これもコストダウンにつながる。また、省電力はグリーン化にもなり、環境への負担を考慮して仮想化を導入する企業も増えてきた。

以上のようにいいことずくめのような仮想化だが、盲点もある。仮想化環境におけるストレージだ。サーバのことばかりに頭がいっぱいになって多くの場合、ストレージを忘れがちなのである。サーバ台数が減るのだから、ストレージ台数も自動的に減るのではないかと楽観視される方もいる。

では、サーバ仮想化環境におけるストレージ管理の課題を調査結果から確認してみたい。

仮想化の課題は「性能維持」と「容量」

サーバ仮想化環境でのストレージ管理の課題を、「仮想化導入済み企業」と「計画/検討中企業」で比較してみた。

「仮想化導入済み企業」と「計画/検討中企業」、ともにトップは「性能維持」。続いて「データ量の増大」「バックアップ/リカバリの高速化」が続いている。
特に導入済み企業においては、「性能維持(44.4%)」と「データ量の増大(41.7%)」ともに、半数近くが課題としてあげている。さらに、計画/検討中企業と比較すると、これら課題はそれぞれ約1.3倍に増えており、この増え方もほかの課題と比べてダントツに大きい。この2つは、導入してから大きな課題として浮かび上がったことがわかる。

性能が課題となるのはDASやNASが原因?

では、サーバ仮想化を導入した企業はどのようなストレージシステムを利用しているのだろうか。

次のグラフによると、「内蔵型DAS」が導入済みの中ではもっとも多く49.7%。ほぼ半分である。引き続いて「NAS(40.9%)」「外付型DAS(39.6%)」「FC-SAN(29.5%)」の順となっている。
内蔵型DASのように物理サーバと1対1の関係では、仮想化された複数サーバからアクセスが集中すると、性能の劣化が生じる。NASの場合は既存ネットワークを利用するので、回線スピードがDAS以上にネックになりやすい。
このようなDASやNASの利用は「性能維持」が課題にあげられる原因になっているのかもしれない。

これを解消できるのが高速ネットワークを使用する「FC」や「iSCSI」だ。「2年以内に導入」や「検討しているが時期は未定」を合わせると、FC-SANが18.1%、iSCSIが26.8%と導入意欲が高い。VMware®やHyper-V™などサーバ仮想化のメリットを最大限に発揮するために、外付けストレ-ジを導入し、FCやiSCSIによる構築を考えている人が多いようだ。

容量は中小では5TB未満、大規模では10TB未満

次に容量はどうだろうか。外付型ディスクストレージシステムの容量を、大規模と中小規模に分けて確認してみる。

中小規模では「500GB~1TB未満(34.5%)」と「1~5TB未満(32.8%)」が多い。中小規模では8割近くは5TB未満であり、「500GB未満」も10.3%ある。
これが大規模になると「1~5TB未満(34.5%)」が中心で、「500GB~1TB未満」と「5~10TB未満」が同率20.7%で追っている。

意外とストレージ容量が少ない。この程度の量だから、「データ量の増大」が課題となるのだろう。

サーバ仮想化において、ストレージはともすれば忘れられやすい存在だ。これもあって、多くのSIベンダーはストレージに注目するよう訴えている。また実機を利用したシミュレーションが可能な検証センターを用意しているベンダーもあるので、接続性の確認をはじめ、安定稼働や性能に関して不安をお持ちの方は、是非利用をおすすめしたい。

富士通の仮想化への取り組み

富士通のストレージ・ソリューション

書庫探コンテンツ情報

掲載日:2009年11月11日


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