2011年9月13日
さて、前回までにゲストドメインの作成が終わりましたが、物理サーバと同様にゲストドメインにもOSをインストールする必要があります。今回はゲストドメインを起動して、OSをインストールしたいと思います。
まずはldm list-domainコマンドで、ドメインの状態を確認しましょう。
SPARC Enterprise T5120# ldm list-domain
NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME
primary active -n-cv- SP 8 3968M 0.2% 18h 37m
ldom1 inactive ------ 8 2G
ldom1が"inactive"になってますね。では、このldom1を起動してみましょう。
ldm bind-domainでリソースをバインドしてから、ldm start-domainで起動します。これまで仮想CPUやメモリなどの設定をしてきましたが、バインドした時点で初めて各リソースがそのドメインに割り当てられます。
SPARC Enterprise T5120# ldm bind-domain ldom1
SPARC Enterprise T5120# ldm start-domain ldom1
LDom ldom1 started
SPARC Enterprise T5120# ldm list-domain
NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL UPTIME
primary active -n-cv- SP 8 3968M 9.4% 18h 37m
ldom1 active -t---- 5000 8 2G 12% 2s
ldm list-domainで、ldom1の"STATE"が"active"になっているのを確認してください。
ゲストドメインの起動が確認できたら、ゲストドメインのコンソールへ接続しましょう。コンソールに接続するには、ldm list-domainの"CONS"の欄の ポートを使用します。
自分自身(localhost)に上記で確認したポート番号を指定してtelnet接続します。
SPARC Enterprise T5120# telnet localhost 5000
Trying ::1...
telnet: connect to address ::1: Network is unreachable
Trying 127.0.0.1...
Connected to localhost.
Escape character is '^]'.
Connecting to console "ldom1" in group "ldom1" ....
Press ~? for control options ..
{0} ok
ログインしたらokプロンプトが表示されることを確認してください。
ついでに、デバイスエイリアスも確認しておきましょう。設定した仮想ディスク、仮想ネットワークのエイリアスが表示されます。
{0} ok devalias
cdrom /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@1
vdisk0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0
vnet0 /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0
net /virtual-devices@100/channel-devices@200/network@0
disk /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@0
virtual-console /virtual-devices/console@1
name aliases
ゲストドメインも通常のサーバと同様にOSをインストールする必要があります。
ここでは、ISOイメージを仮想ディスクとして割り当てていますので、このISOイメージ(仮想ディスク名:cdrom)からBootしてOSをインストールします。
{0} ok boot cdrom
Boot device: /virtual-devices@100/channel-devices@200/disk@1 File and args:
SunOS Release 5.10 Version Generic_142909-17 64-bit
Copyright (c) 1983, 2010, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
Configuring devices.
Using RPC Bootparams for network configuration information.
Attempting to configure interface vnet0...
Skipped interface vnet0
Reading ZFS config: done.
Setting up Java. Please wait...
Serial console, reverting to text install
Beginning system identification...
Searching for configuration file(s)...
Search complete.
Discovering additional network configuration...
以降のインストールは通常の物理環境と同じです。対話形式で各値を設定していきます。インストールが終わるまでしばらくお待ちください。
OSインストールが終わるとログインプロンプトが表示され、インストール時に設定したrootパスワードでログインできます。物理サーバと同じですね。
t5120-ldom1 console login: root
Password:
Oracle Corporation SunOS 5.10 Generic Patch January 2005
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以上でゲストドメインの作成からOSインストールまで完了です。これでOracle VM Server for SPARCを用いた仮想環境の構築は一通りできました。
次回からは作成した環境を使って、便利な使い方や運用方法などを紹介したいと思います。
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