企業の日々の業務運用を支える基幹システムは、停止するとビジネスに大きな影響を与えるため、24時間365日の安定稼働が求められています。富士通のUNIXサーバは、オラクル・コーポレーション(以下オラクル社)との協業によるハードウェアとOSの一体となった開発により、ミッションクリティカルなシステムにふさわしい安定運用を実現します。
富士通のSPARC/Solarisサーバは、SPARC64™プロセッサをはじめとするハードウェアを富士通が開発し、OSはオラクル社が開発しているOracle Solarisを採用しています。
富士通は、1998年からOracle Solarisを採用したサーバを開発しています。富士通のSPARC/Solarisサーバは、Oracle Solarisの進化と共に発展してきました。富士通とオラクル社が協業することにより、ハードウェアとOSの一体開発が行われ、SPARC/Solarisサーバは親和性が非常に高く、最大限のパフォーマンスを発揮します。
SPARC/Solarisサーバはマルチコア・マルチスレッドを安定して効率的に活用できるように作られているため、OSをチューニングしなくともCPUを無駄なく活用します。さらに、すべてのスレッドがCPUリソースを使い切っている状態でも、SPARC/Solarisは安定動作します。
システムの高負荷時では、Oracle Solarisの安定性が顕著に表れます。
大量のプロセスを効率よく処理し、リソースを有効活用しながら、高負荷状態でも安定したレスポンスを維持する堅牢性を実現していますが、Oracle Solaris以外のOSの場合は、同じようにCPUを使い切ることができません。
SPARC M10の並列演算処理性能を、NTTデータ、NTTデータ数理システム、富士通の3社で検証し、本テクニカルペーパーにまとめました。リーグ戦の対戦スケジュールを作成する難解な「スポーツスケジューリング問題」を、富士通のUNIXサーバ SPARC M10と、NTTデータ数理システムの「Numerical Optimizer」で解き、SPARC M10が持つ線形なスケーラビリティを証明します。
SPARC/Solarisサーバが提供する仮想化機能「Oracle VM Server for SPARC」は、仮想化による性能オーバーヘッドがほとんどありません。そのため、他のOSと比べて、サーバリソースを有効的に活用できます。
SPARC/Solarisサーバでは、ハイパーバイザーがハードウェア層で動作します。ハードウェアがCPUやメモリのID・アドレスを指定して、直接ゲストドメイン(仮想サーバ)に割り当てるため、性能のオーバーヘッドがありません。これはハードウェアとOSを一体開発しているSPARC/Solarisサーバならではの仕組みです。
オラクル社が提供しているOracle VM Server for SPARCを、基幹システムを支える富士通のUNIXサーバ SPARC M10へ採用するために、富士通とオラクル社が共同でOracle VM Server for SPARCの追加機能を開発しています。
基幹システムに最適なインフラを提供する富士通の高信頼へのこだわりは、ぬかりありません。
主に3つの機能が、SPARC M10搭載用のOracle VM Server for SPARCに採用されています。
Oracle Solarisは、20年以上に渡りバイナリ互換を維持してバージョンアップしています。お客様のアプリケーション資産を、最新のOS/ハードウェアでも稼動できるように、長年にわたり互換性を維持しているため、基本的にアプリケーションはそのまま使用することができます。
一方、LinuxのLKM(Loadable Kernel Module)が提供しているAPI(Application Programming Interface)や、ABI(Application Binary Interface)は、バージョン毎にデータ構造や機能に非互換があります。さらに、一部のドライバをカーネルに内包しているため、システム全体に影響する可能性があり、バージョンアップのたびに互換性検証が必要になります。
掲載日:2017年8月16日