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Fujitsu

Japan

自社開発が可能にするSPARC Enterpriseのテクノロジー

SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。
本製品の後継機種はSPARC Serversです。

SPARC Enterprise™は環境に配慮した製品設計を行っています。これは自社で開発しているからこそ実現できる省エネ設計です。

最先端の半導体技術により省電力を実現 -プロセッサ開発-

富士通は最先端の半導体テクノロジーを採用し、ビジネスサーバ向けのプロセッサを設計/開発しています。高性能化・低消費電力化を両立しながら、進化を続けています。

SPARC64

プロセッサは周波数を向上させることで性能向上が可能ですが、多くの場合、それと同時に消費電力が増加してしまいます。この消費電力と性能の問題を解決するのが、マルチコア・マルチスレッドプロセッサです。
マルチコア・マルチスレッドプロセッサでは、動作クロックを上げて処理能力を高めるのではなく、多くのスレッドで複数の処理を並列で行うことにより、単位時間当たりの処理能力を向上させます。それにより消費電力の増加を抑えつつ、処理性能を大幅に向上させることが出来ます。

SPARC Enterpriseに搭載しているマルチコア・マルチスレッドプロセッサは、並列処理によるプロセッサ性能の向上と、消費電力を削減するためのテクノロジーにより、「高性能」と「低消費電力」という相反する要件を両立させています。

コアあたりの消費電力

消費電力で比較すると、その進化は著しいものがあります。

SPARC64 VIと、SPARC64 VII+では、2.4倍のシステム性能向上注1を実現しながらも、コア当たりの消費電力を最大41%削減することに成功しています。

3年間という期間で、ここまでの進化を遂げ、低消費電力化も実現したCPU開発ができるのは、富士通の高度な技術力が成し得る賜物です。

冷却への徹底したこだわり -冷却技術-

富士通が自社開発しているのは、プロセッサだけではありません。

SPARC Enterpriseは、サーバの設計段階においても、冷却効果の向上に取り組み、冷却ユニットを含めたサーバ内部のレイアウトを考えています。
CPUやメモリなど、発熱量が大きい部分を集中的に冷却するために、一部のモデルではエアダクトを採用しています。また、部品を一直線に配置して冷却を行うストレートクーリング技術や、小分けに冷却を行う冷却グループの分割運用など、効率的な冷却技術を生み出しています。冷却シミュレーションを繰り返し行うことで、冷却機能を最適化しています。

エアダクトによる冷却効率の向上とストレートクーリング技術

サーバ内部の温度に応じてリアルタイムに冷却ファンをコントロールすることで、低消費電力で効率的な冷却を実現しています。
冷却ファンの回転速度は、最大で9段階のきめ細かい多段階制御を取り入れ、高速回転時と比較して低速回転時は50%以上の消費電力削減を実現しています。

ファン回転速度の多段階制御による節電効果

サーバ内は複数の独立した冷却グループに分割されているため、サーバの発熱温度に合わせて部分的にファンを回転させることができます。ファンの回転速度と、冷却グループの分割運用で、必要な部分を必要なだけ冷やすことができるので、消費電力の削減だけでなく、静音性も向上しています。

省電力部材を徹底追及 -省エネ部材採用-

環境に配慮したサーバを開発するためには、部材採用でも妥協は許されません。

SPARC Enterpriseでは、記憶装置としてHDDのほかに、SSD、PCI Expressカードタイプのフラッシュモジュールを採用しています。これらはHDDと比較して、モーターなど駆動部分がないため、少ない電力で稼働します。アイドル時における電力は、ほぼゼロに等しく、HDDと比較して99%の消費電力が削減できます。

SSDとHDDの消費電力(アイドル時)比較

また、メモリ・モジュールでは一部モデルにDDR3を採用しています。DDR3メモリは、DDR2メモリよりも低電圧で動作するため、消費電力の削減が可能です。

企業としての責任を果たす -コンプライアンス-

SPARC Enterpriseは全モデルにおいて、省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)で達成しなければならない目標基準値を達成しています。

環境配慮型製品の開発をさらに強化していくために、富士通では「製品環境グリーンアセスメント規定」を制定し、環境にやさしい製品の開発強化に取り組んでいます。

(注1):SPECint®_rate2006ベンチマークによる比較