Skip to main content

Fujitsu

Japan

事業拡大、トータルSCMへの対応を目的に受発注システムを刷新
サーバ統合と将来の拡張性を実現、ベーカリー事業の未来を拓く

株式会社アンデルセンサービス様 導入事例


パンのある心豊かな暮らしを展開するアンデルセングループ。同グループの事業基盤を担うアンデルセンサービスでは、ビジネスの起点となる受発注システムを「SPARC Enterprise™」で刷新。新たな業務サービスも集約してサーバを統合し、将来を見据えた拡張性も確保しました。

2010年12月20日掲載/ 印刷用 PDF版ダウンロード (1,009 KB)

導入事例概要
業種: 食品
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M3000, T5120(注)
PCサーバ PRIMERGY RX100, RX300
ストレージ ETERNUS2000
ソフトウェア: ビジネスアプリケーション基盤 Interstage
データベース Oracle Database 11g Enterprise Edition
統合管理ソフトウェア Systemwalker
高信頼性基盤 PRIMECLUSTER

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「長年UNIXサーバを使っていますが、最新モデルではプロセッサのマルチコア化や仮想化への対応など機能が非常に洗練され、ハードウェアやOSの完成度が上がっていると感じています。また、オラクル社(旧サン社)との共同開発製品であり、世界中のユーザが採用していることも、安心感を深めています。SPARC Enterprise M3000はコストパフォーマンスが高いマシンだと思います」

本場ヨーロッパの伝統的なパンづくりをお手本にパンの製造・販売を展開するアンデルセングループ。同グループの事業基盤を支えている株式会社アンデルセンサービス(以下、アンデルセンサービス)では、グループ全体のICTインフラの全体最適とオープン化に取り組んでいます。ビジネスの起点となる受発注システムでは、事業拡大によるデータ量の増大や次世代トータルSCM(Supply Chain Management)への対応が課題となっていました。新たな業務サービスを追加しつつサーバを統合し、さらに将来の拡張性にも応える性能と信頼性を実現するために、新プラットフォームとして「SPARC Enterprise」を導入。今後、周辺システムとの密な連携を促進し、同グループのさらなる成長を支えていきます。

課題と効果
1 事業拡大、業務追加、次世代トータルSCMに対応するべく性能を強化したい。 既存システムに比べ、アプリケーションサーバは2.3倍、データベースサーバは3.5倍に処理性能が向上。業務集約、バッチ処理時間の短縮を実現。将来の拡張性にも応える。
2 事業のベースとなる受発注システムのため、さらなる信頼性の向上を図りたい。 ハードウェアやOSの機能が向上した最新「SPARC Enterprise M3000」によりさらに信頼性が向上。アンデルセングループの成長を支える。
3 サーバ統合により運用管理の効率化、TCOの削減を実現したい。 従来のサーバ3台から2台に削減。メインフレームで稼働していた在庫管理システムなども新規サーバに追加。コストパフォーマンスの高い「SPARC Enterprise M3000」によりTCOを削減。

本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

トレーサビリティやリアルタイム性の向上を図る次世代トータルSCMの実現へ

株式会社アンデルセンサービス 執行役員 システムサポート部 部長 堀尾 紀昭 氏

人を幸せな気持ちにする焼き立てのおいしいパンの香り。デンマークの童話作家の名前を冠するアンデルセングループは、ヨーロッパを源流とする本格のパンとともに、パンのある豊かな暮らしを提案しています。現在、同グループの店舗数は小売直営店の「アンデルセン」をはじめ、フランチャイズチェーン店を含めて約450店舗。そして、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの量販店、レストランやカフェチェーンなどへの卸業も広く展開しています。また、日本初のデニッシュペストリー(デンマークのパン)の販売、セルフサービスでのパン販売方式の採用、冷凍パン製法の開発、高齢者向け食パンの販売など新しい試みも積極的に取り組んできています。

同グループの躍進を基盤で支えているのがアンデルセンサービスです。同社の業務内容は、総務、人事、財務からコンプライアンス、システム開発まで多岐に渡っています。近年、システム面での最大のテーマが、全体最適と基幹システムのオープン化です。「これまではグループ各社ごとに個別最適をおこなってきましたが、グループ全体でのTCO削減、運用管理の効率化などを推進するためには全体最適が不可欠です。現在、受発注から生産、調達、製造、在庫、出荷などの各システムが有機的に連携する次世代トータルSCMの実現に取り組んでいます」と、同社 執行役員 システムサポート部 部長 堀尾紀昭氏は語ります。

同社の次世代トータルSCMにおいて重要な目的の1つがトレーサビリティの強化です。「原材料、パン生地、発酵、パン焼きの工程、配送といった過程で、パンは温度等の条件を受けながら形を変えていきます。それだけに品質管理は難しい。各プロセスにおける食材管理や温度管理などを含めて一元的に品質管理を実現していくトレーサビリティを目指しています」。次世代トータルSCMでは効率性の追求や、リアルタイムな情報活用による売上拡大も大きなテーマとなっています。こうした次世代トータルSCMの起点となる受発注システムには、より高い性能と信頼性が必要でした。

導入の経緯

次世代トータルSCMの要となる受発注システム

既存の受発注システム「Andersen group Order System(AOS)」は、富士通のUNIXサーバ「PRIMEPOWER」で構築していました。「ミッションクリティカル業務への豊富な導入実績や、優れたマルチスレッド処理による安定した性能確保、スクリプトで記載した処理がWindowsよりも速いなどUNIXサーバを評価していました。また、メインフレームを利用することで築いてきた富士通への信頼もポイントになりました」と、堀尾氏は採用の理由を話します。

小売直営店やチェーン店に対する原材料の提供や、量販店などへのパンの製造・卸を実施している同グループのタカキベーカリーにおいて業務の中核を担っているのが、受発注システムです。グループの事業拡大によるデータ量の急増や、トータルSCMなど情報活用の必要性が高まったことで、受発注システムにおける将来を見据えたハードウェアの性能向上が不可避となっていました。「当時、データ量の増大などによりバックアップ処理に多くの時間を要し、保守作業のために1時間しかとれない状況でした。また、メインフレーム上の業務や新規システムをサーバ集約することでコスト削減効果も実現できることから受発注システムの刷新を決断しました」と、堀尾氏は振り返ります。この決断の背景には、「SPARC Enterprise」に対する高い評価がありました。

導入のポイント

ハードウェアとOSの機能が向上した「SPARC Enterprise」を高く評価

「長年UNIXサーバを使っていますが、最新モデルではプロセッサのマルチコア化や仮想化への対応など機能が非常に洗練され、ハードウェアやOSの完成度が上がっていると感じています。また、オラクル社(旧サン社)との共同開発製品であり、世界中のユーザが採用していることも、安心感を深めています。SPARC Enterprise M3000はコストパフォーマンスが高いマシンだと思います」(堀尾氏)。

2009年8月より「PRIMEPOWER」「メインフレーム」の業務を順次「SPARC Enterprise」へ移し、2010年2月に完全移行しました。新受発注システムは、データベースとアプリケーションサーバとして「SPARC Enterprise M3000」、ストレージは「ETERNUS2000」に刷新。従来3台のサーバで動作していた業務を2台に統合し、さらに受発注システム以外に、メインフレームで稼働していた在庫システムや、システムの老朽化が進んでいたDWH(Data WareHouse)なども集約しました。また、サーバの冗長化により、信頼性も向上しています。

システム構成図

導入効果と今後の展開

サーバ統合した上でパフォーマンスも大幅に向上

既存システムに比べ、アプリケーションサーバは2.3倍、データベースサーバは3.5倍の処理性能を実現。新たな業務追加やサーバ統合を実施した上でパフォーマンスも大幅に向上し、将来の拡張性も確保できました。また、懸案だったバックアップ処理時間の短縮も図れました。「従来、3時間を要したバックアップ処理が1時間40分で終了しています。また、1時間しかとれなかった保守時間が、ジョブ処理のスピード向上と運用の工夫により約5時間まで延長可能になりました」(堀尾氏)。

受発注システムでは、EDI(Electronic Data Interchange)経由やWeb受発注端末から受注が行われ、データベースのトランザクションに蓄積されます。ある一定の時間に、同時に複数の量販店から受注データが届くケースも多く、複数業務を多重で処理する必要がありました。「従来は複数の業務が重なると遅延が起こることもありましたが、現在は多重度があがってもパフォーマンスが落ちることなくスムーズです。性能的に今後の業務サービスの追加にも十分対応できます」と、堀尾氏は笑顔で話します。

サーバ集約による運用管理コストの削減、省スペース・省電力設計によるグリーンICT対応の強化も実現。さらに開発環境にはSolarisコンテナを活用し、業務ニーズに応じた迅速なサービス提供が可能になりました。

今後の展開について「受発注システムを起点とした周辺システムとの有機的な連携がこれからの課題です。たとえば、リアルタイムにその日の前年比や在庫の状況などが把握できれば事態を打開する対策もタイムリーに打てます。商品開発への情報活用も重要なテーマです。また、富士通のデータセンターを活用してアウトーシングや災害対策を実施していますが、今後もさらに強化していきたい」と、堀尾氏は語ります。

食卓に笑顔を届けるアンデルセングループ。その基盤を担うアンデルセンサービスのニーズに、富士通はこれからもしっかりと応えていきます。

【株式会社アンデルセンサービス様 会社概要】

所在地 〒730-0045 広島市中区鶴見町2-19 ルーテル平和大通りビル
従業員数 93名(2010年5月現在)
事業内容 総務や人事、財務、会計、品質保証、システム開発などアンデルセングループ内の専門業務を担当
株式会社アンデルセンサービス様 ロゴ
アンデルセングループ アンデルセン(小売直営店舗)、マーメイドベーカリーパートナーズ(フランチャイズチェーン事業)、タカキベーカリー(パンの製造、卸売事業)、アンデルセン・パン生活文化研究所(グループ全体の戦略統括)、アンデルセンサービス
URL http://www.andersen-group.jp/

【お問い合わせ】

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。