富士通では、オープンソースソフトウェアであるLinuxをICTシステムの基盤OSの1つと位置づけ、ミッションクリティカルシステムに向けた機能強化のために富士通のノウハウを開発コミュニティーに提供、貢献しています。また、Linuxを基幹系システムで利用するための技術開発を続けています。
保守性の強化 | 拡張性の強化 | 信頼性の強化 | Linux OSサポートの充実 | インストール支援ツールの提供 | RHELの仮想化機能の提供 | 検証/評価
基幹システムにおいてトラブル発生時の迅速な原因究明は必要不可欠です。原因究明に必要なダンプ採取の失敗はトラブル調査の長期化に繋がります。富士通はLinux開発コミュニティーと連携してダンプ機能の継続的な改善に取り組んでいます。 Red Hat Enterprise Linux 5から取り込まれたkdumpについても、基幹IAサーバPRIMEQUESTや PCサーバPRIMERGYと各I/Oデバイスとの組合せ検証を行い、十分な品質を確保しています。さらにPRIMEQUESTでは、メインフレームクラスのサーバのみが備えるスタンドアロンダンプ(sadump)を提供しています。sadumpは、Linuxに標準装備のダンプ機能では採取できないタイミングでのダンプも採取することが可能です。
(注1)RHEL : Red Hat Enterprise Linux
大規模基幹システムでは、ストレージなど周辺装置を大量に接続する必要があります。従来のLinuxでは接続できるデバイス数に制限があったため、たとえば冗長化や負荷分散のためにサーバ-ストレージ間をマルチパス接続する必要がある場合などに論理ボリューム数が不足するなどの問題が発生していました。富士通はこの問題を解決するためOSで扱えるデバイス数の拡大に取り組み、1万以上のデバイス接続を可能としました。またデバイス保守時に必須となるデバイス名の一貫性保証機能やマルチスレッド環境でのトータル処理性能を改善するスレッドセーフ機能の実現にも貢献しています。
富士通の高信頼ソフトウェア「PRIMECLUSTER(プライムクラスタ)」とハードウェア、OS、およびHBA閉塞ドライバの連携により、クラスタの現用待機切り替え時間を大幅に短縮しました。
富士通では、Linuxによる基幹システムを安心安全にお使いいただくために、Linux OSサポートを継続して改善しています。例えば、サポート対象のOSコマンドを順次拡大し、商用unixでのOSサポートと同等レベルとする予定です。
また、OSC(注1)がお客様のLinuxシステムの安定稼動と円滑な保守運用を支援します。
(注1)One-stop Solution Center(SupportDeskご契約のお客さま専用の総合サポートセンター)
システム構築におけるOSインストール作業について、設定や手順を誤りなく簡単に行うためのツールを提供しています。
OSをインストールするにはServerView Installation Manager(SVIM)を使用します。SVIMは以下の操作を一括して行うセットアップ支援ツールです。
富士通ミドルウェアが必要とするOSパッケージ、および富士通がOSサポートを行う上で必要となるOSパッケージのインストールとシステムパラメタなどのOS設定を簡単に行うツールです。本ツールの利用により、簡単に富士通推奨のシステム構成にすることができます。
Red Hat Enterprise Linux のVirtualization(バーチャライゼーション)機能として、RHELではKVM(Kernel based Virtural Machine)が利用できます。
FUJITSU Digital Transformation Center は、富士通の最新のプラットフォーム製品をそろえた国内最大規模のショールーム / 検証サポート施設です。OSSの整合性や性能等を検証する場としてご利用いただけます。
当施設では、クラウド・コンピューティングを支える最新のテクノロジーをはじめ、仮想化技術やサーバ統合などのICTインフラの最適化、導入後のライフサイクルを通した統合管理による運用最適化などを、実機やネットワーク経由で検証/ベンチマーク、デモンストレーション、セミナーなどを通してお客様に確認・体感いただけます。