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Fujitsu

Japan

富士通サーバ ISV/IHV技術情報
データセンターの空調最適化により、お客様に安心とTCO削減をはじめ環境負荷低減にも貢献 [第4回 最適な環境構築]


シュナイダーエレクトリック株式会社 様

2014年5月20日

Green IT

はじめに


シュナイダーエレクトリック株式会社
ビジネス・デベロップメント
プロダクトマネージャー
水口 浩之氏

前回は、IT機器にとって最適な環境とはどのようなものかについてご紹介しました。
では、最適な環境はどのように設計すれば良いのでしょうか?
また、一般的なサーバルーム用の空調を更に効率を高める手法とは?
「第1回 排気量と風量」Open a new window「第2回 冷却方式」Open a new window「第3回 最適な環境とは」Open a new windowに引き続き、モジュール式の設備アーキテクチャーにより、データセンターの電源/冷却設備を迅速かつ容易に設計/展開可能なソリューションをお持ちの、シュナイダーエレクトリック株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:セルジュ・ゴールデンベルグ、以下、シュナイダーエレクトリック)水口 浩之氏に、シュナイダーエレクトリックが長年にわたってデータセンターの冷却効率を高めるための様々な研究結果から生まれた設計ツールなどにも少し触れながら、IT機器にとって最適な環境の構築方法について、お話しを伺いました。 第4回は「最適な環境構築」についてです。

「第1回 排気量と風量」Open a new window「第2回 冷却方式」Open a new window「第3回 最適な環境とは」Open a new windowも合わせてご覧ください。

ソリューション提案

最適な環境構築

簡単に行える、自社開発の空調シミュレーションツール「EcoStream」

シュナイダーエレクトリックでは、空調機を取り扱いはじめてから、ずっと自社開発のシミュレーションツールを使い続け、それを進化させてきました。
データセンターを構築するうえで考えなければならない点は、「第1回 排気量と風量」、「第2回 冷却方式」、「第3回 最適な環境とは」で説明しましたが、IT機器は前面から冷気を吸気し、背面から熱い空気を出す仕組みになっており、それを搭載したラックが多数並ぶということです。これをシミュレーションツールに落とし込んだものを全世界のシュナイダーエレクトリックのエンジニア達が使用しています。

【図1】をご覧ください。
設計するにあたって、部屋の条件、ラックの発熱量、必要風量、グリルパネルの開口率、空調機の条件等をシミュレーションツールに入力します。


【図1】シミュレーションツール「EcoStream」

すると、シミュレーション結果がリアルタイムに表示されます(【図2】)。
このように、容易に簡易的な設計ができます。
【図2-1】は壁際に設置した全体空調のみで冷却を想定したものです。全体的に赤いエリアができ、このままの設計では冷却能力や風量が不足することがわかります。
【図2-2】のように、InRow空調を組み合わせた方法にすると、通常運転時はもちろん、保守点検時に空調機を交互に停止してもシステムが稼働を継続できる、N+1の冗長構成になっていることが確認できます。
シュナイダーエレクトリックのエンジニアは提案段階で、このシミュレーションを無償で行います。
目で見える形の空調設計を提案できるので、お客様にもたいへんわかりやすいと好評です。
しかし、実はわかることはこれだけではありません。


【図2】StruxureWare Operations:EcoStreamによる空調シミュレーション

冷気と暖気を遮断して更なるエコを追求

StruxureWare Operations: EcoStreamによる空調シミュレーションでは、冷気と暖気を遮断した場合の効果も確認できます。
IT機器は背面側から温まった空気(暖気)が出てきますので、その仕組みを利用して背面同士を合わせたラック列をつくります(【図3】)。
シュナイダーエレクトリックは、このホットアイルとコールドアイルのレイアウトを進化させたホットアイルコンテイメント(特許4755645)を開発し販売しています(【図4】)。
これにより、冷気と暖気が混合しない環境にすることで、空調機にIT機器の出した排熱をそのまま戻すことで、高効率化を実現しています。
空調機は能力上、どれだけの空気を何度冷やせるかが決まっていますので、空調機の許容する範囲でできるだけ温かい空気を戻す方が空調機の能力を最大限に活かせます。

シュナイダーエレクトリックでは、ラック列に空調機を挟み込むInRow空調によりIT機器で出た排熱を処理し、それを冷たくし、コールドアイルに送風することで、IT機器が吸気するという循環により、最高レベルの冷却効率化を実現します。
また、InRow空調は、ITラック前面に設置された温度センサーに合わせて自動で制御を行うため、IT機器の負荷が小さい時は自身で運転を制御し、消費電力を抑えます。


【図3】ホットアイルとコールドアイル


【図4】InRow空調とホットアイルコンテインメント

また、このホットアイルコンテインメントは、InRow空調だけにとどまらず壁際に設置した空調機に、可能な限り温かい空気を戻すために、ホットアイルをそのままダクトに戻したり、ラック背面側上部にダクトを設けて天井リターンさせる仕組みなども展開が可能です(【図5】)。


【図5】ホットアイルダクトやラック用排熱ダクトを使った構築イメージ

このように、空調の効率化を図ることにより、何の対策もしない場合に比べ、空調機の台数を半分にすることも可能です(【図6】)。


【図6】同じ負荷でもホットアイルの効率化で空調機の台数を削減

ホットアイルとコールドアイルどちらを囲えば効率的?

最近ではコールドアイルを囲い込む方法と、ホットアイルを囲い込む方法のどちらが良いかという議論が良くありますが、コールドアイルを囲い込んだ場合、下記の問題があります。

  • スタンドアロン型のITシステムの吸気がホットアイルの空気にさらされる。
  • 空調機へ戻す空気の温度が低くなり、空調効率が低下する。
  • フリークーリングを行う外気導入タイプでは、フリークーリング時間が短くなる。
  • コールドアイル内はとても寒く、外は暑い環境になり作業をする方には厳しい環境となる。
  • 空調が停止した場合、ホットアイルを囲い込む場合と比べ、機器温度が上昇する。

このようなことから、シュナイダーエレクトリックではホットアイルを囲い込む方法を推奨しています。
詳細はWhite Paperの135番に研究結果を掲載しています。是非、ご一読ください。
(White Paper ♯135:
PDF http://www.apcmedia.com/salestools/DBOY-7EDLE8/DBOY-7EDLE8_R0_JA.pdf

これまで、全4回にわたりデータセンターやサーバルームの最適な空調環境について、ご紹介させていただきました。
空調に関するお話しは今回で一旦終了となります。
少しでもシュナイダーエレクトリックのアイデアがお客様に貢献できれば幸いです。
今後も富士通と協力し、環境にも配慮した、最適でストレスフリーなICT環境を提案、実現させて頂きます。

お問い合わせ先

シュナイダーエレクトリック株式会社
icon-telephone 03-6402-2001
icon-mail jinfo@schneider-electric.com
Webサイト:http://www.apc.com/jpOpen a new window

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