SXの加速を目指す、富士通の社内表彰制度

富士通では、パーパス(社会における企業の存在意義)の実現に貢献した活動を表彰するとともに、優良事例を広く社内に共有し、社内への浸透と活動の向上を図ることを目的とした社内表彰制度「サステナビリティ貢献賞」を実施しています。大賞・優秀賞は中央表彰として、創立記念式典で表彰されます。
本記事では、サステナビリティ貢献賞事務局より、2023年度の大賞・優秀賞に輝いた2つのプロジェクトについてご紹介します。

目次
  1. パーパスの実現に向けた社内表彰制度「サステナビリティ貢献賞」
  2. 大賞 「がん薬剤耐性に関わる未知の因果を富岳上で高速に発見」
  3. 優秀賞代表 「特別支援教育サポートインクルージョンプロジェクト」
  4. さいごに

パーパスの実現に向けた社内表彰制度「サステナビリティ貢献賞」

富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」をパーパス(社会における企業の存在意義)と定め、様々な社会課題の解決を目指しています。
社内の表彰制度である「サステナビリティ貢献賞」では、サステナビリティへの取り組みの優良事例をグローバルに募って表彰し、パーパスを起点とした活動の輪を広げています。

審査の過程では、世界中のすべての富士通社員の意思決定や行動の拠り所である「Fujitsu Way」の推進責任者や、応募分野の専門性を有する部署に加え、一般審査員としてグローバルにAPAC、East Asia、Europe、Americas、Japanなどのリージョンから約180名の社員が参加し、多様な視点からの審査を実施。各取り組みが生む社会へのインパクトに対し、「Fujitsu Way」の大切にする価値観(挑戦・信頼・共感)の三つの軸をベースに評価をしました。
次の章では、2023年度に大賞・優秀賞に輝いたプロジェクトについて、その概要をご紹介します。

大賞「がん薬剤耐性に関わる未知の因果を富岳上で高速に発見」

1,000兆通りの可能性から患者の遺伝子の特徴を一日以内で絞り込み、効率的な薬剤開発に寄与

プロジェクト概要

希少疾患(※1)向けの医薬品(※2)は、その対象患者の少なさなどから投資回収が難しく、開発が困難とされてきました。そのため治験対象者を的確に絞り、治験を成功に導くバイオマーカー(ある疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標)の高速な発見が期待されています。
富士通は独自の開発技術「発見するAI」を用いることで効率的に探索し、その発見に導く技術を開発しました。最小のコストで最大の効果を心掛け、「富岳」を活用したゲノム医療への応用、京大医学部とのバイオマーカー探索の連携、富士通が提供するAIプラットフォームである「Kozuchi」に搭載する等、今後の適用拡大、事業化に取り組む予定です。

  • ※1:
    患者数5万人未満の疾患
  • ※2:
    市場規模は2021年の2兆円から2030年には580兆円にまで上ると考えられている

がん治療という多くの人の健康・生命に関わる社会問題に、富士通の開発技術「発見するAI」を「富岳」で実装するという、まさに富士通のテクノロジーを活かして社会に貢献した点、また今後の医療や創薬の進歩にも寄与できる可能性から、本プロジェクトを高く評価しました。

受賞者代表を務めた富士通研究所 リサーチディレクターコグニティブCPJ 丸橋 弘治のコメント

我々のチームの成果によりこのような素晴らしい賞をいただけたことを大変光栄に思います。我々は、知り得る限り最も複雑なシステムの一つである遺伝子制御ネットワークから、未知の知見の発見をAIで導くというチャレンジに取り組んでいます。これが医療の発展に資することはもちろんですが、ここで得られた方法論は幅広い分野に応用できると考えていますので、今後は医療のみならず幅広い領域に技術の適用を拡げていく所存です。

富士通株式会社 富士通研究所 リサーチディレクターコグニティブCPJ 丸橋 弘治 富士通株式会社 富士通研究所 リサーチディレクターコグニティブCPJ 丸橋 弘治

優秀賞代表 「特別支援教育サポートインクルージョンプロジェクト」

ミニ・ウーリーズによる特別支援教育サポートインクルージョンプロジェクト(Fujitsu Australia Ltd)

プロジェクト概要

富士通オーストラリアでは、オーストラリア小売業最大手の一つであるウールワースグループと共同で、障がいのある人々が職業訓練を行うことができるミニスーパーマーケットを開設しました。同グループのミニスーパーマーケットに富士通のPOSレジを設置し、障がいのあるオーストラリアの若者が、お金の扱いや商品の袋詰め、顧客サービスを体験できる学習・教育ツールを共同で提供しています。

発表者のClare Burdenは、今回のプロジェクトはオーストラリアでもメディアからの注目度が高い中、パーパスと共に語られる報道が多く、富士通がパーパスに根差してビジネスを展開している企業だと広く認知されたのではないかと語りました。

Fujitsu Australia Ltd, Industry&Retail, Clare Burden Fujitsu Australia Ltd, Industry&Retail, Clare Burden

さらに表彰式では、五常・アンド・カンパニー株式会社 代表執行役の慎 泰俊 (シン テジュン)氏を迎え、「社会課題解決にコミットする事業と、パーパスの関係性」をテーマに講演を頂きました。参加者からは「多国籍で多様な価値観を持つ人材とともに、短期間で驚異的な成長を遂げられていることは、当社がグローバルにSXビジネスを進める上で大いに参考になった」等のコメントが寄せられました。

さいごに

毎年、サステナビリティ貢献賞事務局には数多くの素晴らしい活動が届いており、その数は年々増加しています。お客様・社会により大きなインパクトを創出するプロジェクトが増えている中で、甲乙つけがたく選定が難しい場面もありますが、Fujitsu Way推進責任者や有志の一般審査員など多くの審査員の意見を反映したうえで最終的に選定しています。

応募者の熱意ある努力を称賛し、表彰することは、社会課題解決を目指す一企業として前進していく必要性を改めて認識できる良い機会となっています。これからも富士通はパーパスの実現を目指して、お客様およびパートナーと協働しながら、新たな社会価値創出に取り組んでいきます。

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