TOYOTA GAZOO Racingオフィシャルパートナーとして、ともに戦うということ

人とクルマの限界に挑戦するモータースポーツ。世界の自動車産業をけん引する自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタさん)は、半世紀以上にわたってさまざまなカテゴリーのレースに参戦し、革新を続けています。モータースポーツはトヨタさんにとって人とクルマを鍛える“実験場”であり、モータースポーツを起点に未来を切り拓くために変革と挑戦を続ける――。富士通はそんなトヨタさんの想いに強く共感し、2022年シーズンよりWEC世界耐久選手権のTOYOTA GAZOO Racing(TGR)に協賛。今年で2年目を迎えます。
富士通は、この参画にどのような思いで取り組み、未来を切り拓こうとしているのか。ビジネスプロデューサーとしてプロジェクトの誕生から関わった富士通株式会社 グローバルカスタマーサクセスBG トヨタユニット モータースポーツチームの平原督丈と、柏舘悠美、趙叡文に、その思いと今後への期待について話を聞きました。

目次
  1. TOYOTA GAZOO Racingとともに戦うということ
  2. モビリティを通して、サステナブルな世界に貢献していきたい

TOYOTA GAZOO Racingとともに戦うということ

――モータースポーツチームとはどのようなチームなのか、取り組み内容ついて教えて下さい。

柏舘: 私たちモータースポーツチームは、WEC世界選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racingさんを応援し、モータースポーツへのテクノロジーによる貢献を目指し日々活動しています。具体的には、早くて強いクルマ作りや熱狂的なレース作りへの貢献を目指した「for the Win」、モータースポーツファンを増やすことやファンエンゲージメント向上への貢献に向けた「for the People」、サーキット周辺地域やモータースポーツに関連する全ての領域でのサステナブルへの貢献を目指した「for the Society」という3つのテーマを定義し、活動しています。

――富士通がTOYOTA GAZOO Racingに協賛して今年で2年目を迎えます。あらためて、協賛に至った思いについて教えてください。

平原: 2019年、富士通はそれまでのIT企業からDX企業への転身を表明しました。会社が大きく変革しようとしている中で、モータースポーツという極限状態を通して人と技術を鍛え、意志ある情熱と行動でカーボンニュートラルの実現をはじめとする明るい未来をつくりたいというトヨタさんの想いと、富士通のパーパス(イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にする)に共通点があることを強く感じ、共感しました。モータースポーツという高い目的意識を持ち、かつ人々が情熱を持ってチャレンジを続けているその現場に関わること、そして自ら積極的にチャレンジしつづけることが、パーパスの実現と我々の成長につながる取り組みだと確信し進めてきました。いろいろな経緯でトヨタさんのパートナーとして協賛することになり今年で2年目となりますが、モータースポーツの領域でチャレンジすることの意義と、そこで得られたものを社会に還元することが、持続可能な社会の実現への近道であり、今富士通が変革していく中でこそ取り組めることだと、実際にやりはじめて手応えを感じています。
最高のクルマそしてより良い未来をつくるために私たちが技術面で貢献できることには何があるのか。どんな領域にどんな技術で貢献できるのか、協賛当初から様々な仮説を基にその領域を探ってきました。その間、現場で実働できる仲間も増やし、今では技術担当役員はじめ、技術開発部門、デザイン部門など全社一丸となってともに戦う態勢が整ってきたと考えています。

グローバルカスタマーサクセスBG トヨタユニット 平原督丈 グローバルカスタマーサクセスBG トヨタユニット 平原督丈

柏舘: 「幸せの量産 × 世界をより持続可能にする」(トヨタさんのミッション × 富士通のパーパス)が、私たちモータースポーツチームのパーパスです。昨年は富士通がどのようなチャレンジをしていけるのか模索の期間でしたが、今年はこのパーパスを胸に、モータースポーツを通じたサステナブルな社会への実現への貢献に、注力していきたいです。

――実際にトヨタさんは、富士通に何を期待されているのでしょう?

平原: 同じ日本企業として、富士通のもつ最先端のテクノロジーで、世界一過酷なレースを一緒に戦い、そこで勝つこと。そしてそこでさらに磨かれる技術やテクノロジーをグローバルに世の中に広めていくことにあるのではないかと考えています。それを実現するためにも、これまでの富士通にはない新たなチーム編成や活動の軸が必要で、そういった社内の変革や社内・社外での仲間集めにも期待されていると感じています。

柏舘: 私も、トヨタさんとのこれまでの会話を通じて、「TOYOTA GAZOO Racingの一員として一緒に情熱を持って取り組むこと」が期待されていると感じていました。TOYOTA GAZOO Racingのメンバーの一員である気持ちで、まずはレースに勝つこと、また、エンターテイメント面でも何か貢献できないか必死に考え、ともに戦うという気持ちを持って頑張っています。

趙: そうですね。また今後は、カーボンニュートラルな世界の実現に向けても、ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思っています。

グローバルカスタマーサクセスBG トヨタユニット 柏舘悠美(左)と趙叡文(右) グローバルカスタマーサクセスBG トヨタユニット 柏舘悠美(左)と趙叡文(右)

モビリティを通して、サステナブルな世界に貢献していきたい

――ところで、柏舘さんも趙さんもポスティング制度(※1)を利用して最近異動されてきたそうですね。そのときの思いと、着任されて数か月が経った今の思い、それぞれ教えてください。

  • ※1 ポスティング制度:
    富士通のポスティング制度とは、社員が自律的なキャリア形成の機会を得ることができる制度。本制度を通じて、希望ポジションへの挑戦が可能であり、国内だけでなくグローバルに対応しています。

柏舘: 自分自身を変えたい、新しいことに挑戦したい、という気持ちを持ち始めていた頃に出会ったのが、このモータースポーツチームという、まさにエキサイティングでチャレンジングなポスティング募集でした。全くの未経験業務への異動だったので応募時はとても悩みましたが、異動して半年たった今ではプロジェクトを0からスタートさせることの楽しさ・難しさも分かるようになり、充実した毎日を送っています。
異動して最も印象的だったのは、技術ディスカッションやワークショップでお会いするトヨタさんのエネルギッシュな雰囲気でした。それに応えようと、富士通側もプロジェクト毎に多くの関連部署が参画しています。関連部署の皆さん、支えてくれている上司・チームメンバーに改めて感謝を伝えたいですね。そして関わって下さる皆さんのお力を借りながら、自分自身も成長していきたいです。

趙: 私は自分自身の限界に挑戦したい思いでこのポジションへ応募しました。かねてからモータースポーツファンでしたので着任後は緊張と興奮の両方を抱えていました。レース最前線で戦うトヨタさんの技術者と交流する中で、一緒に課題を定義し、正解のない問題に富士通のどのような技術を用いて解決に導けるか、チームのメンバーとともに考えながら取り組んでいます。
トヨタさんで先日発表された新体制のご説明の中でも、「モータースポーツは、カーボンニュートラル実現に向けての実験場である」とおっしゃっておられ、モータースポーツと持続可能な社会の実現との関連性を改めて意識しました。自分が大学院時代で培った環境学の知識と富士通の強みであるテクノロジーを生かし、モータースポーツにおけるカーボンニュートラルの実現に貢献したいと思います。

柏舘悠美(右)と趙叡文(左) 柏舘悠美(右)と趙叡文(左)

――最後に、今後の抱負をお願いします。

平原: 私は、今は国内最高峰のレースである『スーパーフォーミュラ』を盛り上げるため、興行元である日本レースプロモーションに出向し、マーケティングのメンバーの一員として活動しています。モータースポーツの置かれている現状を最前線で体感しながら、富士通がこのモータースポーツの領域で貢献できるものはもっとないのか、さらに現場に深く入り込んで見つけていきたいです。まだまだ新参者なので日々勉強が必要ですが、柏舘や趙たちとも連携して、モータースポーツを意義あるチャレンジの場として富士通の中でも活動を定着させ、一緒に戦う仲間をさらに増やしていきたいです。

柏舘: モータースポーツの楽しさをより多くの人に実感して頂けるよう、活動していきたいです。そして、モータースポーツを通じて、カーボンニュートラルな世界の実現に携わっていくことを、関わって下さる皆様と一緒に楽しみながら活動していきたいです。

趙: 富士通のテクノロジーと自分の専門性・情熱を活かし、モータースポーツの面白さを世界中の人に届けていきたいです。

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