サステナブルな世界の実現に向けて、生体認証テクノロジーの社内実践で見えてきたこととは。フジトラニュース編集部が体験レポート!

今、誰一人取り残されない社会の実現に向けて、あらゆる分野でのデジタル化の推進が期待されています。デジタル化社会で必要不可欠なのがセキュアな本人認証。パスワードなどの記憶認証や免許証、ICカードを使った所有物認証など様々な認証方法がありますが、高い利便性とセキュリティを実現するのが「生体認証」です。

富士通では、生体認証技術を使った社内実践がはじまっています。その実践内容とは、いったいどんなものなのでしょうか。フジトラニュース編集部が体験してきましたので、その模様をレポートします。

フジトラニュース編集部

私も初めて体験するので、とても楽しみです。早速取材してみましょう!

目次
  1. 高いセキュリティと利便性を両立
    持続可能な社会を実現する
  2. 誰一人取り残さない社会のため、人々にとってもっと身近な技術に。
    生体認証テクノロジーが目指すもの

高いセキュリティと利便性を両立
持続可能な社会を実現する

フジトラニュース編集部

今回、ソーシャルデザイン事業本部 生体認証事業部 サービスビジネス部 佐藤 正隆さん、大榎 央樹さんに、オフィスを案内していただきながら、お話を伺います。よろしくお願いします!

大榎さん
佐藤さん

よろしくお願いします!

フジトラニュース編集部

今回、なぜ自社オフィスに最先端の生体認証技術を導入することになったのでしょうか。

佐藤さん

オフィスのあらゆる認証をセキュアかつ便利なものにすることで、従業員にとって、より働きやすい環境を提供するためです。

この度、2021年7月にオープンした富士通の新しいオフィスに手のひら静脈認証を全面導入することによって、これまでセキュリティカードを使っていたオフィスのあらゆるシーンの認証が、手のひらひとつでできるようになりました。

体験されてみていかがでしたか?

フジトラニュース編集部

セキュリティカードや財布を取り出すことなく、オフィスの入退室、社員食堂やカフェでの決済やロッカーの預け入れ、複合機の認証などの様々なサービスを本当に手のひらだけで利用できたことに驚きました。

一度の簡単な手続きだけで即時登録され、あらゆるシーンですぐに使えるという点にも感動しました。

佐藤さん

導入して以降、日々多くの従業員が手のひら静脈を登録しています。(※)
(※2021年11月末時点の登録者数は約6,200名)

また、社内アンケートでは、9割の社員が利便性を実感しており、手ごたえを感じています。中でも、非接触で認証できることに対する好意的な意見は、ニューノーマル時代だからこそではないでしょうか。
生体認証には様々な認証方式がありますが、手のひら静脈認証の場合は手をかざすだけなので、認証デバイスに触れる必要がありません。

大榎さん

もちろん良い意見だけではなく、「もっとこうしてほしい」という改善要望も届いており、日々多くの気づきがあります。
社内実践のフィードバックからサービスの品質をあげ、技術そのものを進化させていきたいです。

誰一人取り残さない社会のため、人々にとってもっと身近な技術に。
生体認証テクノロジーが目指すもの

フジトラニュース編集部

富士通の生体認証テクノロジー、そして手のひら静脈認証について、今後の展望を教えてください。

大榎さん

今回オフィスに導入したのは、その人固有の静脈パターンを読み取って照合する「手のひら静脈認証」です。
これは1980年代から生体認証の研究開発を行ってきた富士通のオンリーワン技術で、現在、世界60か国で約1億人もの人々が利用しています。

自社オフィスを実践の場として活用することで、従業員からもユーザーの立場として様々なフィードバックがあがってきています。
社内実践を通して得られた知見を基に、オフィスに留まらず、より良い暮らしや街づくりを見据え、人々がもっと身近に手のひら静脈認証を活用できるようにしていきたいですね。

フジトラニュース編集部

もっと身近に・・・!この実践で得られた気づきによって技術が磨かれ、あらゆるシーンに組み込まれていくのですね。
これから「手のひら静脈認証」がさらにグローバルに拡がっていくのが楽しみです。

佐藤さん

サステナブルな世界の実現には様々なデータのシームレスな活用が必要となりますが、それを支える重要な技術の一つが生体認証だと考えています。データの利活用に必要不可欠な「本人認証」において、セキュリティと利便性を両立できるということが生体認証の大きなメリットです。

フジトラニュース編集部

それは重要ですね。
今後、生体認証はどのようなところで活用されていくのでしょうか?

佐藤さん

はい。大きく分けて3つの活用シーンがあると考えています。

1つ目は豊かな街づくりへの貢献です。
私たちの生活の中では、個人情報をはじめとする数多くのデータが取り扱われますが、現状、これらのデータにアクセスするための本人認証の方法は、ICカードやパスワードなどサービスごとにバラバラです。
このことにより、管理が煩雑になるだけでなく、なりすましや不正使用といった深刻な問題も起きています。
私たちは、現状バラバラになっている「認証」をつなぎ、安心してデータを活用できる基盤を作ることで、誰も取り残さない社会を、セキュアに実現したいと考えています。

例えば、行政サービスなどがイメージしやすいのではないでしょうか。手のひら静脈認証などの生体認証によって本人認証が統一されれば、行政サービスや市民サービス等を様々な人がより手軽にシームレスに受けられるようになると思います。

フジトラニュース編集部

今は、機関ごとに使うカードやIDが違って管理が大変ですよね。
生体認証一つでサービスを利用できるようになれば便利ですし、より確実な本人認証が実現できますね。

大榎さん

2つ目は、多様な顧客体験の実現です。今はキャッシュレスが進んでいますが、QRコード画面やカードを取り出すのにも手間取ることがありますよね。手のひらをクレジットカードやポイントカードの代わりとして使うことができれば、もうレジで慌てることもありません。

フジトラニュース編集部

私もさきほど手のひら静脈認証決済でコーヒーを購入してみましたが、とても便利だと感じました。「スマホやカードのタッチ決済が手のひらにかわるだけでしょ?」なんて思っていましたが、実際に体験してみると、手をかざすだけでよいので鞄からスマホやお財布を取り出す必要もなく、落とすこともないため安心ですね。

佐藤さん

体験しないとなかなか実感できないですよね。そう言っていただけてうれしいです。

3つ目は、健康長寿の社会を実現するWell-beingへの貢献です。
今、災害対策や創薬、働き方改革、モノづくりなど、あらゆる分野でのデジタル化の推進が期待されています。
私は、中でも医療・健康データとデジタル技術の活用が重要な役割を果たすと考えています。

例えば、現在、患者さんは病院ごとに違う診察券をもっていますし、患者さんのカルテも病院ごとにありますよね。
それらが統合されていけば、医療機関はより患者さんの状況に寄り添った判断ができるようになりますし、患者さんはどの病院に行っても“かかりつけ医”のような医療サービスを受けられるようになるかもしれません。
その際に、生体認証で本人確認ができれば、受診時の利便性も向上しますし、患者の取違い等、あってはならない事故の防止にもつながるのではないでしょうか。

フジトラニュース編集部

確かに、医療サービスの向上が期待できますね。
このような未来はどのように実現していくのでしょうか?

大榎さん

富士通だけで実現できるものではなく、行政や他社さんをはじめとする多くのみなさまと一緒に進めていく必要があると考えています。
また、国内はもちろん、グローバルにも、生体認証による、よりセキュアで便利な世界を広げていきたいと思っています。

フジトラニュース編集部

今回お話をお伺いして、これから私たちの生活が、そして世界がどのように変わるのか、ほんの少し見えた気がしてワクワクしました。この社内実践での気づきが想像を超える未来につながっていく、そんな予感がします。

本日はありがとうございました!

  • 社員の所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。
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