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2020年7月、富士通は、ニューノーマル時代における新しい働き方のコンセプトとして「Work Life Shift」を発表しました。その後1年が経過し、さらに働き方改革の本質に迫るべく、Work Life Shiftの「Life」に焦点をあて、2021年10月、「Work Life Shift2.0」を発表しました。Work Life Shiftが何を目指して何を成し遂げたか、それをさらに進化させるWork Life Shift2.0はどこを目指しているかご紹介します。
Work Life Shiftがもたらした新しい働き方
全社員がテレワークを実践できる環境を整備した富士通は、2020年7月にニューノーマル時代における新しい働き方のコンセプトとして「Work Life Shift」を発表しました。「仕事」と「生活」をトータルにシフトして働き方を改革しようというもので「Smart Working」「Borderless Office」「Culture Change」の3つのカテゴリで構成されています。
Smart Workingはテレワークを基本としたワークスタイルの最適化を行います。Borderless Officeは時間と場所の制約から解放します。そして最後に従来の企業文化を変えるCulture Change。
Smart WorkingとBorderless Officeは、高いセキュリティと効率的な業務を実現する仮想デスクトップサービスで実現。それらを使ったテレワーク環境下で、コミュニケーションの活性化や作業状況の共有など新しい働き方の文化を定着させました。
その結果、テレワーク率80%継続で通勤時間は月平均で約30時間減少。社外サテライトオフィスの利用も月平均で約6,000人に達し、テレワークにより約900人の単身赴任の解消も実現しました。さらには時間をコントロールできることによる子育てしやすい環境、副業を開始して知見を広められたなどWorkとLifeの両方でエンゲージメントが向上した例もあります。
Work Life Shiftでは、生産性向上とエンゲージメントを目的に、従業員が主体的に最適な時間や場所を選択する働き方を推進し、一定の成果を得たと感じています。一方で、次の段階への課題やその解決に向けた施策、より注力すべきコンセプトも見えてきました。それをまとめたものがWork Life Shift 2.0です。
Work Life Shift2.0で“Lifeの充実”に焦点をあてたワケ
従来の「ワーク・ライフ・バランス」は仕事と生活の比率を見直し、Lifeの時間をきちんと確保しようという意味でした。それはWorkとLifeを切り離して考えたものです。ですが、Work Life Shiftを1年間行ってわかったのは、WorkとLifeは融合してきているということ。それを踏まえて進化させたのがWork Life Shift2.0です。
融合しているゆえに、ひとりひとりのWell-Beingが重要になりますし、それを実現するための施策が必要になります。
ひとつは「WorkとLifeのシナジーの追求」です。
柔軟な働き方ができる制度を整えることで、例えば、男性が子育てと仕事を両立できるようになり、また、ワーケーション*の利用によってリフレッシュすることで、よりクリエイティブな仕事ができるようになります。また、副業により知見を広げるなど、WorkとLifeの相乗効果を生み出せます。すでに積極的な副業推奨により、300人を超える従業員が様々な分野で活躍しています。
富士通は今後、男性育児参加100%の推進を目指し、配偶者の出産前後に最大2ヶ月の100%有給休暇を付与するなど制度を整え、男性の育児参加を積極的に促進していきます。また、Work Life Shiftのコンセプトに共感いただける地方自治体と連携し、ワーケーションプランを企画・推進していきます。
- *ワーケーション:1~3週間程度でのテレワーク活用により、普段と異なる地域・場所にプライベートで滞在し ながら仕事をすることや、業務出張前後に休暇を取得したり休日を利用すること
Workの面でもWork Life Shiftの1年間の経験から新しい取り組みをはじめました。
ひとつは「Hybrid Workの実践」です。
社員の声から、テレワークだけではなくリアルで会うメリットもあることがわかってきています。そこで、オフィスをハブとして雑談やブレインストーミングといったコミュニケーションをする新しいオフィスの活用の仕方に取り組んでいます。オフィスをこれまでのワークプレイスから、そこでしかできない体験を提供するエクスペリエンス・プレイスへ進化させることで、リアルとバーチャルを融合し、よりコラボレーションを活性化させていきます。
もうひとつは「DX企業としての働き方の進化」です。
オンライン上で様々な仕事ができ、社内外とのコラボレーションがより素早く行えるようになりました。そこでデータドリブン経営をもう一段階先へ進めます。
Work Life Shiftをテーマにしたスタートアップとの協業をはじめており、そこではHybrid Workを実践して得た様々な経験値をデータとして見える化し、さらにクリエイティビティを高める働き方を追求していきます。
また、オンラインでデータを活用したコラボレーションが可能になることで、地方自治体と連携をより一層加速させ、地域における課題の抽出や解決支援を実践し、地域創生や地域経済の活性化に貢献します。
一番重要なのは「一人一人のWell Beingに向き合う」ということ
Work Life Shiftが最終的に目指すのは一人一人のWell-Beingの実現です。Well-Beingといってもそれは一律的な施策で実現できるものではありません。
一人一人異なるWell-Beingに上司や人事が一緒に向き合い、制度を変えられるところは変え、課題があったらタイムリーに応えていく必要があります。
富士通は、経営目標の中で、非財務目標の一つとして、「すべての社員が心身ともに健康でいきいきと働くことができる環境をつくりだす」ことを掲げています。従業員のWell-Beingが実現なくして、社会課題の解決に貢献はできないとの強い決意からです。
今後も、DX企業として最新のテクノロジーを取り入れながら、パーパスの実現に向けて従業員の働き方を支援する施策を実現していきます。また新事業ブランド「Fujitsu Uvance」で掲げる“ビジネス変革と持続可能な社会の実現の両立”を目指し、Work Life Shiftで自らの変革を継続するとともに、持続可能な社会に向けて、業種、国を越えて、企業の変革と人々の働き方・暮らしを支えていきます。