富士通が挑むカルチャー変革とは。何を変え、何をつかもうとしているのか

目次
  1. パーパス実現に向けた社内の変革プロジェクト「フジトラ」
  2. カルチャー変革・全員参加型にフォーカスした社内変革
  3. 4回目の開催となった全社DXイベント「FUJITRA Festival」
  4. 社員の声(VOICE)にもとづき、「全員参加」を体現したFUJITRA Festival
  5. DX、変革活動の根源にある実践態度exPractice

パーパス実現に向けた社内の変革プロジェクト「フジトラ」

富士通が掲げるパーパスを実現できる会社・ヒトに進化するため、富士通自身を変革する全社DXプロジェクト「フジトラ」を2020年7月に立ち上げました。単なる業務のデジタル化でなく、私たち自身が自ら変革を続けるカルチャーへの転換に踏み込んだ「全員参加」をプロジェクト・ステートメントに定めています。

Fujitsu Transformation(フジトラ) DXプロジェクト・ステートメント

本記事では、「全員参加」の意義と、それを体現する3ヵ月に一度の全社定例イベント「FUJITRA Festival」について、イベント企画者のインタビューを交えながらレポートします。

カルチャー変革・全員参加型にフォーカスした社内変革

先の見えないVUCAの時代、富士通のパーパス実現に向けて、社員一人ひとりが自ら変革の行動を起こしていくことが求められています。そのため、社員全員が考え、手を挙げて試行、実行するカルチャーの実現を目指しており、本プロジェクトは、「フジトラというプロジェクトが必要なくなること」をゴールに、全員参加型で活動を進めています。

プロジェクトは、現場と経営が一体となった体制で、各現場部門を代表するDX推進責任者(DX Officer)、経営層によるDXステアリングコミッティ、そしてDX Officerと経営層のハブとなるDX Designerで構成されています。各現場から上がったDX推進テーマは300近くにのぼっており、その中から優先順位をつけて活動を進めています。

4回目の開催となった全社DXイベント「FUJITRA Festival」

現場と経営をつなぐプロジェクト体制に加えて、皆でカルチャーを変えていくために、現場で働く社員が誰でも全社DX活動に直接参加できる機会が設けられています。その機会の一つとして、3か月に1回実施しているのが「FUJITRA Festival」です。

FUJITRA Festivalは、職制も役職も関係なく、様々な部門の社員同士がオンラインで会社のあるべき姿について自由に意見・質問・議論し、方向性を決めていく、いままでの富士通には無い取り組みです。

2021年8月に開催された第4回は、フジトラのキックオフから1年がたち、今までの活動の振り返りと今後の進め方を検討する重要なイベントとなりました。前回の申込人数900人を大きく超えた延べ約7000人が参加し、社内変革に向けて熱い議論を交わす会となった今回。このイベントは、「次世代ビジネスリーダー向け短期職場移籍プログラム」制度を使って現場部門からフジトラにDXD(DX Designer)として短期職場移籍(半年間)した7人が企画・運営を行いました。イベントに込めた想いや、どのような苦労があったのか、そして解決していったのか、7人にインタビューしました。

(後列左から)児玉さん、青島さん、藤本さん、(前列左から)Peckさん、薮下さん、高田さん、葉さん

社員の声(VOICE)にもとづき、「全員参加」を体現したFUJITRA Festival

――全社DXイベント「FUJITRA Festival」(以下「FES」と記載)は第4回目とのことですが、どのように企画を進めていったのでしょうか。

藤本さん: これまでのFESでは、全員参加をうたっていたものの、参加人数は富士通グループ13万人のうち、900人ほどと多くはなく、「どうしたらより参加してもらえるのか」という観点でこれまでの振り返りを行いました。前回のFESのアンケート(VOICE)やKPT*という手法を使って関係者で振り返った意見を一つ一つ読み、改善できる点、求められている点を理解しました。社員からの声を大切にしたうえで、これまで7人が現場で経験してきたことを加味し、「現場の人が参加してよかったFESを」というコンセプトを決めました。

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    Keep、Problem、Tryの観点で取り組みについて振り返りを行う手法

――全員参加のFESを実現するために実際どのような工夫をしたのでしょうか。

葉さん: 今まではフジトラのDXテーマ推進活動を中心に3時間前後で開催していましたが、内容的にも時間的にも「FES感が足りない」と感じました。参加者を増やし、音楽のフェスのように盛り上がるイベントにするには、演出者を広げること、そして演出側と参加側の双方向コミュニケーションが鍵だと感じました。社内外からゲストを呼び、テーマも従来の6セッションから15セッションへと多様化したうえで、終日開催とすることにしました。また、Slido*をはじめとするコミュニケーションツールを活用して、参加する社員が匿名で自分の意見や質問をセッション中に気軽に書き込めるようにしました。

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    イベントや会議などでインタラクティブにQ&Aやライブ投票を行えるクラウドサービス

青島さん: 「自分たちが"面白くない"と思ったことはやらない」ということも意識しました。今回集まったDXDの7人は全員が現場部門出身です。日々多忙な現場業務の中、得るものが少ない社内イベントには正直参加したくないのが社員の本音なので、「現場が本当に求めることは何か?」「これは意味があるのか?」を自分たち自身に問いかけながら企画しました。時間があるからなんとなく参加するのではなく、変革意識のある社員が、業務を後回しにしてでも参画したくなる企画を意識しました。
最終的に、“「変えたい業務は何ですか?」という内容で全社アンケートをとり、投票上位の業務を変革するプロジェクトを実際に立ち上げる!”という企画にしました。FES当日は、このアンケート企画の事前投票結果をもとにCDXOの時田さん、CDXO補佐の福田さんを交えたインタラクティブなトークセッションを実施し、過去最大の盛り上がりになりました。

――FESの企画の中で苦労したことはどんな点ですか?

薮下さん: 社員にとってのメリットと、フジトラとしての理想や方向性が合致する企画にする点です。私たちは最近まで現場部門にいたので、つい「現場の社員の目線」をもとにした考えが強くなってしまいがちでした。しかしDXDの役割は経営層と同じ目線で物事を考えること。フジトラの進む方向性に沿いつつ、社員にとっての面白さを両立するのに苦労しました。特にアンケート企画の設問内容については、フジトラ関係者内でもさまざまな意見があり、両者が合致するテーマを決めるために納得いくまで議論を行いました。

――苦労があった中でも最終的に過去最大の盛り上がりとなるFESとなった成功要因はなんですか?

Peckさん: 強い想いをもって企画を立てたことだと思います。自分たちが参加して良かったと思うFESを企画することはもちろん、過去のFESの参加者の声を分析し、建設的な意見を反映することを心掛けました。また、「とにかくやってみよう」のチャレンジ精神で、大胆に、今までのFESから大幅に企画の数を増やしてみたことも、非常に良かったという声を多く頂きました。

高田さん: 今回、企画・運営の中心となった7人だけでなく、上司・経営層を含めて全員が「より良いものをつくろう」という意識のもと、一体となっていたことも大きいと思います。上司・経営層に対してフランクに相談できる場が日ごろから用意されており、適切なタイミングで検討案の方向修正やブラッシュアップを行うことができました。さまざまな意見が上がる中で、何を優先し進めていくのか、とりまとめに苦労することもありましたが、妥協せず、企画側としても全員参加でFESをつくりあげた結果が、過去最大の盛り上がりにつながったと思います。

DX、変革活動の根源にある実践態度exPractice

――インタビューを通じて変革に対する強い意識を感じたのですが、それはどこから生まれてきているのでしょうか。

児玉さん: 私たち7人は、短期移籍を決めた当初は「DXへの興味」はあったものの、今ほど強く「変革の意識」をもっていなかったと思います。転機になったのは「自らを変え続ける実践態度“exPractice”」の1つである、 “Purpose Carving(パーパスを彫り出す)”でした。自分は何を軸(パーパス)に生活・仕事をしているのだろうということを見つめなおす機会になり、パーパスを実現するためには変革していかなければというマインドに変わっていきました。現場部門に戻った後も「exPracticeなインフルエンサー」になれるように活動していきたいと思います。

第4回FUJITRA Festivalダイジェスト(2021年8月開催)

編集部より

先日、富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスの実現を目指す新事業ブランド「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」を策定し、今後、サステナブルな世界の実現に向け、社会課題の解決にフォーカスしたビジネスを強力に推進していくことを発表しました。「Fujitsu Uvance」は“あらゆる(Universal)ものをサステナブルな方向に前進(Advance)させる”という2つの言葉を重ね合わせた名称で、「多様な価値を信頼でつなぎ、変化に適応するしなやかさをもたらすことで、誰もが夢に向かって前進できるサステナブルな世界をつくる」という当社の決意を込めています。名称決定にあたっては、グローバルで社員投票を実施しました。
当社は「Fujitsu Uvance」のもと、ビジネス変革と持続可能な社会の実現の両立を目指します。

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