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Fujitsu

Japan

産業 : 日本のものづくりが変わる

開発者がエンジン内部に入り込む!?

スーパーコンピュータの発達で、日本の産業技術は新しい発展ステージに乗り出していくものと期待され
ます。

これまでの日本の産業技術は、きめ細かい技術、多くの経験、時には勘を働かせ、試行錯誤を重ねるものづくりを強みとしてきました。例えばエンジンの音を聞いただけで、エンジン内部の状態を把握するといった熟練者による技術もそうした強みの一つです。

開発者がエンジン内部に入り込む!?

スーパーコンピュータの登場で、日本のものづくりは、さらに発展していくことでしょう。例えば、スーパーコンピュータの計算能力が大きく向上することで、コンピュータシミュレーションによってエンジン内部の一つ一つ部品の形状や性質、燃焼するガスの振る舞いなどが明らかになります。この結果、各部分にどのような圧力や温度が加わり、どのように変化するかなど、今まで勘と経験でしか理解することができなかった現象を、人間の目に見える形で、はっきりと確かめられることができるようになります。それはあたかも、開発者自身が試作中のエンジン内部に入り込み、動作を確かめるような感覚です。コンピュータシミュレーションによって、問題点が明らかになれば、それに応じた解決策を見つけることができるようになります。これが低燃費車の実現などに繋がっていくのです。日本が強みとする産業技術は、スーパーコンピュータのコンピュータシミュレーション技術の力を借り、さらに奥深さを追求していくことでしょう。

航空機を丸ごとコンピュータシミュレーション

航空機を丸ごとコンピュータシミュレーション

現在、航空機機体やエンジンの設計・開発では、飛行時に発生する複雑な気流の動きを解析するため、様々なコンピュータシミュレーション手法を駆使して進められています。その過程では、コンピュータシミュレーション通りに試作された飛行機の胴体、翼などの模型を風洞実験設備と呼ばれる実験装置内に入れ、巨大なファンで作り出した高速気流の中で性能を確かめています。しかし、この方法を実物大の機体全体に対して行うことはできません。なぜなら巨大な風洞実験設備には巨額の費用、維持費が必要になるから
です。
スーパーコンピュータに期待されるのは、「丸ごと数値風洞」、つまり強力なコンピュータシミュレーション能力により、仮想的な巨大な風洞実験設備を作り出し、そこに開発する機体の実寸大のデータを入力し、様々の条件で実験をしようというものです。
この数値風洞が可能になれば、より短期間、低コストで設計・開発が可能になり、安全性の向上、高速飛行時、離着陸時の低速飛行時の性能はもちろん、試作機の機体周りの空気の流れ、渦などを再現し、徹底的な省エネ、騒音の低減について検証することができます。
スーパーコンピュータは、日本のものづくりの底上げを強力に推進するツールとなっています。