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第03回 ファッションビルにおける事例研究Ⅱ

オムニチャネル時代の実店舗”ミラクル”運営とは?

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

2018年11月12日更新

先手型ブランド?

先手必勝!今も時々聞きますね。攻めが好きな先輩の朝礼とかで。でも、この考えは商売のコツというか、ファンづくり、実店舗のチカラを2倍、3倍に広げるのに有効だ、というのが今回のテーマです。
あるヤング系に強いブランドグループをお手伝いしていた時の話です。複数のブランドを有していますと、その運営方法は、ターゲット×MD手法×販売の仕掛けで違いがあります。その中で、予約販売に強いブランドがありました。店舗数は少ないですが、とても強い品種を持っていて、お店のスタッフはどしどし売り込んでいくのです。

イメージ

それも「発注Sランクだから、VMD(特にPP)も強化して!」といった大手アパレル系の紋切り型の話ではなく、お客様の対話の中で、いろいろな反応(着こなし方とか、パターンとか)をキャッチし、微妙な修正を繰り返していました。仕入も店頭試売を行った後で、これが行けそう!となれば、次の仕掛け商品について、実店舗やECで予約を取る、といった“勝ち方式”を築いています。作ってから売るのではなく、作る前に買ってくださる方が決まり、その方の満足が広がる。これは先手型ブランドと言えるでしょう。

何か気になる、をどう築く?

予算が潤沢にあるブランドは別として、多くのブランドは限られた資源の中で、どのように“繰り返し”、これは、一度キッカケのあったお客様が「何か気になる、また行こう」と思う習慣をどう創り出そうか?と腐心しているでしょう。
でも、これは考えるだけじゃなくて、まず発信してみないとダメです。以前ですと様々な段取り(印刷だ、イベント準備だ、・・・)が必要でしたが、WEBを活用できる現在では、ブランド内のルールが必要としても、手軽にスタートできる環境は整っています。どんなO2Oスタイルがお客様、ブランドの相互に良いか?はやってみないと不明なこともあります。一定期間の試行錯誤、修正が有って実りがあるのです。
別の例ですが、パルグループホールディングス傘下のパルが運営する婦人服ブランド「Kastane(カスタネ)」が好調で、もう10年もの間、多くのトライアルを行い、結果として、現在では50万人を超えるフォロワーを抱えて、顧客との強い結びつきが次の支持を創るというフローがあるようです。(注1)。こちらでは来店のキッカケ(それも8割)がSNSでとありますが、ここで筆者が1回目のコラム(注2)で紹介したような、“実店舗の優位性”をお客様に感じていただけなければ、このような影響力を発揮できなかったのでは、と考えます。

どんな共栄圏を創る?

実店舗とEC、それを取り巻く各種の情報発信をどのように位置付けるのが良いのでしょうか?単にO2Oというだけでなく、お客様の為になるの?目標は何?を明らかにすると、関係者が動きやすいです。このタイミングで基本的な考えを整理しましょう。

3.1:どんな共栄圏を創るのか?

ブランドからの発信を知って、お客様が来店される。そこで、もしくは自社ECで購入される。その後、印象がシェアされる。この繰り返しを築く考えを、私は第一共栄圏と呼んでいます。実店舗と自社ECのお客様情報が共有されていれば、メリットは積み重なってゆきます。また、モールECというか、他社が運営するECでお客様が購入する場合もあるでしょう。会員情報の共有が無いですが、モール内のポイントを集めているとか、他の商品も買うとか、お客様の利便性が優先される中で、これは第二共栄圏と呼べるでしょう。
自社ECへの誘導を図る為には、相応の販売促進費を要します。また、商業施設内に出店している場合、自社ECではなく、施設が運営するモールECへの誘導を求められるケースも多いでしょう。
それでも、第一共栄圏をお客様とともに築こうとして、この中の往来が盛んになることでは、実店舗⇔自社ECが大きな役割を果たします。スタッフとのリアルな会話、店舗在庫確認機能、試着予約機能、等々。実店舗が介在することで、お客様とブランドとのコミュニケーション密度は高くなり、精度の高い商品提供が可能になってゆきます。冒頭に挙げた先手型ブランドは、第一共栄圏を築いていると言えるでしょう。

複数の仕掛けが必要なケースも

実店舗の意義を検討してきましたが、実際には店舗立地×お客様の属性で、打ち出す商品や接客スタイルには違いがあると思います。それに伴い、O2Oの仕掛けも別途で用意する必要もあるでしょう。下記は都心、郊外の両方のショッピングセンターに店舗を有するブランドを想定した例です。

3.2:店舗の特性に応じた〇2〇の築き方

いかがでしょうか?今回は少しSNS、EC寄りの話題が多かったのですが、実店舗⇔自社ECのフローを独自スタイルにして、ブランドのファンを先に持っておくことが、新商品情報の発信に役立ち、各販売拠点を繋いで成果になることをご理解いただけたか?と考えます。
次回以降は、実店舗の商品構成(=店舗MD)の精度向上に関するトピックに触れたいと思います。これにも最近の動向には以前との変化があります。お愉しみに。

注1:Kastane名古屋店――SNS発信ファン増やす、店員がインフルエンサー(HotZone)
https://messe.nikkei.co.jp/rt/news/138328.htmlOpen a new window

注2:第01回 オムニチャネル時代の実店舗 ”ミラクル” 運営とは?
http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/mikata/column/kurokawa/001.html

著者プロフィール

黒川 智生 氏

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

1988年國學院大學文学部史学科卒。(株)ワールド入社。
コルディア部営業、ファッションコンビニエンスストア「ITS‘DEMO」開発、(株)ダブルジェイ事業推進部長を担当。

2006年3月、MINTCAFEとして、東アジア圏のファッション小売における知識創造への貢献をテーマに独立。
以後、日本国内外のファッション系小売各企業様を対象に活動中。
2008年5月、VMIパートナーズ合同会社設立。
https://vmipartners.netOpen a new window

現在、
・一般財団法人 ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール講師
(PFクラス 事業計画+物流基礎、ロジスティクス研究会運営)
https://www.ifi.or.jp/school/Open a new window
・ちよだプラットフォームスクウェア運営協議会委員
http://www.yamori.jp/Open a new window
所属;日本マーケティング学会

専門領域;弊社はファッション領域の「BRANDING」「MERCHANDISING」「LOGISTICS」を進化させる事業戦略構築を専門領域としております。

主な経験分野;

  • インナーブランド SPA業態構築支援(MD計画、販売動向検証、販売組織強化)
  • キャリアブランド 店舗在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 全社在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 店舗+EC在庫一元化プロジェクト推進
  • インナーブランド 百貨店売場開発 コンセプト+VMD基本プラン運用
  • (中国)SPA業態 導入研修+店舗MD&運営力強化プロジェクト推進
  • (中国)日系ブランド集積によるセレクトショップ BUYING&MD推進

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