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富士通マーケティング

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第01回 人事のしくみを変える

「組織活性化3つの施策」―富士通マーケティングにおける事例について―

株式会社富士通マーケティング
取締役兼執行役員常務 飯島 健太郎

2014年09月22日更新

企業を取り巻く環境の変化を背景に、社員の働き方や価値観、キャリアに対する考え方が多様化しています。このようななかで仕事の本質を理解し、企業に価値を生み出すことのできる人材、高いモチベーションをもって、周囲に良い影響を与える人材といったプロフェッショナル人材の育成が強く求められています。

これからの組織にとって欠かすことのできないプロ人材を育成し、どのように組織を活性化したらよいのかを、3回に分けて考えたいと思います。

第1回は、富士通マーケティングで導入した「新しい複線型の人事制度」※について紹介します。

2008年6月に私が当社に異動になった際、当時の社長から「人事制度を見直して欲しい」との話があり、早速、制度の見直しに着手しました。当時の人事制度は、伝統的な職能資格制度で、多くの課題がありましたが、特に、従業員総数約3,500名の半数を占める、「非管理職ミドル」の活性化が大きな課題でした。

まずは、実態調査ということで、各部門(営業、SE、保守、工事)から現場を熟知した統括部長にメンバーになってもらい、人事制度部門WGを立ち上げました。当初は、「人事制度は人事部が考えればいいのではないか」という声もありましたが、検討会議の回を重ねるにつれて、部門WGに参加することで、自部門の課題の解決に向けた人事制度を設計できる、という考え方が主流になりました。

人事部だけで制度設計をすると制度は早く出来上がりますが、職場への説明に多くの時間がかかることになります。あらかじめ、各部門の意見、要望を取り入れていくことで、新制度の説明がスムーズに進み、周知徹底が図られることを狙いとしました。また、外部の専門家のアドバイスが必要ということで、旧知の一橋大学経済研究所の都留 康教授にアドバイザーになっていただきました。

都留教授の近著「日本企業の人事改革」(東洋経済新報社刊)では、今後の課題として、次の3つをあげています。

  1. 自社に適合した賃金制度の選択、特に、非管理職層と40歳以降の専門職層をどうするか
  2. ビジネス・モデルの変化と人事管理との関係、絶えず変化する事業構造に社員格付けをどう対応させるのか、格付けの理念の明確化を
  3. 能力開発の再定義と人材活性化の追求

今回は、制度改訂の中から、特に非管理職ミドル層(専門職層)についての改訂を紹介します。

従来の制度では、従業員総数の半分を占める専門職層1,700人に対して、働き方や特性も多様化するなかで画一的な施策や制度運用だけでは、モチベーションの向上につながらず、幹部社員登用以外のキャリアパスが不明確でした。

そこで、1. 専門職層のキャリアの複線化、2. 対象層の細分化、3. 層別の活性化施策を検討することとしました。

具体的には、層別に相応しい人事上の処遇や施策を推進するため、従来の専門職層(L等級層)の上位ランクとして、LA、LX、Pを設定しました。

キャリア複線のイメージ化

それぞれに求められる能力(役割)は次の通りです。

LA:経営を支えるマネジメント能力(ラインマネージャー候補)
LX:事業に貢献する特定領域のスキル(プロジェクトリーダー、社内専門家)
P:高度な外部資格を有する高い専門性・技術力(社外専門家)

特にLXについては、自らの高い専門性を活かして事業に貢献し、組織にとって必要不可欠な存在であるが、従来の制度ではその貢献に対して、処遇が十分でなかった層のモチベーション向上を図ることを目的としています。

具体的には、豊富な業種、業務知識、商談経験をもった営業パーソン、豊富なプロマネ経験をもったSEなど、「社内の専門家」「一定規模のプロジェクトマネージャ」で、業績への貢献度の高い者が認定されました。毎年10名程度が認定されており、年齢的には、30代後半から50代まで幅広い分布となっています。

新しいLX、Pについては、社内での認知度をあげるため、社長が出席する認定証の授与式を行い、認定者の氏名を社内報、イントラネットへ掲載しました。

労働組合が例年、「総合意識調査」を実施していますが、1. 仕事の貢献・成果に対する昇進・昇格は妥当である、2. 現在の人事処遇制度は働きがいにつながるという2つの設問に対し、制度導入前に比べて、導入後の回答内容で、「評価できる」という割合が、それぞれ、11.5%、7.3%、上がっています。

制度改訂の成果として、特にLX、Pの認定者のモチベーションが向上しました。また、LX、Pの認定者のいる部門を中心に、新しい制度への期待感が上がっています。

また、従来のラインマネージャー(KM等級)への昇格候補者のLAとは別に、LX、Pのうち特に貢献度の高いものについては、ハイパフォーマンスプレーヤーとして、幹部社員と同様の処遇となる上位ランクを新設し、2011年4月から認定しており、2013年現在では5名が認定されています。

これまでの認定者からは、「幹部社員と同様の処遇となったことによってモチベーションが上がった」「社内で幹部社員として認知され、専門性をより発揮しやすくなった」などの声を聞いています。

複線型の人事制度は、各社の事業構造に適合した「能力・役割」の定義をつくることが重要ですが、充分な検討を経て、納得性の高い制度ができあがれば、社員のモチベーションを上げることが期待できます。

次回は、組織の要であるミドルマネージャーの新しい研修制度について紹介します。

※制度の詳細は、「賃金事情」2010年5月20日号、産労総合研究所刊に掲載。

著者プロフィール

飯島 健太郎

株式会社富士通マーケティング

飯島 健太郎

株式会社富士通マーケティング 特命顧問

1977年富士通株式会社入社。同社人事勤労部長を経て、同社ビジネスマネジメント本部副本部長、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ常務取締役、株式会社富士通マーケティング取締役兼執行役員常務を経て、2015年6月より現職。
1998年カナダのマギル大学より経営学修士号を取得、2003年イギリスのエクセター大学ビジネススクールアドバイザリーボードメンバー就任。
一般社団法人日本実業団バスケットボール連盟副会長 関東実業団バスケットボール連盟会長。

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