日置電機株式会社様
西脇 健二氏
日置電機株式会社様 業務課
坂口律夫氏
日置電機株式会社様 製造4課
「これまではバッチ処理でやっていましたので、翌日しか前日の結果が見えませんでしたが、新システムの導入でリアルタイムになりました。営業が手配を入れた時点で、それがすぐにこちらにも分かる。生産の上がり情報など最新状況を把握できるので、即座に納期回答を入れられるし、受注状況もすべてリアルタイムで見えますから、お客様への対応と生産指示がすぐに行える。そういった決断する意志決定がとても早くなっています」と、生産計画に携わる西脇健二氏は語る。
また、日々製造にあたっている坂口律夫氏がハンディターミナル導入後の業務について語ってくれた。「システム導入前は、現場の作業者が生産の合間を縫ってOA端末に作業実績を入力したり、原価別工数を就業時間後にみずから計算して報告したり、さらには別の作業者が原価集計を個々のデータ入力で行っていました。こうした煩雑な作業がシステム導入後はハンディターミナルによってリアルタイムで入力、集計されるようになりました。現場のリーダーにとって作業進捗管理が容易になると同時に、組立作業者は本来の業務である「ものづくり作業」に集中できる環境が整いました」
「例えば、在庫がある製品は瞬時に引き当てて自動で納期回答することも、この新基幹システムで可能になりました。お客様視点に立った、とても価値ある仕組みができあがったと思っています。また、新基幹システムの導入後、売上げが10%ほど増えたのですが、残業時間を見ると従来の半分程度で、経営の効率向上に間違いなく役に立っているといえますね」と荻久保氏も評価している。
また、生産や在庫などの実績収集をリアルタイムで行い、モノの流れと処理を一致させるようにしたため、半期に一度行っている棚卸しの在庫精度は格段に向上したという。
さらに、ハンディターミナル導入により、それまで使っていた紙の帳票や指示書を大幅に削減した。試算では年間67万枚の紙の削減効果が見込めるそうだ。
1.納期遵守率 | 98%以上 |
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2.月次決算確定 | 翌稼働日 10時 |
3.付加価値生産性 | 10%アップ |
4.作業効率化 | 年間12,000時間削減(見込み) |
5.ペーパーレス化 | 年間60万枚削減(見込み) |
6.在庫回転率 | 10%短縮 |
新基幹システムの本格稼働から一段落したいま、次の展開をどのように考えているのか、荻久保氏にお伺いした。
「私たちは、できればこの上田市でずっとやっていきたい。コスト圧縮のために生産拠点を海外に移す企業も多いですが、本社業務もモノづくりも、ここでやり続けることにこだわっていきたいと考えています。ですが、海外よりも製造コストの高い国内でやっていくには、付加価値生産性の向上しかないのです。より良いモノをどこまで低コストで、短納期で製造できるか、つねに考えていかないといけない。そういう危機感がHiPS活動の大きな原動力ですし、今回の新基幹システムの構築にも結びついています。
今回は主に購買から製造、出荷などの領域でリアルタイム生産管理の仕組みを構築しましたが、その他にもモノづくりの根幹となる企画、開発などの領域で3DCADを活用した支援システムを、また営業や代理店、保守サービス領域ではSFAやCRMを組み合わせた仕組みを構築し、それぞれを有機的にリンクさせ、サプライチェーン全体の活性化や効率化を目指していきたいと考えています。
こうした体制強化により、オンリーワンの製品を生み出し、お客様からも地元の方々からも愛される企業として、この上田市で事業を継続していきたいと強く願っています」
日置電機株式会社様が目指す方向
今回のソリューションでは荻久保様や根岸様のリーダーシップのもと、日置電機様のモノづくりのあるべき姿を全社一丸となって追究し、それをITの仕組みで実現することを目指していらっしゃいました。システム導入ありきではなく、業務を主体に考える日置電機様のような手法こそ、ソリューションを成功に導く原動力だと感じています。
今後も、ビジネスパートナーの一員として 適切なサポートと“先”を見すえた新しいご提案で、日置電機様の躍進をお手伝いしていきます。
本社 | 長野県上田市 |
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代表 | 代表取締役社長 吉池 達悦 |
設立 | 昭和27年1月 |
売上高 | 15,171百万円(平成17年 連結) |
社員数 | 542人(連結) |
事業内容 | 電気計測器の開発・生産・販売 |
ホームページ | 日置電機株式会社ホームページ |
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