GTM-MML4VXJ
Skip to main content
  1. ホーム >
  2. 製品 >
  3. コンピュータプラットフォーム >
  4. ストレージ >
  5. 書庫探(しょこたん) >
  6. VOICE ~ETERNUSの現場から >
  7. ETERNUS ディスクアレイの小型化・省電力化の軌跡 ~環境や使いやすさにも配慮、実現させた技術と熱意

VOICE ~ETERNUSの現場から

ETERNUS ディスクアレイの小型化・省電力化の軌跡
~環境や使いやすさにも配慮、実現させた技術と熱意

  • 富士通株式会社
    • ストレージシステム事業本部
      ストレージシステム事業部
      システム実装開発部
      • 青木 賢治
      • 中山 高也
      • 佐々木 祐太

今回は、ETERNUS ディスクアレイの実装設計はどのように行われているのか、小型化・省電力化への積極的な取り組みを中心に、富士通の青木、中山、佐々木に聞きました。


――2011年11月、エンタープライズディスクアレイ ETERNUS DX8000 S2 seriesが満を持して登場。ETERNUS DX60 S2/DX80 S2/DX90 S2およびETERNUS DX400 S2 seriesと同様に、大幅な機能強化と小型化・省電力化を実現した。ETERNUS ディスクアレイを形作る実装設計とは。

実装設計の具体的な内容は?

青木近影

(青木)いわゆるハードウェアの設計には、機能性能を司るプリント板の設計、給電周りを担当する電源設計、装置の機構・フレームを担当する構造設計、装置を構成するコンポーネントを冷やすための冷却設計などがありますが、それに加えすべてのコンポーネントを最適にレイアウトし、パッキングする実装設計があります。
我々システム実装開発部は、実装設計・構造設計・冷却設計を担当していますが、これらを総称して“実装設計”と呼ばれています。

実装設計において検討すべき課題や内容は?

(中山)実装設計においては各コンポーネントが最適に結合されることで期待する機能・性能を発揮し、一方でお客様やフィールドエンジニアにとって使いやすく、保守しやすいレイアウトや機構を実現します。同時に設置スペースを最小化するような小型化の検討も行います。構造設計では小型化・軽量化を実現すると同時に、HDD周りにおける防振機構、放射ノイズを出さないようにするEMI設計、輸送や地震などの外乱振動・衝撃に耐えるための耐振動性、お客様に安心して使っていただくための安全性、などを考慮します。

(佐々木)CPUやハードディスク、HDD等の発熱体を安定的に冷却し、性能を最大限に発揮させるのが冷却設計です。

――エントリー、ミッドレンジに続き、大きな進化を遂げたエンタープライズディスクアレイ ETERNUS DX8700 S2の特長で特筆すべきは、やはり大幅な小型化・省電力化だ。従来機と比べて、約58%減の小型化、約53%減の省電力化を実現している。では、小型化・省電力化への取り組みはどのように行われてきたのだろうか。

小型化・省電力化に取り組み始めたきっかけは?

ETERNUS DX8000 S2 series

(青木)企業はCSR(企業の社会的責任)の一環として、環境に配慮した活動に取り組んでいます。我々はETERNUSという製品を通してお客様の活動に貢献しようと考え、小型化・省電力化をDX8000 S2 seriesの大きな設計目標に掲げて開発してきました。
システム実装開発部では、このうち特に「小型化」に関して「現行機比で半減」を実現すべく開発に取り組みました。同時にデータセンターへの導入を容易にする施策とし、従来キャビネット型(フロアスタンド型)装置であったものをラックマウント型装置にインストール形態を変更するよう開発してきました。ハイエンド装置をラックマウント型装置にするのは、当社ではDX8700 S2が初めてであり、他社でもあまり例がありません。装置を小さくすることでお客様の設置スペースを削減し、また既存のラック資産を活用できることで、導入および運用コストの削減を下げることができます。これは大きくアピールしうる商品価値だと考えています。

小型化・省電力化をどのように実現したのか?

約1/2の小型化とラックマウント型への形態変更を実現するため、装置を構成するユニットの小型化と削減をプリント板設計・電源設計を担当するシステムハード開発部とともに検討を開始しました。具体的な取り組みとしては、停電時のバックアップ方式、給電方式、冷却方式、の3つの見直しを進めました。
バックアップ方式の見直しでは、必要バッテリー容量を削減するとともに、従来の鉛バッテリーから、よりエネルギー密度の高いニッケル水素電池を採用することにより、大幅なスペース削減を実現しました。また、装置内の配電を低電圧化し、電圧変換用のコンバーターを削減することによる部品削減と電圧変換ロスの改善を図っています。一方で冷却構造では、小型ファンを複数使用してユニット単位で冷却する方式から、装置筺体内の風の流れを最適化し、大風量のファンによって装置全体を冷却する方式に変更することで、ファンの搭載数が大幅に削減でき、スペース、消費電力ともに改善しました。

(佐々木)小型化の目途が立ったところでシャーシ(筐体)の構造設計を開始しましたが、フロアスタンド型からラックマウント型への変更がハードルとなりました。構造設計者は当初強度不足を懸念し、フロアスタンド用のラックに用いるような強度の高い厚い鋼板を選択したため、ラックには搭載できないようなシャーシ質量になりました。その後富士通アドバンストテクノロジ株式会社の協力も得ながらシミュレーションを強化し、当初比で35%の質量を削減し、従来機以下の質量密度を実現しました。

小型化・省電力化では冷却効率が課題になるのでは?

(青木)装置の小型化を実現するためには、実装密度を高めることも必要となります。密度の高まりで装置内の圧力損失が大きくなるため、冷却ファンの負荷が増大してしまい、省電力化の妨げになります。冷却性能、省電力化を満足しつつ、小型化・省電力化を実現させるために、最適なレイアウト、最適なファンを選定すべく熱シミュレーションを繰り返し行いました。

中山近影

(中山)ETERNUS DX80 S2/DX90 S2では、装置の使いやすさを考慮し、装置の前後から部品を交換できます。その前後の部品を相互接続するために装置の中央にミッドプレーン(注)を配置しているのですが、冷却風が装置内を流れるようにミッドプレーンに風穴を開けなければなりません。プリント基板の配線設計や構造設計の立場からは穴は小さい方が良いのですが、冷却設計の立場では冷却効率を上げるためにできるだけ大きくしたい。このようにいろいろな観点からの要求を中間に立って調整し、最適値を決定するのが我々の仕事になります。すべての製品に言えることですが、この調整がなかなか大変です。

(注)筺体の中央部に配置されていて、前面と背面のユニットをプラグイン接続できるプリント基板。

――S2として機能強化されたETERNUS ディスクアレイは、環境への配慮、運用コスト削減につながる小型化・省電力化とともに、使いやすさにもこだわった。また、最新技術を採用したスループット性能の向上、管理ソフトウェアによる操作性・運用性の向上を実現した。さらに、欧米市場シェアの拡大を視野に、グローバル製品としての機能強化にも力を入れている。

グローバル化に向けた、実装設計者の役割は?

(中山)各国では、安全・環境に関する規制を独自に持っています。それら各国の規制をFujitsu Technology Solutionsとともに整理し、規制についての対応、認定取得を我々が主体となって行っています。ETERNUS DX seriesはCSA(Canadian Standards Association)やUL(Underwriters Laboratories Inc.)など海外の安全規格認定を受けていますが、認定基準以上の安全を確保し、お客様に安心して使用していただけるよう配慮することも実装設計者の役割です。またコスト競争力の高い海外のサプライヤーと協力し、構造部品のコストダウンの推進や、競合他社と伍して戦うため、設計の基準を製品の価値に見合った値に見直す作業も常に行っています。

(佐々木)環境面では省電力化だけではなく、RoHS指令やREACH規制など有害物質や環境負荷が大きい物質の使用制限を定めた規制が年々厳しくなっています。富士通では、将来の規制強化を見据えたより厳しい使用制限を独自に定めており、我々設計者はその制限に則って材料選定を行っています。

――最後に、ETERNUS ディスクアレイの実装設計業務に関して、思い、また今後について聞いた。

今後どのような製品を作っていきたいか。

(青木)今後も小型化、省電力化を進めていきたいと考えています。その中で特に我々構造設計の技術力を発揮できる小型化・軽量化に取り組んでいきます。例えば新しい材料や加工方法を調査、検証を重ね、お客様により魅力ある製品を提供していきたいです。

(中山)我々の業務は、装置全体のレイアウトの検討から始まり、ユニットのレイアウト検討、部品の詳細検討をし、最後は部品図面まで描き上げていきます。その間に、メーカー、工場やサポート部門などの関連部署と打ち合わせを行い、製品をよりよいものに仕上げていきます。何か問題があれば、その関係部門と折衝しながら、改良を加えます。このような折衝や調整は、やはりいつ行っても大変です。しかし、そうした折衝を妥協せず行っていくことで、より小さく、高密度で、パフォーマンスに優れた製品を世の中に送り出すことができるのです。そうした製品開発をこれからも行っていきたいと考えています。

佐々木近影

(佐々木)これまで以上にグローバル市場を意識した製品開発を行いたいです。そのためには常に技術動向を広く調査し、またお客様のお問い合わせ、リクエストを次の製品に反映していく取り組みをこれからも続けていきたいです。

最後に仕事に対する熱い思いを聞かせてください。

(青木)みんなに感謝される製品を作っていきたいですね。お客様にたくさん買っていただくのが一番うれしいですが、使いやすさにもこだわっているので、実際にご使用いただき「操作しやすくなったよ」と評価いただけるときが、うれしいです。また製品を製造している工場の方に「これ組み立てやすくてすごく良くなったよ」と声をかけられるとすごく励みになります。

(中山)我々の業務は設計したものがそのまま形となります。そこが面白いところですね。自分の専門性、技術力を持って、さらに良い製品を作っていきたいです。

(佐々木)実装設計には、構造だけでなくて熱などさまざまな分野の知識が必要です。これからも想像がつかないような新しい構造などを実現できる分野だと思っています。この分野で新しい機能や製品を作っていきたいな、と思います。

――環境や運用コストの問題を考えると、ディスクアレイにはより一層の小型化・省電力化が求められていくだろう。富士通は、パフォーマンスおよび信頼性の向上と同時にさらなる小型化・省電力化を追求し、お客様により良いディスクアレイ製品を提供する努力を間断なく続けていく。

(注)取材日:2012年1月11日
本稿記載の肩書きや、固有名詞等は取材日、または公開日時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

次回 「ETERNUS CS800 S3 デデュープアプライアンス
重複排除技術により、災害対策を視野に入れた効率的なバックアップ運用を実現」

掲載日:2012年2月15日


ETERNUSサイトについて | サイトのご利用方法 | 総合索引

GTM-5LTXMS