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VOICE ~ETERNUSの現場から

1つの技術・製品は、開発、販売、サービスなど、数多くの担当者の手を経て世に送り出されます。「VOICE ~ETERNUSの現場から」では、富士通ストレージシステム「ETERNUS(エターナス)」の技術・製品にかかわる担当者にスポットをあてて、開発や販売にまつわるエピソード、製品への熱い想いなどを紹介します。

ETERNUS CS800 S3 デデュープアプライアンス
重複排除技術により、災害対策を視野に入れた効率的なバックアップ運用を実現

集合写真
左から 佐々木 / 大原 / 所 / 市村

  • 富士通株式会社
    • ストレージシステム事業本部
      ストレージソリューション事業部
      CS・VT開発部
      • 部長 佐々木 誠
      • 大原 常好
      • 所 宏朋
      • 市村 利夫

今回、注目の最新技術である重複排除を採用したETERNUS CS800 S3 デデュープアプライアンスについて、重複排除技術でどのようにディスク容量が削減されるのか、どのような場面で利用すれば効果が得られるのかとあわせて、開発での苦労話や今後の展望などを、富士通の佐々木、大原、所、市村に聞きました。


――企業情報システムが扱うデータ容量は、2010年を基準に年平均約46%ずつ増加し、5年後には約7倍になるとの予測がある。このような状況の中、企業の注目を集めているのが重複排除技術。製品市場規模も2009年の5億円から2010年には約6倍の30億円へと伸びている。富士通は、こうした市場の急成長を背景に、バックアップ運用効率や災害対策に役立つソリューションとして、2010年8月末、最初のETERNUS CS800 デデュープアプライアンスをリリース、さらに、順次ラインナップを充実して、機能強化を図っている。

ご担当の業務は?

(佐々木)ETERNUS CS800の開発部の部長を務めております。製品はドイツのFTS(Fujitsu Technology Solutions)が基本設計を行っており、我々は日本で安定して使用できるように、富士通規準に合わせて日本向けに製品化しています。フィールドでのトラブル対応や拡販なども我々の仕事です。

(大原)CS800のハードウェア担当です。日本で製品化を行うために、工場用の製造ドキュメントを作成したり、RoHS指令(EUにおける電子・電気機器に対する特定有害物質の使用制限の指令)などの法規制への対応を行ったりしています。

(市村)私はマニュアルの日本語化や拡販資材の開発などを担当しています。ほかに、市場動向の調査やお客様との商談対応なども行います。

(所)製品の評価や検証の担当です。それ以外にも、お客様が製品を導入するときのサポートを行います。

重複排除製品市場が急成長しているが、お客様への普及度は?

(佐々木)重複排除はそれほど新しい技術ではありませんが、重要な技術製品として、数年前から各社がこぞって製品を出し始めました。

(市村)バックアップデータの容量が大きくなるほど、テープでのバックアップは手間とコストがかかります。そこで、仮想テープライブラリ製品が登場したのですが、ディスクが高価でした。必要な容量は増え続けるので、今度は、ディスク容量を大幅に削減できる重複排除製品を導入する。という流れで、普及し始めています。

佐々木「企業で製品の導入が本格的に進むのはこれからでしょう」

(佐々木)重複排除というキーワードは広まっていますが、企業で製品の導入が本格的に進むのはこれからでしょう。どのような場面で、どう利用すれば、どのような効果が得られるか、多くのお客様にお伝えできていないのだと思います。そのため、富士通の重複排除技術搭載ストレージ ETERNUS CS800がどのような製品かを知っていただくために、デモ機の貸し出しやそのためのサポートなども行っています。

――重複排除製品の仕組みや有効な用途については具体的にイメージしにくいかもしれない。どのようなメリットがあるのか。どのような場面で利用すると効果的なのだろうか。

重複排除の仕組みとは?

(佐々木)重複排除は、同一のデータを格納せずに必要なデータだけを格納することで格納容量を削減したり、必要なデータだけを転送することにより転送量を削減したりする技術です。
実現方法は様々ですが、基本的な仕組みは、次のようになります。

重複排除の仕組みの説明図

  1. 格納するファイルをサブブロックに分割します。
  2. 分割したサブブロックに唯一の識別子を付与します。
  3. さらに、ファイルを構成するサブブロックの識別子の並びを記した、ファイルの設計図を作成します。
  4. 次に、以前に格納したサブブロックに付与されている識別子の中に同一のものがあるかどうか確認します。
  5. 同一の識別子がある場合は、そのデータは格納せずに、すでに格納されているサブブロックにリンクします。
  6. 同一の識別子がない場合は、新規データに圧縮処理をかけて格納し、それにリンクします。

CS800は、どのように利用されることが多いのか。

(佐々木)災害対策のための遠隔地へのバックアップというケースが多いです。CS800を2台セットで導入し、例えば東京に1台、大阪に1台導入してイーサネットの回線でつなぎ、東京のデータをバックアップして大阪に送るという使い方で利用されています。
毎日1TBのデータをバックアップして東京から大阪に送る場合、従来の方法では複数世代バックアップするので、10日間分のデータには10TBのディスクが必要になります。重複排除機能を利用すれば、2日目以降は前日と同一の内容のデータは送らず、ユニークデータのみを送ります。さらに圧縮をかけるので、送るのは1TBのうち数百GBのみです。結果として10日間で1TBのディスクで済み、使用するディスク容量は、1/10に削減できます。

CS800はどのような場面で有効か? また、導入のメリットは?

(佐々木)やはり災害対策でしょう。震災以降は、計画停電などもあり、数百km以上離れた場所にデータを保管しなければ対策として意味がないといわれています。テープによるバックアップ環境を利用する場合、遠隔地へのテープの保管にも有事の際のリカバリーにも運送費がかかります。データ量が増えれば、テープ管理の手間やコストも大きくなります。
CS800を利用すれば、運送費や管理コストを削減できます。さらに、重複排除機能によりユニークデータのみを送るので、安価な低帯域の通信回線での運用が可能です。

市村「使用するディスクも1/10になります」

(市村)バックアップデータを1/10にできるということは、使用するディスクも1/10になります。使用するディスクが少ないため、消費電力もその分小さくなり、使用電力の削減効果と設置スペースの削減を期待できます。

(所)数多く仮想化サーバを運用している環境でバックアップする場合、特に使用ディスク容量を大きく削減できます。仮想化サーバのイメージファイルはほぼ内容が同じなので、重複データはバックアップされません。バックアップデータの容量が8~9割削減されるという検証結果もあります。少し違うデータがたくさんある場合には、CS800の重複排除が非常に有効に機能します。

――CS800は、最初のリリースが2010年8月末。2011年2月のCS800 S2のリリースに続いて、2012年4月にCS800 S3がリリースされた。CS800 S3ではどのような機能拡張が行われたのか。

CS800 S3の特長は?

(大原)CS800 S3では、Entryモデルが2つに増え、用途や必要なデータ容量に合わせて選びやすくなっています。また、各モデルで性能が大きく向上していますが、特にPerformanceモデルではSPEED機能(注1)により、高性能かつ高い重複排除率での利用を実現しています。

(注1) 装置内部で行っていた重複排除 / 圧縮処理をバックアップサーバ上に委譲することができ、バックアップサーバから転送するデータから重複部分を取り除きかつ圧縮されるため、ネットワークを流れるデータ量を大幅に削減することが可能。

製品変遷

(佐々木)CS800 S3では、全モデルでマルチIPアドレスに対応しています。これまでIPアドレスは1つで、データ転送の経路が限られていました。マルチIPアドレスのサポートにより、複数の経路で並行してデータを転送できます。

(所)CS800 S3ではより簡単に導入、設定いただくためにウィザード機能を強化しています。このウィザードに従えば、簡単にネットワークやNASの設定ができるため、より導入しやすくなります。

(佐々木)他社の製品の多くでは、基本機能といえるものさえオプション扱いされており、それを利用しようとするとオプション料金が付加されます。CS800では、容量を拡張する場合は料金が発生しますが、それ以外の機能拡張はすべて標準で利用できます。富士通の特長と言えるでしょう。

――CS800は、富士通の関連企業であるドイツのFTSが開発元である。他社の製品を日本で製品化するという点ではOEMと似た形式で開発している。開発元とのやりとりなど、担当業務ではどのような苦労があるのだろうか。

業務上苦労することは?

(所)富士通で一から開発している製品ではないので、動作を調べたり検証したりしないとわからない部分もあります。さらにわからないことがある場合には、開発元のFTSに聞きますが、そのためにはネットワーク、NAS、接続するOSなど幅広い知識が必要になります。
トラブルが発生すると、原因の切り分けが大変ですが、解決して、フィールド担当から「助かりました」と言われると非常に嬉しいですね。

(佐々木)最初の製品開発では、ドイツですでに製品がリリース済みだったため、日本での製品化を急ぎ、各部署の協力を得て2か月という短期間で発表しました。開発期間は短かったものの、お客様の問い合わせにすぐにお答えするために、製品に関するナレッジの蓄積に努めました。事あるごとにドイツへ問い合わせていたのでは時間がかかるため、製品を詳しく理解することが欠かせません。

大原「再評価を実施して厳しく品質を維持しています。」

(大原)日本では製品の評価基準が違うため、部品レベルで仕様の詳細を確認し、再評価を実施して厳しく品質を維持しています。

――最後にCS800に対する今後の展望と担当者の熱い想いを聞いた

今後の展望や想い

所「お客様からの要望や、日本の市場動向をより一層反映させたい」(所)今後は、お客様からの要望や、日本の市場動向をより一層反映させるために、FTSに要望として出しながら、徐々に機能を増やしていきたいですね。

(市村)ドイツで製品化された後に、日本でいかに早く製品化するかが課題ですね。お客様のために新しく開発された製品を日本でも、すぐにご実感いただき、活用してほしいので、早くドイツと日本で同時に発表する体制を作り、お客様に提供していきたいです。

(大原)FTSや他の部署ともっと密に協力体制を構築したいですね。日本では製品の評価基準が違うため、国内評価には時間が必要です。FTSとの協力体制をさらに進めていけば、品質保証部門などの業務を一体化し開発を進め、ドイツと日本の業務分担により一緒に評価するなどの仕組みが可能になると思います。

(佐々木)CS800 S3が出たばかりですが、すでに次の開発に向け準備しています。より高性能に使いやすく、機能を充実していくことが必要です。この製品の利用価値と市場性を考えれば、これからもっと普及していく製品です。重複排除製品市場でのシェアを伸ばすために今後も努力していきたいと思います。

――事業継続のためのデータ保全は多くの企業にとって常に考えなければならない課題である。急成長を続ける重複排除製品市場がそれを裏付けているといえよう。今後は、バックアップデータに限らず、業務データにも、重複排除のニーズが高まっていくと思われる。富士通は、お客様のご要望に応えるために、新しい技術や機能を積極的に取り込み、ハイパフォーマンスな重複排除技術を搭載した製品を今後も提供していく。

(注) 取材日:2012年3月6日
本稿記載の肩書きや、固有名詞等は取材日、または公開日時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

掲載日:2012年4月24日


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