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VOICE ~ETERNUSの現場から

1つの技術・製品は、開発、販売、サービスなど、数多くの担当者の手を経て世に送り出されます。「VOICE ~ETERNUSの現場から」では、富士通ストレージシステム「ETERNUS (エターナス) 」の技術・製品にかかわる担当者にスポットをあてて、開発や販売にまつわるエピソード、製品への熱い想いなどを紹介します。

ETERNUSディスクアレイ「SPC Benchmark」
SPC BenchmarkでETERNUSの性能を見える化

今回は、SPC Benchmarkとは何か、富士通ではどのようにSPC Benchmarkに取り組んでいるのか、性能測定結果からわかることなどについて、富士通の萩原、樋口、成瀬に聞きました。


  • 富士通株式会社
    • ストレージシステム事業本部
      ストレージシステム事業部 性能・接続性技術部
      • プロジェクト部長  萩原 哲也
      • 樋口 憲二
      • 成瀬 明宇

――ETERNUSディスクアレイの性能を知りたい。そのようなとき、指標の1つとなるのがSPC Benchmarkによる性能測定値だ。富士通は、ストレージのベンチマークテストを標準化し、推進する非営利団体、SPC(Storage Performance Council)に設立当初から加盟しており、同団体が定めるSPC Benchmarkを実施してその結果を公開している。では、SPCとはどのような目的で設立されたのだろうか。また、SPC Benchmarkではどのようなことがわかるのだろうか。

SPCの設立目的は?

(萩原)「性能」というのは数値が一人歩きしやすい情報です。ベンダーは、ストレージ製品を販売するのに都合の良い条件で性能測定を行いがちです。お客様の実際の運用環境ではなかなか出にくい高い数値でも、性能測定値として公開してしまう。そうするとお客様には何の利益にもならないし、製品を比較する際にもフェアじゃないことが問題になります。

そこで、ベンダーに偏らずにニュートラルな立場で同じ条件のもとにストレージ製品の性能評価を行えるようにしましょう、という趣旨でSPCが設立されました。現在では、その趣旨に賛同するストレージ関連ベンダー35社が加盟しています。

SPC Benchmarkで測定する性能は?

萩原近影

(萩原)ストレージの性能を測るときの指標には、ランダムI/O性能とシーケンシャルI/O性能の2つがあります。ランダムI/O性能は、データベースやオンライン系の業務アプリケーションを実行するときの単位時間あたりのI/O数などで表されます。これがSPC Benchmark-1で測定する性能です。一方、シーケンシャルI/O性能は単位時間あたりに連続してリード・ライトできるデータ容量などで表されます。これをSPC Benchmark-2で測定します。

なぜ「フェアな性能測定」が可能なのか?

(萩原)たとえば、ストレージに対してリードやライトを行う領域を極端に小さくして性能測定を行うと、ほとんどがキャッシュで処理されるため、非常に高い性能を示す数値が出ます。でもそれはお客様が業務で使うときには役に立たない数値です。SPC Benchmarkでは、オンライン系の代表的な業務を想定したモデルを定義しています。各ベンダーはそのモデルに従って測定環境を構築し、ベンチマークテストを実施します。性能を出す目的で特殊なチューニングを行ったりすることはできません。あくまでお客様のところで再現可能な環境でなければなりません。どのような環境でどのようなテストを行ったかをすべてエビデンスとしてSPCに提出し、監査を受けます。監査が通った結果だけが、SPCのWebサイトで公開されます。

SPC Benchmarkによる性能測定値の見方は?

(萩原)SPC Benchmark-1では、IOPS(Average I/O Transactions per Second)値を測定します。これはストレージが1秒間あたりにランダムに処理可能なI/O数で、この数値が高いほど製品の処理速度が速く、性能が良いことになります。ただし、IOPSの値は読み書きするデータの容量や種類などによって変わるため、記憶容量やデータの保護レベルなどが適切かどうかを考慮する必要があります。

また、IOPSあたりの価格を表すPrice-Performanceが重要です。たとえば、測定環境にコストをかければかけるほど高い性能 (IOPS) を得られますが、Price-Performanceが悪くなってしまいます。性能の良いストレージ製品がほしいが、コストはなるべく抑えたい場合には、Price-Performanceが優れている点に着目して測定値を見ていただければと思います。

富士通では、お客様の立場で考え、IOPS値を高くするだけでなく、Price-Performanceが優れている点に着目して、SPC Benchmarkのベンチマークテストに取り組んでいます。

――性能グループのメイン業務は、設計どおりに性能を確保するための製品の性能評価である。製品を出荷した後も、お客様の要望に応じて性能評価やボトルネック分析を行う。多忙な業務の中で、SPC Benchmarkはどのように行われているのだろうか。また、どのような苦労があるのだろうか。

SPC Benchmarkを行う時期は?

(樋口)理想的なのは、製品の出荷と同時にSPC Benchmark 性能測定値を公開することです。社内でもそのように希望する声があり、その要望に応えようと努力していますが、製品出荷前の性能評価やボトルネック分析のほうが優先度が高いために残念ながら出荷時には間に合わせられないというのが現状です。

先日発表となった「ETERNUS DX」 のS2の測定結果は?

成瀬近影

(成瀬)現在準備に取り掛かっています。製品化のための性能評価では、スループット(シーケンシャルI / O性能)が「ETERNUS DX80 S2 / DX90 S2」については当社従来機比で最大2.2倍、「ETERNUS DX410 S2」については当社従来機比で最大4.2倍という結果が出ており、ベンチマークテストでも良い性能が出ると予想しています。SPC Benchmark-1はもちろん、SPC Benchmark-2が特に大幅に向上すると見込まれますので、結果に注目してください。

SPC Benchmarkはどのように行うのか?

(樋口)まずどのような構成で測定環境を構築するかを考え、その環境での目標値を立てます。
次に、いろいろな部署と交渉し、環境を構築するための部材、テストの実施場所、電力などを確保できたら、測定環境の構築とチューニングを行います。業務処理をエミュレートするアプリケーションへのメモリの割り当てや負荷を発生させるためのパラメーターなどをいろいろと変えてベストの性能が出せるようにチューニングを繰り返しながら、ベンチマークテストを実施します。

実施期間は?

(成瀬)約2ヵ月ほどですが、実はベンチマークテスト自体にはそれほど日数はかかりません。部材の調達や場所の確保、環境のチューニングに費やす時間がかかるのです。また、テスト結果をまとめてエビデンスとしてSPCの担当者に提出し、監査を通るまでに約2週間かかります。

苦労することは?

(萩原)ストレージ製品単体ではなく、お客様が購入できるシステムを想定して性能評価を行わなければなりません。新しい製品のベンチマークテストでは、その製品に搭載できる新しいタイプのディスクを用意する必要があります。古いディスクを再利用できないので部材の調達には毎回苦労します。 また、サーバ環境の準備やチューニングが大変です。どれだけ性能が出せるかだけでなく、コストも考えていかなければなりません。優れたPrice-Performanceが出せるように、サーバ製品の部署に協力を仰ぎながら、試行錯誤して調整します。

樋口近影

(樋口)ただ、装置を動かせばよいというテストではないため、ストレージ以外にも、SolarisやWindowsなどのサーバや業務アプリケーションなど、幅広い知識やスキルが求められます。それでも自分たちで解決できることばかりではないため、わからないことは他部署に教えていただかなければなりません。

他社の性能測定値は意識するか。

(成瀬)それはやはり気になります。IOPS値がすべてではないとはいえ、目標のIOPS値を達成できたのにすぐに他のベンダーに追い越され、がっかりしたこともあります。こればかりは競争なのでしかたがないことです。

(樋口)逆に世界最高値を達成できたときには本当に嬉しいです。「世界で1番」と認めてもらうということですから。成果が目に見えると達成感も大きいです。

――最後に今後の展望について聞いた。

今後の展望は?

(萩原)SPC Benchmark-1 / Energyという新しいカテゴリがあります。これはSPC Benchmark-1の性能測定に、省電力の指標を加えたベンチマークです。今後、特に日本では注目を集めていくでしょう。

また、最近では今までSPC Benchmarkに取り組んでいなかったストレージベンダーがSPCに加盟しています。こうした各ベンダーの動きにより、商談においてSPC Benchmarkの性能測定値が重視される場面が増えると思われます。おそらく他のベンダーの動きも活発になってくるでしょう。新しいカテゴリや性能測定値をいかに早く公開するかなどを課題として検討するとともに、今後さらに積極的にSPC Benchmarkに取り組んでいきたいと考えています。

――SPC Benchmarkという標準のベンチマークテストによる性能測定値の公開は、お客様に製品を比較検討するためのフェアな情報をご提供できるだけでなく、ストレージ製品の性能向上を追及した成果を明確化できるという意味で、非常に有意義と言える。富士通が現在までに公開した性能測定値、そして今後公開していく性能測定値をぜひともご活用いただきたい。

(注) 取材日:2011年5月18日
本稿記載の肩書きや、固有名詞等は取材日、または公開日時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

次回 「ETERNUSの製造現場「富士通ITプロダクツ(FJIT)」を探る
より良い製品をお客様に提供するために――品質にこだわるものづくり」


FJIT現場レポート 「ストレージの製造過程を見学してきました!」

掲載日:2011年7月12日


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