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Fujitsu

Japan

第3回 テープストレージ未来対談:
ビッグデータ/IoT時代のお客様のビジネスを
支えるデータストレージとして

攻めのICT時代を語る2015「テープストレージ未来対談」:富士フイルム様×富士通

コンピュータ用磁気テープで世界シェアトップの富士フイルム様との未来対談。ETERNUSのテープシステム(装置)で利用可能な磁気テープを生産している富士フイルム様の神奈川工場小田原サイトで、過去・現在を踏まえ「テープストレージの未来」を語っていただいた。

現在、そして今後のテープストレージに対するニーズはどのようなものでしょうか

 FJ(橋本)

ハードディスクの登場後はテープの役割はバックアップが中心でしたが、最近のようにシステム統合によってサーバの仮想化が進んだことでD2D(Disk to Disk)バックアップが増え、テープへのバックアップはいらないよという状況も出てきました。しかしテープを使うことのメリットはいろいろあって、バックアップ以外にもテープストレージの使い方があり、変わってきていることをお客様はなかなか気付けない。そこは我々が気付かせてあげるところだと考えています。

対談風景

 FF(江尻)

国内のお客様から富士フイルムによくご相談いただくのは、映像系のお客様から「大容量の非構造化データをうまくハンドリングできるソリューションはないか」というお話です。データを利活用するためのアーカイブとしてのご相談は多いですね。

しかしテープの利活用は海外のほうが進んでいて、日本のテープの使用率は5割程度ですが、例えば北米は8割くらいあります。この差の理由としては海外のほうが、データをアーカイブしておき、それを使ってビジネスを生み出していく流れが進んでいること。そしてもう1点、自己防衛のためのデータアーカイブも多いことです。法律でデータ保存が決められていたり、訴訟に備えてデータを証拠として残しておくといったことが日本よりも厳しく、そのために大容量・高信頼のテープにデータを保存していると考えられます。

 FJ(高野)

おっしゃる通り、日本版SOX法はそれほど厳しくなく、それに投資しているお客様も海外に比べて少ないですね。その一方で、海外とのビジネスが増える中、BCPの一環としてデータをアーカイブする必要があることに気付き始めているお客様もいらっしゃいます。また、テープストレージはお客様のビジネスを支えるツールとしても充分活用できるものになってきていますので、映像配信のようにビジネスに直結するところでのテープストレージのニーズに対しても、一つひとつの要求事項に沿ってシステムを構築し、お客様の新しいビジネスにつなげていければと思います。

 FJ(橋本)

ディスクが登場した時に「テープは終わる」と言われていたにも関わらず、いまだに需要があるのは、テープストレージには圧倒的なコストメリットがあるからです。消費電力も、テープストレージは動かさなければ電力がかかりませんから、ハードディスクの10分の1の消費電力で済みます。TCOの観点からもお客様にとっては魅力的なソリューションです。

 FF(江尻)

テープの容量の伸びしろがあるのと同じように、テープの使い道が変わってきて、マーケットの伸びしろもかなりあると思っています。新しいニーズを喚起するために、なにかメディアで仕掛けができないか、そのためにシステムベンダーさんとコラボレーションして、お客様にはどういったニーズがあって、それに応えるにはどういうことをしていけばいいのか、ぜひ一緒に取り組ませていただきたいですね。

対談風景

テープストレージ市場は今後どのような方向へ向かい、また今後ベンダーに求められることは何でしょうか

 FF(柴田)

ビッグデータやIoTをはじめ、データを生み出す機会は劇的に増えています。そしてそれを活用する、あるいはデータを解析してシミュレーションするなど、データ量が増える材料はいくらでもあります。富士フイルムとしてはそれらにお応えできるように、記録メディアの容量をアップしていくことが一番求められていることだと思います。私どもの事業部ではさまざまな記録メディアを手掛けていますが、ハードディスクに比べるとテープの面積当たりの記録密度は低く、まだまだ記録密度を高める余地があります。

磁気テープ拡大図
画像提供:富士フイルム株式会社

 FF(野口)

BaFeは今後10年の商品化ロードマップに対応できる材料だと考えていますが、さらにその先を見据え、BaFeにこだわらず新しい磁性体を研究開発していくことも求められていると思います。

 FF(柴田)

データ量が加速度的に増える中、お客様にも予算上の制約がありますので、データをいかに効率的に保管するかがカギになってきます。例えばコールドデータをテープに保管するなど、テープとハードディスクをうまく使い分けることでお客様にとってのメリットになるように、磁気テープの価値や将来性をご理解いただけるよう努めたいと思っています。

 FF(江尻)

消費電力に関しては、お客様のコスト削減はもちろんですが「グリーンIT」という切り口で、企業の社会貢献の観点から注目されています。データセンターの消費電力は日本でも膨大になってきており、原発事故以来、特に問題視されています。富士フイルムは、富士通様も参加されているJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)のグリーンIT委員会に参加し、テープストレージがデータセンターの消費電力削減に貢献できることも訴求していきたいと思っています。

対談風景

私どもは、いろいろなセミナーでテープメディアの技術を紹介させていただく機会がありますが、やはりお客様としては「システム全体としてどんなソリューションがあるのかを知りたい」「ソリューションを提案して欲しい」とおっしゃいます。なかなか弊社単独ではそういうシステム全体の話は提案できませんので、富士通様を含めたシステムベンダーとの協働でお客様にお伝えできればと思っています。

 FJ(高野)

大容量データの箱の1つとして、テープストレージは非常に有効です。ただ、システム開発者として我々が考えなければいけないのは、大容量のデータを1つの箱にどさっと入れてしまっては、あとで探そうにも探せない。探せなければただのゴミになってしまいます。そうならないように、お客様が欲しいデータを簡単に呼び出し、活用できる仕組みを考えていく必要があります。テープは特性上、データをランダムに素早く呼び出す処理はディスクにかないません。
しかし、お客様の課題を解決するためにテープが有益に作用するポジションは必ずあると思います。大容量データを安価かつ安全に保管できるというテープストレージのメリットを最大限活かすよう、システム全体を見た上で最適なソリューションをご提案できることが富士通の強みです。富士フイルム様にもぜひご協力いただき、ともに価値あるテープ製品の普及につなげていきたいです。これからもどうぞよろしくお願いします。

集合写真

(前方左から)

富士フイルム株式会社 江尻 清美 氏、柴田 徳夫 氏、野口 仁 氏

(後方左から)

富士通株式会社 佐藤 淳一、高野 明、橋本 恒二郎


未来を見つめ革新し続ける富士フイルム様とともに、富士通はこれからもお客様のビジネスイノベーションを支えるテープストレージを提供していきます。

【富士フイルム株式会社 概要】
所在地 [東京ミッドタウン本社]
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-3
[神奈川工場小田原サイト]
〒250-0001 神奈川県小田原市扇町2-12-1
代表取締役会長・CEO 古森 重隆
設立 2006年10月2日
※富士フイルム株式会社は、富士写真フイルム株式会社の事業を継承し、新たに設立となりました。
資本金 40,000 百万円(2015年3月31日現在)
従業員数 5,524名(2015年3月31日現在)
事業内容 イメージングソリューション(カラーフィルム、インスタントカメラ、デジタルカメラ、光学デバイス、フォトフィニッシング機器、写真プリント用カラーペーパー・薬品・サービス等)、インフォメーションソリューション(メディカルシステム機材、ライフサイエンス製品、医薬品、グラフィックシステム機材、フラットパネルディスプレイ材料、記録メディア、電子材料)の開発、製造、販売、サービス
ホームページ
http://fujifilm.jp/Open a new window

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掲載日:2015年10月13日

製品情報

ETERNUS LT series 製品図 テープライブラリ
カートリッジテープ上のデータを暗号化し、情報の漏洩と機密情報の
改ざんを防止するセキュリティ・バックアップソリューションを提供

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