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ストレージ仮想化の導入によるコスト削減の実現

ストレージの効率利用やコスト削減を実現する新技術として、ストレージ仮想化が普及の兆しを見せている。IDCがストレージ仮想化を導入済み / 計画中の企業に対して行った調査結果をもとに、ストレージ仮想化にはどのようなメリットがあるのかを改めて確認するとともに、ストレージ仮想化の導入に際して解決すべき課題を検討し、どのように導入を進めていくかを考察する。

(注) 本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1人~999人以下、大規模の企業=1,000人以上と定義している。

ストレージ仮想化の導入目的と期待効果

仮想化とは、ハードウェアの物理的構成を隠し、論理的に構成し直して活用する技術のこと。たとえば、部署ごとにストレージを利用している場合には、それぞれのストレージに未割り当ての部分が生じやすいうえ、運用管理の手間もストレージの数だけ大きくなる。ストレージを仮想化すると、複数のストレージを論理的に1つのストレージとして扱うため、ディスク容量と運用管理を集約化でき、効率的な利用と運用が可能だ。ストレージ容量を仮想化するシン・プロビジョニングを導入すれば、論理的に必要なディスク容量のみを割り当てられるため、物理ストレージの数を削減でき、企業データの急増にあわせてストレージへの設備投資を急ぐ必要もなくなる。
IDCが外部ストレージ仮想化を導入済みあるいは計画中の企業に対して行った調査では、企業がどのような効果を期待してストレージ仮想化を導入するかがわかる。

外部ストレージ仮想化の導入目的に関する図

「ストレージ仮想化の導入目的」という調査結果では、多くの企業が「ハードウェアコストの削減」「ストレージ資産の有効利用」「ストレージ容量の有効利用」「ストレージ運用 / 管理の効率化」「ストレージ運用 / 管理コストの削減」と回答している。いずれもストレージ管理の課題で挙げられている項目である。
最大の目的のトップは「ハードウェアコストの削減」だ。企業はストレージ仮想化による最大のメリットはストレージ導入にかかるコスト削減と考えており、次いでストレージの利用率や運用管理の効率性の向上とそれに伴うコスト削減を期待していることが読み取れる。

導入企業で効果が得られた内容

IDCは、ストレージ仮想化を導入済みの企業に対して実際にどのような効果が得られたかについても調査している。

外部ストレージ仮想化の導入で効果が得られた項目に関する図

「外部ストレージ仮想化の導入で効果が得られた項目」の調査結果は、回答率が高い順に「ハードウェアコストの削減」「資産の有効利用」「容量の有効利用」「運用 / 管理の効率化」「運用 / 管理コストの削減」となった。これは、前述の導入目的と一致しており、企業はストレージ仮想化の導入により目的どおりの効果を得られていることを示唆している。
なお、IDCがストレージ仮想化を導入済みの企業に対して行った「ストレージ新技術の導入後の評価」では、外部ストレージ仮想化の導入について、「期待を下回った」と回答した企業わずか4%にとどまっている。ほとんどの企業が「概ね期待通り」「期待を上回った」「期待を大きく上回った」と答え、この技術を評価している。

外部ストレージ仮想化の導入後の評価に関する図

ストレージ仮想化の導入に向けて

今後ますます普及していくと思われるストレージ仮想化であるが、導入に向けて情報収集するうえで、すでに導入検討されているIT管理者の要求事項をおさえることが重要である。
IDCは、「外部ストレージ仮想化の導入で重視する項目」という調査を行っている。

外部ストレージ仮想化の導入で重視する項目に関する図

回答のトップは「導入コスト」である。ストレージ仮想化の導入にあたっては、仮想化をサポートするストレージや仮想化ソフトウェアの購入が必要になることもある。場合によっては、ストレージシステム、あるいはストレージを利用するICTシステム自体の再構築が必要になるかもしれない。企業のIT投資は上向きつつあるが、まだまだ慎重であり、導入による運用時のコスト削減効果を明確にし、予算を確保することが第一の課題となる。
続く「信頼性 / 可用性」「運用管理の容易さ」との回答は、仮想化がまだ新しい技術であることに起因すると考えられる。ひと口にストレージ仮想化といっても、それを実現する技術はさまざまであり、自社に最適な技術の選択は容易ではない。導入事例もサーバ仮想化に比べるとまだ少なく、運用に関しては、物理的な構成を覆い隠す分、障害発生箇所の特定が難しくなるなどの問題もある。今後、ストレージ仮想化による効率的な利用・運用の利便性を得るには、どの技術を導入するか十分に検討すると同時に、運用管理に携わる担当者のスキルアップも必要になる。

中長期的な視点で導入を検討する

現在、仮想化技術の広がりは、サーバ仮想化が本格的な普及期に入り、シンクライアントによるデスクトップ仮想化も急速に注目を集めている。しかし、サーバ仮想化やデスクトップ仮想化を導入しても、利用効率の悪いストレージが企業のICTシステムにおけるボトルネックとなり、全体的な効率化、コスト削減を阻害する可能性がある。また、部署ごとにサイロ化された状態でストレージを利用し続けると、企業データの増加とともに運用のコストと手間が雪だるま式に膨れ上がり、限りあるICT予算を圧迫することになる。
ストレージ仮想化は、ストレージ管理の課題をすべて解決する万能薬ではない。しかし、IDCの調査結果からわかるように、ストレージ仮想化によって何を解決すべきかを明確にし、そのために必要な技術を検討することで十分な導入効果を得ることができる。また、コスト削減の即効薬でもないことに注意してほしい。現状のストレージシステムのまま運用を続けた場合のコストを割り出し、ストレージ仮想化を導入した場合の運用コストを比較し、中長期的に見てどれだけのコストを削減できるかを見据えたうえで、運用管理が煩雑にならないように検討を重ね、導入を進めていくことが大切である。

富士通では、「仮想化ソリューションセンター」を開設しており、企画、設計から検証、構築、運用まで、専門技術スタッフが、サーバ、ストレージ、ネットワークの各分野横断で技術サポートを行い、お客様の仮想化システム導入を成功に導いています。

更新日:2017年5月31日
掲載日:2011年12月13日


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