バーチャルテープっていうのは、バーチャルという名前のとおり仮想のテープ装置なんだ。
仮想のテープ装置?なんだかいまいちピンときませんねぇ。
ディスク装置の中でテープドライブを仮想的に動かしてるといえば分かるかな?
テープの仮面をかぶったディスクってワケですね。
まぁ、ウニョスケにはその程度から学んでもらえればいいかな。
でもどうしてわざわざディスクで動かすんですか?
それは、ディスクで得られるメリットが多いからなんだよ。
例えば、テープに比べてディスクのバックアップやリストアはとても早いだろ?バックアップが早いということはネットワークに与える負荷も軽減させることができる。
確かにテープとディスクの読み書き速度を比較すると、テープは物理的な動きも多いですしね。
メディアの先頭からシーケンシャルにアクセスするテープと違い、ディスクはランダムにアクセスができるから目的のデータへの高速アクセスが可能なんだ。 それに、ディスクに保存したデータを後からテープに保存するということもできるんだぞ。
アーカイブ的なデータはテープに保存するって運用ですね。仮面の下にすさまじい本性を隠してるじゃないですか。
それだけじゃないんだ。RAIDで構成したディスク上に複数のテープドライブが存在しているように見せることができるんだ。
たくさんのテープドライブが存在してると何がいいんですか?
例えばテープドライブが1台しかない場合は、複数のサーバのバックアップをしたくても同時に行うことができないんだ。
しかし、複数のテープドライブが存在していれば、サーバが複数だとしても並列でバックアップを行うことができる。
いいことが盛りだくさんですけど、そもそもディスク装置として導入すれば仮面なんていらないんじゃないんですか?
ほう、ウニョスケでもその部分に気づいたか。
確かにディスクの恩恵に与るだけなら、テープになりすます必要はないだろう。では、なぜテープ装置の仮面をつけるのか。それはテープライブラリからの移行を想定すると分かりやすい。
仮想である最大のメリットは、既存のバックアップシステムや、運用プロセスなどを大きく変更せずに、そのまま導入できることなのだ。もし、ディスクストレージに変更した場合、それに対応した運用プロセス等の変更が必要となってしまう。
なるほど。これまでと同様のテープライブラリとして見せかけることで、運用管理の現場へのメリットが非常に大きくなるんですね。
そのとおり。テープからディスクへの移行がスムーズに行え、導入も短い期間で行える特徴もあるんだ。
バーチャルテープライブラリとは、バックアップシステムや運用プロセスはそのままに、高速・大容量というディスクストレージの特長を取り入れた、まさに仮面をかぶったストレージというわけだな。
掲載日:2014年5月8日
テープバックアップの運用を変えずにディスクベースの高速バックアップを実現。
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