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Fujitsu

Japan

NetApp Innovation 2016 Tokyo

2月2日、都内にて「NetApp Innovation 2016 Tokyo」が開催されました。本稿では、富士通の講演「お客様の“デジタル革新”を支える、富士通の最先端ハイブリッドクラウド」の内容とともに、ETERNUS NR1000F seriesが搭載された富士通の最先端ハイブリッククラウドの展示についてご紹介します。

掲載日:2016年3月7日

【補足】

本記事で紹介されている「FUJITSU Cloud Service K5」は2018年6月22日より「FUJITSU Cloud Service for OSS」へ名称変更しました。

お客様の“デジタル革新”を支える、富士通の最先端ハイブリッドクラウド
- NetApp Innovation 2016 Tokyo

ストレージ・ベンダーのNetAppは2月2日、都内において同社の年次プライベート・イベント「NetApp Innovation 2016 Tokyo」を開催した。今年のテーマは「データ ファブリックへようこそ」。異なるクラウド環境でも、さまざまな方向に伸びる布の繊維(ファブリック)のようにデータを管理/運用することで、ビジネスの俊敏性と柔軟性の向上に主眼を置いたものだ。イベントではNetApp製品はもちろん、パートナー・ベンダーによる最新のデータ管理ソリューションの展示のほか、クラウド時代におけるデータ管理の課題解決をテーマにしたセッションが多数開催された。そうした中、本稿ではハイブリッドクラウドの最新ソリューションにフォーカスした富士通のセッション、「お客様のデジタル革新を支える最先端ハイブリッドクラウド」の内容を紹介しよう。

イノベーションのカギは最先端のICTと業種横断的な協業


富士通サービス&システムビジネス推進本部
システムプラットフォームビジネス統括部マネージャー 館野巌氏

近年、IoT(Internet of Things)とビッグデータ分析を組み合わせ、新たな価値を創造する「ハイパーコネクテッド・ワールド」が注目されている。また、データだけではなく、人や多様なモノが組織横断的に融合することで、ビジネスのイノベーションが生まれている――。こう語るのは、富士通サービス&システムビジネス推進本部システムプラットフォームビジネス統括部でマネージャーを務める館野巌氏だ。

多くの企業が新たなイノベーションを模索する状況の中で勝ち抜くためには、最先端ICTの活用によるデジタル革新がカギとなる。例えば、きめ細かな顧客分析やマーケティングで顧客との関係性を強化したり、IoTを駆使した商品トレーサビリティシステムを構築したり、AIを活用した店舗顧客の動線分析で現場の改善を図ったりすることなどが挙げられる。これらの革新をより効果的に実行するのに最適なICT基盤がデジタルビジネス・プラットフォームだ。

2015年、富士通は新たなデジタルビジネス・プラットフォームとして「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(以下、MetaArc)」を発表した。「MetaArc」は、富士通が独自開発したクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5(以下、K5)」とプライベートクラウド基盤「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud K5モデル(以下、PRIMEFLEX for Cloud K5モデル)」を核に、モバイルやビッグデータ、IoT、AIといった先進ICTと、同社が培った知見/ノウハウを融合したビジネスプラットフォーム商品群である。

館野氏は、「ビジネスのイノベーションを実現するICT基盤の構築は、SoE(Systems of Engagement:協働のシステム)とSoR(Systems of Record:記録のためのシステム)双方の特性と要件を理解し、協業する企業間とも情報/知見をシームレスに連携できるものでなければならない」と訴求する。そして、その“解”となるのがK5とPRIMEFLEX for Cloud K5モデルだ。
MetaArcの中核を担うK5はOpenStackやCloud Foundryなどのオープン技術と富士通の開発・運用ノウハウを融合し、SoEとSoRに対応したIaaS(Infrastructure as a Service)とPaaS(Platform as a Service)機能を提供する。
このK5と共通のアーキテクチャーを採用する、オンプレミスのプライベートクラウド基盤がPRIMEFLEX for Cloud K5モデルである。

「富士通が豊富なSI経験を通じて蓄積した『知の財産』を結集し、お客様のデジタル革新をトータルでサポートする」と館野氏は説明する。

お客様がセキュリティ・性能・コストといった観点から最適な形態を選択することができるよう、クラウドサービス型とプロダクト提供型合わせて5つの形態が用意されている。
K5によるクラウドサービスは、仮想共有型、仮想/物理占有型、クラウド基盤占有型、クラウド基盤顧客データセンター構築型の4形態がある。
一方、プロダクト提供型となるのが垂直統合型商品PRIMEFLEX for Cloud K5モデルで、プライベートクラウドの構築に必要なハードウェアおよびソフトウェアが最適に統合されている。
これら5つのモデルが同一のアーキテクチャーで構成されているため、双方のICT資産の連携や移行が柔軟に実行できるのが最大の特長だ。

同一アーキテクチャーがもたらすクラウドモデルの優位性

クラウドサービスに対するニーズは高まっており、その市場規模は年々拡大している。2015年11月にMM総研が発表した「国内クラウドサービス需要動向」によると、2014年度におけるクラウド市場は、前年度比23.8%増の7,749億円。迅速なアプリケーション開発やシステム運用の負荷軽減を目的に、クラウドサービスへの移行を検討する企業は引き続き増加し、MM総研では同市場が2019年度には2兆円を超える規模に達すると予測している。
一方で、クラウドサービスへの移行にあたって課題も見えてきている。例えば、既存アプリがクラウドサービス環境に対応していなかったり、業務特性上、クラウドサービス環境での運用が難しかったりする場合も少なくなく、こういったシステムは引き続きオンプレミスで運用することとなる。システムに応じて、クラウドサービスとオンプレミス、適している環境は異なるのだ。そんな中注目されているのが、ハイブリッドクラウドだ。ハイブリッドクラウドは、クラウドサービスとオンプレミスをシームレスに利用したり、状況に応じて使い分けたりすることができるクラウド環境である。2014年の同調査では、新規システムを構築する際、ハイブリッドクラウドでの構築を検討していると回答した企業が、約40%に上ったという。

ハイブリッドクラウドの構築にまさに最適と言えるのがK5とPRIMEFLEX for Cloud K5モデルであると館野氏は言う。「K5とPRIMEFLEX for Cloud K5モデルは共通のアーキテクチャーで構成されており、この最大の特長を活かして、お客様の様々なご要件や環境にあったハイブリッドクラウドを実現することができる。」 その例として、K5とPRIMEFLEX for Cloud K5モデルを利用した4つのハイブリッドクラウドの活用シーンを紹介した。(計画中の内容を含む)

1つ目は、平常時はオンプレミスで運用し、繁忙期にクラウドサービスも活用する方法だ。例えば、期末の集中処理などによる高負荷時に既存資産であるオンプレミスのリソースが枯渇しがちになるシステムの場合、クラウドサービス上でも同じ処理を分散して実行することでリソースを有効活用できる。

2つ目は、クラウドサービス上で新規アプリケーションを開発し、稼働後はオンプレミス上でアプリを運用する方法だ。従来は開発環境を構築するためには、ハードの調達から導入、設定に時間もコストも要していた。しかし、開発環境をクラウドサービス上に構築することで、構築工程もコストも大幅に削減でき、本稼働への移行もスムーズに行うことが可能になる。

3つ目はアプリケーション(業務)や利用者の特性に応じて、クラウドサービスとオンプレミス環境を適材適所に使い分ける方法だ。クラウドサービス/オンプレミス環境を「FUJITSU Software Cloud Services Management」で統合管理することで、例えば、会社の規定で個人情報が含まれるデータがクラウドサービス上におけない場合、それらの情報はオンプレミス上で管理し、その他の情報はクラウドサービス上で管理するという使い方が可能になる。

最後は、クラウドサービスとオンプレミス環境を同一手法で開発/運用する方法だ。自社(顧客)のデータセンターにはK5モデルを導入し、富士通のデータセンター(パブリッククラウド)ではK5を利用する。これにより、今後クラウドで提供されるAPIがオンプレミスでも利用できるようになり、開発効率の向上だけでなく、開発者のノウハウの統一も図ることができる。

富士通独自のサポート体制でOSS運用の不安を完全払拭

前述したとおり、K5はOpenStackやCloud Foundryなどのオープン技術を採用している。ただし、オープンソースソフトウェア(OSS)の運用は、敷居が高いと感じている人もいるのではないだろうか。OpenStackは開発がスピーディーというメリットがある反面、コミュニティーによるサポートが十分ではなかったり、各コンポーネントの整合性の考慮が必要なため、修正対応が困難といった課題がある。実際、OpenStackのメジャーリリースは、半年サイクルだが、コミュニティーによるサポートはリリースから1年程度で終了してしまう。

こうした課題に対し館野氏は、富士通独自のサポート体制の充実を強調する。「われわれはリリースから3年間サポートを、標準で継続する。また、コンポーネント単位で提供される修正も富士通側で検証し、まとめてお客様へ提供するシステムだ。さらに、トラブルやQ&Aなども、OpenStackに精通した富士通のサポート部隊が対応するので、お客様に安心して使ってもらえるだろう」

「PRIMEFLEX for Cloud K5モデル Standard」のストレージには、NetApp製品のOEMである「FUJITSU Storage ETERNUS NR1000F series」が採用されている。館野氏は、「NetApp製品は、クローンによる差分容量だけでの高速展開や、ストレージオフロードによるサーバ負荷の最適化といった機能も備わっており、OpenStackで使い勝手がよい」とその採用理由を語る。実際、富士通とNetAppは17年にわたる強固な OEM パートナーシップを構築しており、NetAppのNASの約40%が富士通から提供されている。館野氏は、「サポートの充実度から鑑みても、『NetApp+富士通』体制でお客様に安心を提供できる」と自信を見せる。

オンプレミスとクラウドの“よいとこ取り”をしたハイブリッドクラウドの導入は、今後、加速度的に増加するだろう。そのような状況下において両者をシームレスに運用/管理できるプラットフォームは、大きなアドバンテージとなるはずだ。

最後に館野氏は、「MetaArcは、われわれがこれまで培ってきたノウハウ・ナレッジが結集したプラットフォームだ。オープン技術の採用とパブリックからオンプレミスまでを同一アーキテクチャーで実現したことにより、イノベーションへの迅速な対応が可能になった。お客様のビジネスを加速させるプラットフォームとして、ぜひ導入を検討頂きたい」と聴衆に訴えた。


セッションにはハイブリッドクラウド環境の構築を考えている参加者はもちろん、クラウド運用管理に関する情報収集を目的とした参加者も足を運んだようだ

>> ブースレポート

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「最適統合」がもたらす、垂直統合型基盤
「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud」のアドバンテージ
- NetApp Innovation 2016 Tokyo

2月2日に開催されたNetAppの年次プライベートイベント「NetApp Innovation 2016 Tokyo」。会場では15を超えるパートナー企業が、さまざまなクラウド環境でデータを管理/運用する最新ソリューションを展示した。

中でも来場者の関心を引いたのが、富士通ブースに展示された垂直統合型の仮想化・クラウド基盤である「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud(以下、PRIMEFLEX for Cloud)」だ。

PRIMEFLEX for Cloudは、仮想化基盤・プライベートクラウド基盤に必要な設計、構築、運用といった要素をパッケージ化したものだ。富士通で設計/検証し、運用や保守を容易化する機能を組み込んだ「最適統合」された“1つのシステム”として提供する。富士通 プラットフォーム技術本部クラウドインフラセンターの太原泰介氏はPRIMEFLEX for Cloudの特長を、「富士通の技術と豊富なSI経験を通じて蓄積したノウハウが凝縮された商品です」と語る。


垂直統合型の仮想化・クラウド基盤である「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud」。写真はNASストレージFUJITSU Storage ETERNUS NR1000F seriesを搭載したモデル

「PRIMEFLEX for Cloudは、パブリッククラウドサービスで培った利用者視点の操作性、富士通社内のデータセンターで蓄積した技術や運用ノウハウ、そして、数多くの仮想化・クラウド導入実績に基づく確かなシステム設計構築の知見が詰まった商品です。」(太原氏)

一般的に垂直統合型商品は、スペックが型決めされているケースが多い。しかしPRIMEFLEX for Cloudは、サーバやストレージ、仮想化ソフトウェアの種類だけでなく、搭載するメモリや外部ストレージ容量、CPUなどの詳細なスペックも複数の選択肢からシステム要件に応じて選択できる。また、IPアドレスやログインIDといった、ユーザー個別の環境情報も、あらかじめ設定された状態で提供される。太原氏は、「お客様側でクラウドインフラ環境構築に関する作業はほとんどありません。そのため、システム稼動開始までの期間を、大幅に短縮できます」と説明する。

保守/運用の面でも、PRIMEFLEX for Cloud は富士通で構築・設定した商品のため、サポートスタッフは機器やプレインストールされたソフトウェアの構成および設定内容を把握している。そのため万一のトラブルの際も、対応から解決までをより迅速に進めることが可能だ。また、調査ログを取得する場合でも、各機器の保守情報を一括に収集できるようになっている。

さらに注目すべきは、組み合わせの検証済みファームウェアの提供である。PRIMEFLEX for Cloudでは更新が必要なファームウェアを組み合わせ検証した上で、“ファームウェア群”として定期的に提供する。太原氏は、「ICT管理者にとってファームウェアのアップデートは、組み合わせ確認に時間を要する大変な作業です。


富士通 プラットフォーム技術本部クラウドインフラセンター 太原泰介氏

さらに、組み合わせミスがあるとシステム全体に影響を及ぼしかねないというリスクも抱えています。しかし、弊社で組み合わせ検証したファームウェア群をご使用いただくことで、そうした課題を抱えることはありません」と、そのメリットを強調する。

3Dの「ラックビュー」で直感的な管理が可能に

運用面においてもPRIMEFLEX for Cloudは、管理者視点での工夫が施されている。その好例が機器の管理画面をわかりやすいGUI(Graphic User Interface)で一元化し、3D表示にしたことだ。フロアにラックが配置されたイメージを3Dでビジュアルに表示する「ラックビュー」は、ラックに搭載されているサーバ、ネットワーク、ストレージといった各機器の電源の状態やエラーの有無、CSS(Customer Self Service)などのLED表示を、実際の機器と同じように表示する。

太原氏は、「今までの管理画面は数字と棒(グラフ)だったが、“ラックビュー”のおかげで、個々のラックのステータスや吸気温度、消費電力まで視覚的に分かりやすくなっています。IT管理者は、自席にいながら機器の搭載位置や稼働状況を、現場にいるような感覚で把握できます」と説明する。

ラックのイメージを3D表示する「ラックビュー」。機器をクリックするとリソースの使用状況や消費電力といった稼働状況をグラフィカルに表示する

PRIMEFLEX for Cloudのラインナップは、中堅・小規模環境向けの「CRB200」と大規模環境向けの「CRB500」モデルに大別される。大規模環境向けのラックサーバ型には、NASストレージである「ETERNUS NR1000F series」を採用したモデルもあり、NASストレージを求める顧客からの支持を集めているという。

実際、SANストレージ以外のファイルサーバを利用していた顧客が仮想環境に移行する際、NASを利用して仮想化したいというニーズは高い。ETERNUS NR1000F seriesはネットワーク処理とファイルシステム処理を一体化し、高速化を実現した高性能なファイルサーバである。ファイル単位でバックアップ/リストアが可能なので、ディザスタリカバリなどにその威力を発揮する。例えば、LANまたはWAN経由で遠隔地にETERNUS NR1000F seriesを設置し、自動でミラーリングを行う機能である「SnapMirror」を利用して複数台のETERNUS NR1000F seriesで同じデータを管理するという使い方も可能だ。

NASストレージETERNUS NR1000F series。同ストレージを採用することにより、高速化を実現した

そのほかにもPRIMEFLEX for Cloudのラインナップで注目したいのが、オープン技術を採用した自社開発のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」と同一のアーキテクチャーを採用した「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud K5モデル(以下、K5モデル)」だ。パブリッククラウドとプライベートクラウド、双方のIT資産の連携や移行がより柔軟になる。

以上が、ETERNUS NR1000F seriesを搭載した富士通の垂直統合型商品の利点である。今後のハイブリッドクラウドシステムへの活用にも期待できそうだ。

富士通独自の高速転送プロトコルとデータ削減技術で遠隔地ファイルサーバへのアクセスを高速化

ここからは、同社の展示スペースでもう1つ来場者の関心を集めていた、遠隔地にあるファイルサーバへのアクセスを高速化するソリューションについて紹介する。

災害対策におけるデータ保護の観点から、遠隔地にあるファイルサーバへデータをバックアップするケースは増加している。しかし、その際に課題となるのが、ファイルサーバへのアクセス速度だ。専用回線と専用機器を導入すれば、高速化は実現できるが、莫大なコストがかかる。必要なのは現在のネットワーク環境で、追加機器を購入することなく高速化が実現できるソリューションである。

富士通の「FUJITSU Software Interstage Information Integrator(以下、III)」は、遠隔地にあるファイルサーバへのアクセス高速化を実現するミドルウェアだ。回線の増強や専用装置が必要なく、クライアントとサーバにIIIをインストールするだけで、既存ネットワークを有効活用することができる。富士通のミドルウェア事業本部アプリケーションマネジメント ミドルウェア事業部第一開発部マネージャーの佐藤光洋氏は、「例えば首都圏のデータセンターにサーバを置き、遠隔地のパソコンから10MBのファイルをバックアップ(ファイル転送)する場合、以前は15秒かかっていたのが、III導入後は1秒で完了します」とその効果を語る。


富士通ミドルウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部 第一開発部 マネージャーを務める佐藤光洋氏
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アクセス高速化のカギを握るのが、「転送アクセラレーター」である。特性が異なる複数の高速転送プロトコルやデータ最適化機能を組み合わせ、様々な環境に柔軟に対応して最大限の高速化を図る仕組みだ。

IIIの高速転送プロトコルは、一般的なTCP/IPではなく、RPS(データ消失訂正技術)とUNAP(高速軽量な遅延改善プロトコル)を駆使した富士通独自のUDP(User Datagram Protocol)である。一般的にUDPは、TCP/IPよりもパケットロスが多く、通信の信頼性が低いと言われている。この課題を解消したのが、富士通の独自技術だ。

「RPSは送信中に消失したパケットを受信側で自動復元し、UNAPは消失したパケットを高速に識別し、不要な再送を抑止することで、高速に大量データを転送する機能です。富士通の高速転送プロトコルではネットワーク特性とアプリケーション特性を計測し、最良の性能を発揮するプロトコルを自動選択するため、ユーザーは今までどおりの操作のままで、高速転送化を実現しているのです」(佐藤氏)

また、データ最適化機能は、一度送信したデータを送信側と受信側の双方で保存し、2回目からは同じデータの送信を省略し、初めて送るデータは圧縮することで、WANを流れるデータ量を削減し、高速化を実現する。

「Software Interstage Information Integrator」と「ETERNUS NR1000F series」を連携させて、富士通の社内システムに導入した例では、10MBファイルの転送時間がアップロード0.9秒(従来は15秒)、ダウンロードは0.8秒(従来は3秒)と大幅短縮された

現在、IIIは富士通社内でも導入されているが、「業務終了間近に10MBのデータを10個送ると、150秒かかっていたのが10秒で終わり、ストレスが減りました」と好評だという。

なお、IIIは一般的なサーバに対応しているので、サーバ間のファイル転送や、ソフトウェアが行う大量データ通信の高速化にも利用できる。佐藤氏によると、今後はアプリケーションプログラミングとの連携を効率化し、転送を高速化する仕組みも考案中であるとのことだ。

当日の会場は人だかりになるほど賑わっており、説明員に製品の説明を求めたり、中には興味津々に製品を覗き込む人もいた

>> 講演レポート

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「株式会社 マイナビ」2016年3月4日 掲載記事より転載。
本ページで掲載されている内容は、掲載日時点のものです。

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