PRIMERGY 6000のリモート通報について説明します。
PRIMERGY 6000のリモート通報は、PRIMERGY 6000ハードウェアのエラーの予兆を富士通サポートセンタに通報し、ハードトラブルを未然に防ぐサービスです。リモート通報の運用には、PRIMERGY 6000本体の他に、リモート通報ソフトが動作する通報用クライアントが必要です。通報用クライアントはPRIMERGY 6000とTCP/IPで接続します。
お客様システムのPRIMERGY 6000でハードエラーの予兆または異常が検知されると、e-mailで富士通サポートセンター(OSC:オーエスシー)に通報され、受信したデータを解析し、状況に応じてお客様に電話またはメールで連絡し、迅速に対応します。
リモート通報はSupportDesk Standardサービスの標準機能です。
リモート通報の効果について説明します。
ここでは、リモート通報により解決時間が短縮されることをリモート通報を導入している場合と導入していない場合に分け説明しています。
大きく異なる点は、初期行動が早くなる点です。リモート通報を導入していない場合、お客様が異常を発見して富士通に電話してから富士通側の対処が始まります。
これに対し、リモート通報を導入している場合、ハードウェア異常の予兆を自動検知して富士通にメールが飛び、受信データから原因を解析します。また、CE出動と部品手配を平行して進められることで解決時間が短縮されます。
リモート通報を導入したことで効果があった事例の紹介です。
14時16分に二重化ディスクの一方のディスクで異常が発生しました。
リモート通報で即座に富士通サポートセンタに異常が通報され、お客様への報告・部品手配・現地入りを迅速に進め、約2時間後の16時30分にはディスク交換が完了しました。
お客様業務を停止することなく、速やかにディスクを交換できました。
もし、このお客様がリモート通報を導入していなかったケースをシミュレーションしてみます。
二重化ディスクの一方のディスクで異常が発生したときに出力されたシステムメッセージにお客様が気付かなかった場合、一方のディスクが故障したまま業務が継続されます。
後日、残りのディスクにも異常が発生するとディスクが使用不可となって業務が停止する恐れがあります。
また、ディスクを交換した後も復旧作業(インストール)・データ復元・リカバリの作業が必要となります。
万が一の異常発生に備え、リモート通報を導入してください。
リモート通報の対象装置および必要な契約や環境について説明します。
対象となるサーバ機種はPRIMERGY 6000です。
リモート通報をご利用いただくには「SupportDesk Standard」を契約していただく必要があります。また、通報用クライアントとして、TCP/IP接続されたFMVが必要です。
なお、メールを送信する環境、具体的には、プロバイダとの契約やメール発信毎の費用はお客様のご負担となります。
リモート通報の環境設定について説明します。
PRIMERGY 6000のリモート通報では、PRIMERGY 6000と通報用クライアントに環境設定が必要となります。
この環境設定をシステム導入時、すなわちOSのインストールやネットワークの環境設定のときに実施することで運用当初からリモート通報のサービスを受けることができます。システム導入時に環境設定することで、運用が開始された後に環境設定しなくてすむ効果もあります。このためには、システム導入前にSupportDesk Standardを契約していただきます。そして、システム導入時にOSに添付されているリモート通報媒体でリモート通報の環境設定をしていただきますようお願いいたします。
環境設定の詳細として、PRIMERGY 6000側の定義や設定項目、通報用クライアント側の作業項目を以降で説明します。
故障部位ごとの通報の有無を説明しています。
故障部位 通報 通報契機 ハ
|
ドシステムメッセージ出力の場合 〇 ハードエラーに関するシステムメッセージが発生した時点で通報される。 システムダウンの場合 〇 PRIMERGY 6000を再立上げした時点で通報される。 ソ
フ
トOS × リモート通報では通知されない。 アプリケーション ×
ハードウェアの種類ごとの通報の有無を説明しています。
外部媒体を扱う入出力装置、およびプリンタは通報の対象外となっています。
ハードウェア 予兆 異常 備考 本体装置 ISF 〇 〇 【予兆例】環境異常検出
【異常例】ハードウェアエラー、パリティエラー、バックアップ用電源消耗、カレンダタイマ異常CPU 〇 〇 【予兆例】CPUハードエラー発生時の自動訂正通知
【異常例】CPU起動失敗(マルチCPU)メモリ 〇 〇 【予兆例】メモリハードエラー発生時の自動訂正通知
【異常例】システムダウン(システムダウン後、システム再立上げ時に通知)オペレータパネル 〇 〇 【予兆例】オペレータパネルに表示された警告の通知
【異常例】システムダウン(システムダウン後、システム再立上げ時に通知)拡張ロッカ 〇 〇 【予兆例】異常検出による警告
【異常例】異常状態検出電源装置 電源 〇 〇 【予兆例】異常検出による警告
【異常例】ハードウェアエラー検出UPS 〇 〇 【予兆例】バッテリ寿命・ライフタイム部品に関する警告
【異常例】UPS異常検出入出力装置 磁気ディスク・アレイディスク 〇 〇 【予兆例】ハードウェアエラーのリカバリに成功した(二重化ディスク)
【異常例】ハードウェアエラー検出、入出力エラー、リカバリ失敗検出チャネル 〇 〇 【予兆例】警告状態検出
【異常例】異常状態検出ネットワーク × 〇 【予兆例】なし
【異常例】ハードウェアエラー検出、ハードウェア障害検出、モデム・NCU異常検出媒体系入力装置 外部媒体を扱う入力装置(FPC, CD, MO, DAT等) × × 【予兆例】なし
【異常例】なしプリンタ プリンタ × × 【予兆例】なし
【異常例】なし
大きく分けて、通報される事象は二種類、予兆の通報と異常の通報があります。
電源やバッテリー関連、ディスク関連、メモリや本体系の周辺機器が通報の対象です。
外部媒体を扱う入出力装置、およびプリンタは通報の対象外となっています。
( )内はシステムメッセージ番号 予兆通報 バッテリーを充電又は交換してください (S5265) 二重化ボリュームでハードウェアエラーが発生したが、リカバリした (S5650) マシンチェックリカバリが発生した (S7103) 異常通報 UPSで異常が発生した (S5179) 二重化ボリュームでハードウェアエラーが発生した (S5314) 拡張ロッカ装置が異常状態である (S5381)
PRIMERGY 6000側の定義や設定項目の詳細、通報用クライアント側の作業項目です。
- PRIMERGY 6000
- ネットワークの定義(NSS記述の変更)
- CTLNETでPRIMERGY 6000のホスト名、IPアドレスを定義
- CTLNETで通報用クライアントのホスト名、IPアドレスを定義
- 調査資料の自動送付環境の設定
- XREMCSL復元後に「CALL INST.XREMCSL」を実行し、以下を準備
スプール環境/多階層ライブラリ環境/PCファイルサーバ環境- システム始動プログラム、システム終了プログラムの変更
- システム始動プログラムの末尾に以下を追加
CALL STRREMCS.XREMCSL, (RMTNAME-'クライアントのホスト名')- システム終了プログラムの先頭に以下を追加
CALL STPREMCS.XREMCSL
- 通報用クライアント
- リモート通報ソフトのインストール
- OS添付のDVD/CD媒体からクライアントにインストール
- 環境設定および登録情報の入力とセンタ接続
- PCファイルサーバの環境設定
- 運用操作メニューの起動
- 「動作環境」の設定
- 「通報ホスト登録」の設定
- 「レジストレーション」の設定
- 「定期接続」の設定
- 「センタ接続確認」の実行
- 「センタ接続確認」完了メールの到着確認