人と繋がり、未来の「なかま」に出会う。富士通が社内実践中のサービスaerukamoとは

ハイブリッドワークが働き方の主流となり、働く場所を柔軟に選択できるようになった一方で、対面でのコミュニケーションが取りにくくなってきています。富士通はオフィス空間で同僚や未来の「なかま」をカジュアルに見つけ、インフォーマルコミュニケーションが多発するような文化を定着させるために、aerukamoというサービスの社内実践をしています。

目次
  1. 現代の働き方におけるaerukamoの役割
  2. aerukamoの社内実践実績と利用者の声
  3. 実践から2年が経ったプロジェクトメンバーの想い
  4. 未来の「なかま」に出会えるオフィス体験を

現代の働き方におけるaerukamoの役割

近年、ハイブリッドワークが急速に浸透し、働き方が大きく変わりつつあります。ハイブリッドワークの利点は多岐にわたります。自分のペースで仕事を進められる柔軟性や通勤時間の節約、自宅の快適な環境で仕事ができるといった点は、多くの人々に魅力的に映ります。しかし一方で、オフィスから離れることで同僚との直接的なコミュニケーションや新たな人脈の形成が難しくなるという懸念も生まれています。

aerukamoとは

aerukamoは、オフィス内外での社員同士の交流を容易にし、ハイブリッドワーク環境におけるコラボレーションの強化を目指す富士通独自のサービスです。コロナウイルスの影響でテレワークが増え、社員同士の直接的なコミュニケーションの機会が減った頃に、数名の若手社員が自主的に企画し、役員に提案した結果生まれたものです。今では社内に広く浸透しています。
このサービスを利用すると、同じプロジェクトに関わる人々や過去に仕事を共にした人を簡単に探すことができ、アイデアの交換や情報共有を円滑に行うことが可能になります。Aerukamoはオフィス内でのコミュニケーションの質と量を向上させ、ハイブリッドワークのデメリットをカバーする手段となっています。

aerukamoで知り合いを「なかま」登録すると、相手をフォローでき、以下のことが可能になります。

  1. Outlook予定表と自動連携することで「なかま」同士の出社予定日時を可視化
  2. 「なかま」がどのオフィスにいるのか、何階のどのあたりにいるのかを可視化
  3. オフィスに到着したタイミングで同じオフィスに出社している「なかま」やこれから出社するかもしれない「なかま」をTeamsで通知

aerukamo導入前は、社員同士の現在地を知るためには、電話やチャットでメッセージのやり取りをする必要がありましたが、導入後はより簡単に「なかま」を見つけて会いに行くことができるようになりました。

aerukamoの社内実践実績と利用者の声

2023年8月現在、利用者は11,000人、対象拠点は全国90拠点を超え、2023年7月の1か月間では利用者全体で201回も出会った記録が残っています。また、同月に実施した利用者に対する満足度調査ではサービス満足度3.65/5点、継続意向度3.88/5点という結果でした。

利用者からは「オンライン会議、メール、チャット等、普段からオンラインでのコミュニケーションを取ってはいたが、実際に会って話したことがない人にもaerukamoを使ってすぐに会うことができた」「久しぶりの出社だったけれど、同僚から声をかけてもらえた」「チーム内で会ったことがなかった人とも簡単に会うことができた」「オフィスに出社した際のフェイストゥーフェイスのコミュニケーションを取るために必須のツール」など、ポジティブな意見を多く頂いています。

実践から2年が経ったプロジェクトメンバーの想い

―岡安:プロジェクト立上げ当初は、各プロジェクトメンバーはそれぞれ違う部署に所属していたため、業務の隙間時間を使ってaerukamoの企画を進めてきました。予算も技術もなく右往左往していた若手社員の私たちが、社内の多くの方からご支援いただき、今では正式なプロジェクトとして活動をすることができています。
チーム一丸となって日々の課題に直面しながらも協力し合い、アイデアを形にし、進化させてきました。私自身、aerukamoのプロジェクトを通じて、メンバーと協力する中での成長や新しい視点の発見を楽しみながら仕事をしています。

aerukamoはアジャイルで開発を続けており、今でも多い時には週に1回アップデートを行っています。社内SNS上のaerukamoのコミュニティ等では、毎回多くの方からポジティブな反応をいただいています。これがメンバーのモチベーションアップに繋がってaerukamoを社員全員で成長させているという実感があります。

このプロジェクトが、富士通だけでなくハイブリッドワーク時代の多くの人々にポジティブな影響をもたらすことを確信しています。今後もaerukamoをきっかけに、社員同士のインフォーマルコミュニケーションが発生する場面がオフィスのあちこちで見られる機会が増えると思うと、とても楽しみです。

富士通株式会社 総務本部 ワークスタイル戦略室 aerukamoプロジェクトマネージャー 岡安 明香 富士通株式会社 総務本部 ワークスタイル戦略室 aerukamoプロジェクトマネージャー 岡安 明香

―木内:私の役割は主にサービス戦略・プロダクト品質管理が中心です。aerukamoをユーザーへ届ける価値とaerukamoの成長について 「現在・未来」の2つの視点でグロースに必要なことを日々考えています。
私たちのチームは人数が少ない分、ほぼ現場で意思決定を行えるため、方針の修正や施策検討からデザイン・実装まで、流れを止めることなく迅速に進められることが強みの一つだと思っています。メンバー同士の信頼が厚く、お互いに安心して任せられる関係を作られていることが大きいのだと感じています。

aerukamoは富士通としてはイレギュラーな動きを多くとっているのですが、デザインの領域も例外ではありません。カジュアルに全振りしたUX/UI設計や、キャラクターを軸としたブランディング、プロモーション戦略は 「富士通らしくなくてよい、なぜか使いたくなる、応援したい…」といった多くの温かいお声と、高い評価を頂いています。「カモちゃん」というキャラクターも作りました。今ではLINEスタンプや、他のプロジェクトとのコラボグッズ依頼を頂くなど、「カモちゃん」はすっかりaerukamoの顔となっています。

またサービスグロースについては、細やかにユーザー行動や利用実態を把握するための土台を0から構築し、細かく状況を分析できる体制を整えた上で、3か月を目安に方針と施策を見直し、UXの向上を図っています。
現在は社内サービスとして育てていますが次の目標はビジネス化です。社内の枠を超えた「あえるかもしれない場」 の拡大を実現し、さらなるサービスの成長を目指します。

富士通株式会社 デザインセンター ビジネスデザイン部 aerukamoプロダクトマネージャー 木内 美菜子 富士通株式会社 デザインセンター ビジネスデザイン部 aerukamoプロダクトマネージャー 木内 美菜子

未来の「なかま」に出会えるオフィス体験を

aerukamoが目指すのは、既に知っている人にも、初めましての人にもaerukamoを活用して出会い、そして将来一緒に何かをする人が見つかるカルチャーを定着させることです。今後も社内の多くの人が繋がれるように、様々な機能と仕掛けを検討し、引き続きaerukamoを成長させていきます。私たちは偶発的に発生した出会い、そこでなされた会話や雑談が、個人、チーム、そして富士通全体のエンゲージメント強化に繋がることを信じています。

富士通はaerukamoのみに留まらず、社員が新しい取り組みに挑戦しやすい環境・カルチャーを社内から醸成することで、より多くの皆様に共感いただくウェルビーイングな世界の実現を目指していきます。

ページの先頭へ