「ありがとう」を贈り合う。富士通が実践するサンクスプロジェクトとは

皆さんは1日に何回、「ありがとう」と伝えているでしょうか。リモートワークが当たり前となった今、対面でコミュニケーションを取るというシーンは減少しつつあります。その分、「ありがとう」の数も減ってはいないでしょうか。働き方が変化する中、富士通はこれまで以上に感謝の気持ちを伝えあう文化を定着させる取り組みとしてサンクスプロジェクトを開始しました。

目次
  1. 感謝が生み出す効果
  2. 「ありがとう」を贈り合う、サンクスプロジェクトとは
  3. 貰ったら思っていた以上に嬉しい?実際の利用者の声
  4. アプリ利用者にありがとう。立上げから半年が経ったプロジェクトメンバーの想い
  5. 感謝で溢れる企業へ。今後の展望

感謝が生み出す効果

人が「ありがたい」と感じた瞬間、脳では幸福感や喜びをもたらすドーパミン、ストレスを減らす上で重要な役割を果たすオキシトシン、痛みを和らげて幸福感を高めるのに役立つエンドルフィンというホルモンの混合物が分泌され、精神的にも身体的にも健康をもたらすというデータがあります。(※1)
また、近年では「ピアボーナス」という仕組みが注目を浴び始めています。「ピアボーナス」とは、“Peer”(同僚)と“Bonus”(報酬)を組み合わせた言葉で、上司が部下を評価するという形ではなく、従業員同士がお互いに評価をして少額のインセンティブを贈り合うことができる仕組みです。
感謝が生み出すポジティブな効果を科学的に示した研究結果や、ピアボーナスを導入する企業が増えているという事実からも、感謝を伝え合うことの重要性が、今、徐々に世間で認知され始めています。

一方、皆さんの身の回りの状況はいかがでしょうか。気持ちよく感謝を伝え合える環境は整っていますか。リモートワークでコミュニケーションが減る分、「ありがとう」の数も必然的に減ってはいませんか。お客様や上司には丁寧に接していても、社内や部下とのコミュニケーションは疎かになっていたり、あるいは、足りない部分をアドバイスすることに集中しすぎて、称賛や感謝することを忘れがちになってはいないでしょうか。仕事においては、できて当たり前、できなければ怒られるという状況も多少は仕方がないかもしれませんが、できることなら楽しく、気持ちよく仕事がしたい。そんな想いを持った富士通社員が集まり、サンクスプロジェクトは始まりました。

「ありがとう」を贈り合う、サンクスプロジェクトとは

サンクスプロジェクトは感謝をきっかけに社員同士が互いにリスペクトし心理的安全性を高め、DX企業へとカルチャーを変革することを目的としています。感謝を伝え合うという見えにくいコミュニケーションを習慣として定着させるために、専用のWebアプリを開発、Yammerとも連動することで社員が贈り合う感謝を見える化しました。加えて、贈り合う感謝をサンクスポイントとして数値化、半期ごとにポイント上位の方を表彰の上、リアルな報酬も送る仕組みを取っています。

サンクスプロジェクトは感謝する文化を定着させるための取り組みです。1 感謝に気づこう! 2 アプリでサンクスを贈ろう! 3 Yammerタイムラインでみんなのサンクスを確認! 4 半年ごとにランキング上位の方を表彰

専用のWebアプリを起動すると、サンクス(メッセージ)を贈ることができます。サンクスを贈ると、相手にはTeamsチャットによる通知が飛び、同時にYammerにも投稿が反映されます。サンクスを贈った方、受け取った方、両方にサンクスポイントが加算され、ポイントの取得状況は専用アプリにて確認できます。

貰ったら思っていた以上に嬉しい?実際の利用者の声

サンクスアプリの利用者は続々と増え続けています。そんな中、今年入社したばかりの新入社員の間でもアプリの活用が進んだといいます。今回はそんな新入社員を代表して、株式会社富士通エフサス サービスビジネス本部でSEとして活躍する妹尾 莉沙に、実際にアプリを利用した感想を教えてもらいました。

株式会社富士通エフサス
サービスビジネス本部 第三サービス統括部
妹尾 莉沙

頑張っている人を応援したい

新人研修時、先輩とお話する機会があり、頑張っている人を応援できるようなツールが作りたくてSE職を目指していると伝えました。すると先輩から「そういう活動をしている人達いるよ」と教えてもらい、そこで初めてサンクスプロジェクトの存在を知りました。

クラスの同期が自然とサンクスを送るように

そこからは、チーム日報を書いてくれてありがとう!等、ちょっとしたタイミングでアプリを通して同期にサンクスを送るようにしていました。突然サンクスが届いた人は、最初は「このアプリ、何?」となっていたようですが、段々と口コミで広まっていき、研修最終日にはクラス中で「講師にサンクスを送ろう!」という空気が自然に生まれました。突然新人からどっとサンクスが送られてきた講師の方は、びっくりしながらもとても喜んでくれて、その後も交流が続いています。サンクスアプリは人と人とが打ち解けるのにとても良いツールだと思います。

アプリでサンクスを送ってくれた気持ちにじんわり

サンクスを貰うと、思っていた以上に嬉しいというのが大半の感想です。ある時、私が体調を崩していたら、同期の一人が「大丈夫?」とお菓子を持って尋ねてくれたことがあり、その時にもお礼にサンクスを送ったんです。後で聞くと、送られてきたサンクスに一日中じんわりしていたそうです(笑)。私たちの世代においては、口頭の「ありがとう」よりも一層感謝が伝わるのかもしれません。アプリを立ち上げ、文章を考えて送ってくれたという手間がある分、相手の丁寧さや心遣いを感じるからです。サンクスアプリは私たちの世代にとても親和性のあるコンセプトです。

アプリ利用者にありがとう。立上げから半年が経ったプロジェクトメンバーの想い

2022年3月にサンクスプロジェクトが立上げられてから約半年が経過し、この半年間でなんと10万件以上ものサンクスが贈り合われました。利用者全員にデジタル表彰状、そして利用実績が上位の1000名にはギフトカードが授与されます。

デジタル表彰状

サンクスプロジェクトと共にこの半年間を駆け抜けてきたプロジェクト担当者はこう語ります。

富士通株式会社 デジタルシステムプラットフォーム本部
クラウドサービス統括部 以西 絵里

この半年間、カルチャー変革の火付け役としてアーリーアダプターを増やしていこうとプロジェクトを展開してきました。当初はサンクスを受け取って戸惑う方も多く見られましたが、今では既に3人に1人はメッセージを貰った経験者になっています。いざ貰ってみると、思ったよりも嬉しいという感想もよく聞くようになりました。本プロジェクトを通して、上司と部下の間だけではなく、同僚同士も頑張りを称え合うようなカルチャーを醸成していけたらと思います。改めて言葉にして感謝を伝える習慣を続けると、周りの人の良いところ探しのアンテナが働くようになってきます!他部門で活躍している人の刺激を受けながら、自身の成長にも繋げられる、そんなアプリになってほしいと願っています。

富士通株式会社 デジタルシステムプラットフォーム本部
クラウドサービス統括部 マネージャー 細田 昇

会議やメールでは直接、「ありがとう」と伝えるように心がけていますが、時々タイミングを見て部下や関係者へ、”あなたの頑張り見ているよ“ のサインとしてサンクスを贈るようにしています。長文ではなくても、いつもと違う伝え方となるので、相手の方に喜んでもらえることが多いです。このサンクスアプリが社員の仕事のモチベーション向上に一役買ってくれることを願っています。

感謝で溢れる企業へ。今後の展望

サンクスプロジェクトはまだまだ始まったばかり。今後も社内のサンクスを増やすために様々なプランを検討し、2023年度には海外展開も視野に入れながら、引き続きプロジェクトを推進していきます。
感謝を伝え合うことによって、必ずしも企業の業績に直結することはないのかもしれません。しかしながら、日ごろの小さな感謝に気づき、そして伝え合う習慣を組織に浸透させることで、個人の、チームの、最終的には富士通全体の力の強化に繋がると私たちは信じています。今後もサンクスプロジェクトは、多くのサンクスをエネルギーに変えながら、DX企業へとカルチャー変革を目指す富士通の大きな一角として走り続けます。

富士通は、このようなプロジェクトや取り組みを通して、より多くの皆様に共感いただくことで、皆様と共にサステナブルな世界の実現を目指していきます。

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