想像性豊かで持続可能な未来の実現を目指して~日仏ビジネスサミット~

目次
  1. 持続可能な世界への貢献のために、富士通が掲げるパーパス
  2. 社会課題の解決に挑む、新事業ブランド「Fujitsu Uvance」
  3. 富士通のサステナビリティ経営 ~カーボンニュートラルの実現に向けて~

2021年11月、日経ホール(東京・大手町)にて、在日フランス商工会議所が主催する第4回日仏ビジネスサミット「2050年へのビジョン:想像性豊かで持続可能な未来への道」が開催されました。本イベントは、さまざまなバックグラウンドを持つ国際的なスピーカーが集い、日仏企業・政府間の協力関係強化を図りました。富士通からは、代表取締役副社長の古田英範さんが登壇。想像性豊かで持続可能な未来の実現に向けた、当社の積極的かつグローバルな取り組みをご紹介しました。

持続可能な世界への貢献のために、富士通が掲げるパーパス

古田さん: 2020年のダボス宣言では、企業の目的を、「すべてのステークホルダーを共有された持続的な価値創造に関与させること」と定義し、また2021年の世界経済フォーラムでは、「グレート・リセット」をテーマに、新型コロナウィルス感染拡大の影響を乗り越えるため、世界中のステークホルダーの連携を求めました。

このような状況下で、SDGsの目標年でもある2030年が、どのような世界となっているかを考えてみました。私は、世界が変化していると信じています。そして、ひと、地域、もの、データがつながりあい、社会課題解決のためにイノベーションが起こる、新しい世界が広がっていると考えています。

このようなサステナブルな世界への貢献を目指し、富士通は2020年、社会における当社の存在意義、パーパスを 「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」 と定め、社内外に宣言しました。グローバルに事業を展開するテクノロジー企業として、当社のすべての事業活動はこの目的を達成することにフォーカスします。

社会課題の解決に挑む、新事業ブランド「Fujitsu Uvance」

古田さん: 2021年10月、パーパス実現に向けた新たなグローバル事業ブランドとして「Fujitsu Uvance」を発表しました。「Uvance」は、あらゆる(Universalな)ものを、サステナブルな方向に前進(Advance)させる、という2つの言葉を重ね合わせた名称です。

そして、この 「Fujitsu Uvance」 を通じてお客様と社会により高い価値をお届けしていく、7つのKey Focus Areas(重点注力分野)を設定しました。社会課題を解決するクロスインダストリーの4分野として、「Sustainable Manufacturing」、「Consumer Experience」、「Healthy Living」、「Trusted Society」があります。そして、クロスインダストリーを支える3つのテクノロジー基盤として、「Digital Shifts」、「Business Applications」、「Hybrid IT」があります。

古田さん: 本日は一例として、2つの分野に向けたスコープをご紹介します。

1つ目は、「Sustainable Manufacturing」です。製造業の世界では、パンデミック、政治危機、労働不均衡などの深刻な問題や未曾有の災害の影響が見られます。私たちは、あらゆる状況に適応し、人々の生活を豊かにする製品やサービスを提供し続けなければなりません。お客様が生産プロセスにおいてより持続可能なプラクティスを求めている中、当社は、カーボンニュートラル、回復力のあるサプライチェーン、バリューチェーンの最適化、および人材の活用を実現するソリューションとサービスを提供します。

2つ目は、「Consumer Experience」です。生活者のニーズに応え、消費体験を向上させるために、私たちは、「消費者に最高のCXを提供する Smart Retail」、「無駄のないサステナブルな消費を支える Smart Supply Chain」、「事業者のバックオフィス改革を実現する Smart Enterprise」、「価値の交換を通じた新たな経済圏、サービス産業の創出を担う Smart Platform」の4つのスコープで、消費の転換点における企業・社会のイノベーションを、テクノロジーで支えていきます。

富士通のサステナビリティ経営 ~カーボンニュートラルの実現に向けて~

古田さん: さらに、パーパスの実現に向けては、まず富士通自身の持続的でサステナブルな成長が必須であり、すべてのステークホルダーとの信頼関係を築くことが必要です。その観点から、営業利益などの財務指標に加えて、社会やお客様との関係や、富士通のカルチャーそのものをより良くすることを目指した 「非財務面の指標」 を、事業活動の中核に組み込むことを進めています。そして富士通は、責任あるグローバル企業として、人権やウェルビーイング、環境など、サステナビリティ経営の7つの重要課題を、GRB(グローバルレスポンシブルビジネス)として定めています。これらの領域に取り組むことは、お客様、そして社員からの信頼につながっていくと考えています。

古田さん: 富士通が目指すサステナビリティ経営の一例として、環境・社会課題の解決に向けた取り組みをご紹介します。グローバル社会におけるカーボンニュートラルへの流れが加速する中で、富士通は、2050年までに自社グループにおけるCO2排出を実質ゼロにすることを約束しています。しかし、長期目標には短期目標が必要です。そこで、2030年度の事業所における温室効果ガス排出削減目標を、2013年度比で33%削減から71.4%削減まで大幅に引き上げ、この新たな目標がSBT(Science Based Targets)の 「1.5℃水準」 との認定を受けました。また、再生可能エネルギーへの転換も進めています。2022年度までに、日本国内における当社のデータセンターから提供するクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」の運用に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄う予定です。

古田さん: 富士通はこれからも、「Fujitsu Uvance」のもと、事業活動が生み出すイノベーションを通じて、社会全体に信頼をもたらし、より良い世界への変革をリードしてまいります。

(注)本記事は、講演内容(スライド含)を抄訳しております

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