AIで水害による人的被害を防ぐ。中小の河川でも水位予測が可能に

目次
  1. 昨今の災害(水害)事情
  2. 富士通の願う水害による人的被害の未然防止とは?
  3. AI水管理予測システムが私たちにもたらすこととは?
  4. AI水管理予測システムの先に見るビジョンとは?

昨今の災害(水害)事情

昨今の異常気象により、前線性の長雨、線状降水帯や台風やゲリラ豪雨がもたらす被害が拡大しています。特徴として、河川が極めて短時間のうちに氾濫してしまうことで、あらかじめ水害に備えることが難しくなってきています。

また、従来の災害対策では、河川に水位計を設置して、水位がここまで来たら水防団や消防団が出動やここまで来たら住民に避難指示というもので、水位の実績にもとづく避難誘導はできても、あと何時間後にこの水位になる、あと何時間後には堤防の近くまで水が来るといった予測が中小の河川ではほとんどできていませんでした。

こうしたなか、水害による人的被害を未然に防ぐべく立ち上がったのが富士通の開発チーム。誰もが不安に感じる社会課題を解決すべく誕生した「AI水管理予測システム」について話を聞きました。

富士通の願う水害による人的被害の未然防止とは?

阿部浩一さん<社会システム事業本部 防災システム事業部>(以下:阿部さん): これまで河川水位の予測は土木コンサルタント会社による河川断面の測量や地質、土地利用調査などをベースとした学術的な雨水の流出モデルにより行われてきました。この予測モデルは国が定期的に測量・管理している大きな河川では適用されてきましたが、定期的な測量や調査の費用が捻出できない中小の河川には利用が難しいという課題がありました。AI水管理予測システムは、そうした小さな河川でも水位予測を可能とするために開発がスタートしました。オンラインでの河川管理システムの実績があったこと、そしてAIによる予測に知見がある富士通研究所が社会問題解決のために、タッグを組んだこともプロジェクト推進の原動力となりました。

AI水管理予測システムが私たちにもたらすこととは?

阿部さん: お伝えした通り、AI水管理予測システムが自治体へ導入されると、中小の河川でも水位予測が可能となります。過去の観測データからAIを用いて水位予測モデルを作成し、上流に降る予想雨量から該当河川の水位を予測できるようになることは、自治体が水害による人的被害を防ぐための避難へのリードタイムが得られるようになるということです。より的確な避難指示やより適切な人員の配置、避難所の準備の一助となるのです。生活者のみなさんが直接触れるシステムではありませんが、AI水管理予測システムは、間接的に生活者の方々の安心・安全に貢献することとなります。

AI水管理予測システムの先に見るビジョンとは?

阿部さん: AI水管理予測システムはリリースが始まったばかりで、本格稼働はこれからですが、すでに自治体の方からは『ゲリラ豪雨による水害の予測ができたら嬉しい』など期待のお声をいただいています。私たちは導入が本格化した後も、自治体の方々に寄り添いながら、システムの精度向上に努める所存です。水害対策に寄与することにより、お住まいの地域に関わらず、安心・安全な生活の実現に貢献していきたいと考えています。

生活者が目にすることはなくとも、より暮らしやすい世の中を目指すために一歩ずつ歩みを進める富士通。その歩みが止まることはありません。

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