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ウシオ電機株式会社 様

環境活動の可視化で、全体最適を実現
進化し続けるウシオ電機の環境経営

「光を通じた社会貢献」をモットーに掲げ、早くから環境経営に取り組んできたウシオ電機株式会社様。2007年には富士通グループの環境業務ソリューションである「SLIMOFFICE EX(スリムオフィス イーエックス)」をベースに、環境経営システム「USHIO ECO-SYS」を構築。同社では、社内基盤を強化し守りを固めた上で次なるステップとして、情報の共有・活用を図り、攻めの環境戦略を加速しています。

経済・社会・環境のバランスのとれたサステナブル経営を実践するウシオ電機株式会社様は、環境への取り組みを経営トップの意思として進められてきました。2003年からは全社的な改革に着手し、富士通とのパートナーシップが始まりました。特に創業40周年を経過した2004年を第二の創世紀と位置付け、事業活動と環境の一体化を掲げ改革を推進しています。

背景

現場の独自性を重視しながら環境ガバナンスを強化

氏家啓一 氏
ウシオ電機株式会社
管理総括
環境マネジメント統括室GM 兼
ランプカンパニー品質・環境統括室
環境マネジメント推進室GM


 同社のモットーを一言でいうと「光を通じた社会貢献」と、氏家氏は力を込めて話されます。具体的には、独自の光技術とお客様とのコラボレーションを通じて、先進的な製品を世の中に送り出しています。
例えば、使用エネルギーを大幅に削減できる半導体製造工程の熱処理装置「フラッシュランプアニール装置」。

 また、デジタルデータの配信によりフィルムレスを実現した「デジタルシネマ普及促進プログラム」は、プロセスの簡素化でCO2発生を大幅に減らす光ソリューションの開発です。

 さらにグローバルな事業展開の中で環境活動も重視。「各事業会社は環境対応も異なるので、各社の独自性を生かしEMS(環境マネジメントシステム)をベースとした環境活動を推進しています。また、グループ全体の環境ガバナンスも同時に必要ですので、特にグループ内の環境コミュニケーションを一本化し、環境情報を正しく公開し、共有し活用するための仕組みに注力しています」と、氏家氏はグローバル環境活動のポイントを語られます。

効果

「SLIMOFFICE EX」により環境データを見える化・共有・活用

 そのための環境経営システムが「USHIO ECO-SYS」です。各サイトの経営情報、環境パフォーマンスや環境コストのデータを収集・集計し、環境効率指標によって分析できるというもので、いわばグループ全体の環境活動のいまを「見える化」する仕組みです。

 そしてこのベースとなっているのが、富士通エフ・アイ・ピーがご提供する環境経営情報システム「SLIMOFFICE EX」です。

 2007年度から本格稼働し、毎月各サイトがデータを入力。各サイトへの依頼から入力、報告、承認までをサポートする機能があり、現場の業務も効率化されました。

 「最も大きな効果は現場の意識が変わったことです。報告をして終わりではなく、その結果が各サイトの活動にフィードバックされる。全社共通の指標で自分たちの活動を改めて評価できるのです。そこで新たな気づきを得る。例えばエネルギーや材料ロス(廃棄物)の見える化にも取り組む等、様々な改善に結びついています。最近では、他サイトと比較・検証する等、各現場で積極的にデータを活用しています」(氏家氏)。 が、全体最適の達成に直結する仕組みが整ったといえます。

 集約された環境データは、環境経営の指標としても活用されています。「例えば当社はランプ製品の素材としてレアメタルを使用していますが、資源を有効活用するため、製品リサイクルのグローバル展開の検討等、次なる施策の立案に役立てています。一部事業所で試行しているマテリアルフローコスト会計は、資源の生産性を高めるために、製造部門だけでなく設計や購買等も含めたワーキンググループで進行中です」(氏家氏)。

今後の展望

“攻め”と“守り”の環境力を高め光を通じた社会貢献を

 循環型社会、低炭素社会の実現に向けて策定した同社の「2010年環境ビジョン」は、第2期環境行動計画(2007年度~2009年度)で具現化しています。4つの柱から成る環境テーマの中で注目したいのは、「環境活動と経営の一体化による環境生産性の向上」「環境に配慮した製品性能向上活動の拡充」「製品・生産活動の環境リスクマネジメントの強化」です。ここには“攻め”と“守り”の両面の戦略が含まれています。

 “攻め”の活動は、環境生産性や製品性能向上であり、“守り”の強化は、環境マネジメントの精度向上です。
「USHIO ECO-SYS」の導入により環境生産性や環境効率を評価しています。例えばグループ全体のCO2排出量は、2006年度の2万6,651tから2007年度は2万7,029tへとやや増加しましたが、営業利益/CO2排出量の環境効率指標は改善しています。また、製品性能向上においては、省エネ、高効率の光源開発が中核を占め、エキシマランプ/エキシマ光照射ユニットのほか注目すべき新製品を世に送り出しました。

 ウシオライティング株式会社様のサンマ漁船用省エネ集魚灯「U-BEAM.eco」は、高効率メタルハライドランプを応用し同社従来品に比べて約1/7~1/10の照明用燃料費の削減を実現しました。また、特定有害化学物質への対応では、水銀を使用しない水銀レス蛍光ランプ「XEFLR」を販売・展開。紫外線放出をほぼゼロにする新技術を駆使し、照度安定等、高質な光を誇ります。

 同社では2020年度までをにらんだ新しい環境ビジョンの策定を急いでいます。循環型社会、低炭素社会に向けた対応を一段と進化させるとともに「環境」を「力」にビジネスの強化を描いています。

お客様プロフィール

ウシオ電機株式会社 様

設立1964年
事業拠点国内はもとより、北米、欧州、アジアに持つ
グループ
従業員数
4,681人(2008 年3月末現在)
概要各産業分野にわたって新しい光市場を開拓、「光のリーディングカンパニー」を自負
主要事業領域は、エレクトロニクス、映像・画像、OA、照明
医療の分野には、最近参入

[2009年2月26日掲載]

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