AI(人工知能)は,企業や社会のあらゆる場面をデジタル化し,変革するためのキーテクノロジーである。企業や社会は人が支えている部分が大きいことから,その変革を推進し,大きな価値を提供するためには,人とAIの長所を活かした最適な組み合わせを実現する必要がある。富士通研究所では,Human Centricの考え方に基づいてAI技術の研究開発を行っている。その中で,専門家と同等以上の性能を発揮するAI技術だけではなく,人とAIが深く連携するために必要となる,AIの出力結果を説明する技術の開発も行っている。
本稿では,FUJITSU Human Centric AI Zinraiの全体像を紹介した上で,Deep Tensorなどの学習技術とナレッジグラフなどの知識処理技術,およびそれらの技術を組み合わせた「説明可能なAI」などの先端技術を,医療やセキュリティ分野などへの実践例とともに紹介する。